HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
スズキ グース350(NK42A)の基本情報
シングルのニュースタイルをコンセプトに開発されたスポーツマシンが「グース」
1991年の東京モーターショーで発表され、同年12月に発売された「GOOSE(グース)350」は、「シングルの全く新しいカテゴリーの創出」をコンセプトに造られ、“シングルスポーツ”という新しいジャンルのマシンとして誕生した。それまでのシングルとは異なり、コーナリングを楽しめるシングルとして、国産ではGOOSEが唯一無二の存在であり、それがユーザーの心を刺激した。
GOOSE350を追って、数ヵ月後にはGOOSE250も登場。フロントフォークは倒立から正立タイプへ変更され、オイルクーラーは未装着となった。その他の装備は基本的に同一。「軽量」「コンパクト」というシングルエンジンのメリットを、コーナリング性能を上げる方向で生かしている。
「シングルスポーツ」というコンセプトは外観にも表れている。あたかも、レーサーレプリカからカウルを取り外したかのようなスタイル。その気にさせるハンドルやステップの位置など、バイク全体に漂う雰囲気は、まさに走りを強く意識したものだ。
バイク全体に漂う雰囲気はシングルスポーツ。それが「グース350」だ
DR350をベースとし、高回転型の2スト感覚に仕上げたエンジンを搭載したGOOSE350。33ps/8,000rpm、3.3kg-m/6500rpmを発生するエンジンは、レブリミット10,000rpmという今までに無い高回転型。この高回転域を使って走った時にこそ、GOOSEはその真価を発揮するのである。美しいデザインが特徴的なバードゲージフレームはスチール、スイングアームピボットがアルミと凝った作り。レーサーレプリカのフレームのように高剛性ではないが、このしなやかさがGOOSEのキャラクターによくマッチしている。足回りはフロントに39mmの倒立フォーク、リヤにリンク式モノショックを装備し、少々ハードなセッティング、。ブレーキは、フロントが大径300mmシングルディスクに4ポットキャリパー、リヤが210φシングルディスクに2ポッドキャリパーという組み合わせで、制動力は申し分ない。
ハンドリングは素直で、バンク角に比例するように曲がる。身のこなしは軽快でコーナリング中のライン修正も容易である。しっかりとしたフレーム、足周りによって、シングルとしては比較的安定感が高い。攻めた走りでもしっかりと踏ん張り、そう簡単に破綻しない。低くセットされたセパレートハンドル、相対的に高く感じるステップ、タンデムする事などまるで考えていないかのようなシートなど、バイク全体に漂う雰囲気は、シングルスポーツとして走りを強く意識したものとなっている。
- このページはスズキ株式会社とモーターマガジン社のご協力を頂き製作しています
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