HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
スズキ イナズマ1200(1998年モデル)の基本情報
400ccの車体に油冷1200ccを搭載した「イナズマ1200(GV76A)」
GSF1200(GV75A)からスタートした油冷1200ccネイキッドは、2007年3月のバンディット1250(GW72A)で水冷化され、フラッグシップのGSX1400(GY71A)が油冷として残った形となったが、それまでの間に数多くのバリエーションモデルを展開した。GSF1200の後継モデルとも言えるバンディット1200(GV77A)や、1980年代の耐久レーサーを彷彿とさせるGS1200SS(GV78A)がそのひとつで、GS1200SSのベースとなったイナズマ1200(GV76A)は日常での扱いやすさを重視して登場した。
イナズマ400(GK7BA)とほぼ同一サイズの車体に、GSF1200系の油冷1156ccエンジンを搭載し、キャブはφ36mmからφ32mmに小径化され、トルクピークは500rm高くなったが、常用域での扱いやすさを重視したセッティングとなった。タンク形状を初めとした外観や、SHOWAのツインショック、ブレンボキャリパー、3連メーターなどの採用はイナズマ400と共通で、グラマラスな印象とは異なるコンパクトなつくりは、リッターバイクを身近なものにというコンセプトがよく表れている部分でもある。
GSX400インパルスに対するイナズマ400の位置づけと、スポーツ性を強調したGSF1200、バンディット1200、GS1200SSに対するイナズマ1200の位置づけはとてもよく似ていて、スポーティーまたは個性的なネイキッドに対して、ベーシックで親しみやすさを感じるネイキッドとなっている。気負わずに、という面ではゼファー1100に近いものがあるだろう。わずか2年のラインアップだったため、大きな注目を集めることなくGS1200SSにバトンタッチしていった感じだが、スズキのリッタークラスで最もネイキッドらしいネイキッドと言えるだろう。
- このページはスズキ株式会社とモーターマガジン社のご協力を頂き製作しています
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