HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
ホンダ CRM250AR(1997年発売モデル)の歴史
CRM250R(MD24)/1989年
スタイル、エンジン共にモトクロッサーCRを受け継ぎ、ボア×ストローク=66.4mm×72.0mmの水冷2ストエンジンを搭載。新開発のサーボモーターにより、4400rpmから7000rpmにかけて無段階に排気ポートの可変バルブの開閉制御を行う、独自の排気デバイス「RCバルブ」を装備。クランクの肉抜き軽量化により回転マスを低減し、ピックアップの向上も図った。フレームはCRと同じくオイルタンク一体型の軽量高剛性分割式フレームを採用。フロントフォークはφ41mm、リアはデルタプロリンクで、前後ストローク量280mmという足回りを誇り、まさに公道モトクロッサーと言えるモデル。
CRM250R(MD24)/1991年
1991年で大幅な改良を受け、φ45mm、ストローク290mmの倒立フォークを採用。PGMコントロールユニットを採用し、鋭いレスポンスを実現したRCバルブ、ストローク量300mmのデルタプロリンクリアサス、新設計の低重心ミドルチャンバー、クランクケース下部にミッションオイルポンプ兼用として配置される一軸バランサーなどを採用し、フルモデルチェンジに近い改良を受けた。ピークパワーをあえて40psとし、低中速域を太らせたエンジンなど、エンデューロに最適なモデル。
CRM250R(MD24)/1994年
「プロスペック」をコンセプトに、よりエンデューロライクにマイナーチェンジ。鋼管セミダブルクレードルフレームはヘッドパイプまわりを強化し、分割式のサブフレーム(シートレール)を採用。オイルタンクがフレーム内蔵式から別体式となった。足回りは軽量化されたφ45mm、ストローク290mmの倒立フォークを採用し、ストローク量300mmのデルタプロリンク、φ240mmディスクも継承。エンジンはφ32mmのVMキャブに低重心チャンバー、RCバルブ、PGM-DC-CDIの改良で鋭さを生かしつつフラットトルクを実現。また、外観はよりフラッシュサーフェス化され、タンク容量は11Lにアップした。
CRM250AR(MD32)/1997年
プロスペックエンデューロをコンセプトに、オフロードコースから林道まで思う存分楽しめる高性能マシンCRM250Rが進化。新たにAR燃焼エンジンを搭載したのがCRM250ARだ。AR燃焼エンジンにより低負荷時の不正燃焼を克服し、燃費が32%向上したほか、排気ガス中のHCを約50%減少させた。2ストとは思えないほどスムーズな出力特性も得られ、2ストの可能性を引き出した。次世代の2ストマシンといえるが、これを最後にCRMシリーズは姿を消した。
- このページは本田技研工業株式会社のご協力を頂き製作しています
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