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    2011.12.29 / Vol.23

    カワサキ ゼファー750

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カワサキ ゼファー750のトップ
ゼファー750

レーサーレプリカ全盛時代ゼファー400が登場し、センセーションを巻き起こした。ネイキッドという言葉が一般化したのもこの頃。ゼファー400はブームの立役者となった。その後満を持してゼファー750が登場!!そのスタイルは丸みの帯びた燃料タンク、テールカウル、カムカバーの形状など、ZⅡを彷彿とさせる。そんなゼファー750をカスタムした横浜市磯子区にあるバイクショップスズランさんに取材へ伺った。さっそく内容を紹介しよう。カスタムを手がけた力石氏にお話を伺った。

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Point.1  乗りやすさと見た目のバランスを重視したマシン作り!!
"当時"を意識したソリッドカラー

オーナーと綿密な打合せをし、「気負わず乗れる」「街乗り重視」「厳つい感じ」をコンセプトとしたカスタムを行ったそうだ。外装はライムグリーンを特徴とした爽やかな感じがカワサキを印象づける。以前はドレミコレクションのFX外装キットに換装していたそうだ。燃料タンク容量やキャップの形状がイマイチだったため、純正外装とタンクに戻している。ただ普通に戻すのではなく、オーナーの「外装は着せ替え感覚で楽しみたい」という意向を最大限に取り入れ、"当時"を意識したソリッドカラーをチョイスし、現在のカラーリングとなっている。

フロントフォークは純正のまま
フロントフォークは純正のまま
着せ替え感覚で楽しめる外装
着せ替え感覚で楽しめる外装

フロント周りでは純正フロントフォークはそのままに、アクティブのオイルクーラーやコワースのスタビライザー(アルミ削り出し)、ハイパープロのステアリングダンパーが目を引く。ハンドル周りの振動対策にはステアリングダンパーを装着。ねじれ対策にはスタビライザーを装着するなどしっかりとした対策も行っている。純正フロントフォークをそのまま使用したのは、試行錯誤の末、街乗りと乗りやすさを考えての事だという。それにあまりコテコテにしてしまうと乗るのが嫌になっても・・・。とは力石氏。
足回りにはQUANTUMのダンパーをチョイス。QUANTUMと言えば車高調。F1などレーシングマシンから得たテクノロジーをそのままストリートにフィードバックしており信頼性は抜群である。高い減衰力の設定でも、低圧ガス式の採用によりマイルドな乗り心地とハンドリングを実現したスグレモノである。ブレーキにはブレンボをおごる。ブレーキラインはステンメッシュホースに換装されており、見た目もさる事ながらカチッとしたフィーリングを得られるようになっている。

QUANTUMのダンパー
ブレーキはブレンボ
ブレーキライン
Point.2  飽きのこない曲線美と焼色
チタンの焼き色
チタンの焼き色、曲線美は見飽きることがない

マフラーはオオニシ・ヒートマジックをチョイス。チタンパイプを使用しての手曲げ加工の一つひとつには、見ていても飽きない曲線美・焼色・仕上がりを感じる事ができる。ただオーナーとしては艶消しブラックの、もっと旧車感を出した色合いが良かったそうだが...。試行錯誤の末、気づいたらオオニシ・ヒートマジックに換装していたそうだ。キャブレターはケーヒンFCR。冬はエンジン始動にちょっとしたコツがいるものの、アクセルの開け方など気を使えば、乗りやすいそうだ。加速に関してもパワーバンドにはまった時はかなり気持ちいい仕上がりとなっている。街乗り重視との事だが、そのままサーキットを走っても十分面白いマシンと言えるだろう。

オオニシ・ヒートマジックのマフラー
ケーヒンFCRのキャブレーター
Point.3  制作期間は1年

エンジンは800CCへのボアアップを施している。カムシャフトにはヨシムラのステージ1をチョイス。街乗り重視のオーナーにとってSTOP&GOの多い市街地では、低中速回転域でのパワーを発生させるこの仕様は、かなり乗りやすいものとなっている。またスイングアームはスペックエンジニアリングのオーダーメイド製作を行っている。ホイールに合わせた幅設定、つや有黒塗装、スタビライザー追加、断面加工などを施した物に換装し、さらに安定性を高めている。

カムシャフトはヨシムラのステージ1
STOP&GOの街乗り仕様
グリップはZⅡを彷彿とさせる
後ろ姿はZⅡを彷彿とさせる
後ろ姿はZⅡを彷彿とさせる

ホイールはゲイルスピードの17インチアルミ鍛造TYPE-Cをチョイスしている。カラーリングはポリッシュのガラスコーティング施しており見た目も美しい。軽量・耐久性・安全面などすべてにおいて優れている。このホイールはライダーなら誰もが装着したい逸品であろう。空冷4サイクルDOHC2バルブ並列4気筒エンジンが醸し出す加速感、音、そしてルックス。また、ZⅡを思わせるタンクやテールカウル、丸いカムカバーの形状など、ゼファーの個性に見事なまでに融合させている。ハンドリングは一体感のあるスポーティな仕上がりとなっている。

オーナーの希望により実現したオリジナルカムカバー
オーナーの希望により実現したオリジナルカムカバー

カムカバーにはこのカスタムを担当したBike Shop Suzuran力石氏のロゴが入っている。元々は恥かしくて名前をいれるつもりはなかったそうだが、オーナーの強い要望があり、入れてしまったそうだ(笑)。これも力石氏に対する人柄、技術、信頼の証でもある。これら一つひとつのカスタムをパーツの選択から少しずつ決め、時間をかけて行ったそうだ。

Point.4  まとめ
Suzuranさんにはユーモアが溢れている
※Suzuranさんにはユーモアが溢れている

最後に力石氏に苦労した点を伺った。最初の段階ではオーナーの意図、希望を汲み取った上でのパーツ選定に労力を要したそうだ。費用対効果を考え、部品自体が本来の機能を生かせるように調整し、パーツ自体の性能が干渉しないようトータルバランスを取る事を心がけたという。フロントフォークとフレームを除いてはほとんど手を加えてあるが、街乗りベースのカスタムを考える人たちにとって、参考になったのではないだろうか。基本的にはボルトオンのパーツが中心だが、ブレーキから足回り、エンジン内部まで手を加えたこのゼファー750は「走る・曲がる・止まる」の3拍子揃ったマシンに仕上がっている。
バイクショップスズランさんでは、ミラーからグリップ、ステッカー1枚から、お客様のご希望、ご予算に応じたカスタムに応じてくれると言う。気軽に行けるお店としてありがたい存在であることは間違いないだろう。

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