BBB MAGAZINE

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    2017.04.28 / Vol.18

    GO!キャンプツーリング 奥多摩編

CREDIT

藤原さんのテント風景
鳩ノ巣駅

今年の5月はあたかかった、いや暑かった。30度を越える「真夏日」が2日もあったというのだから、驚く。これも地球温暖化のひとつだろうか? 5月は梅雨入り前なので雨も少ない、まさにツーリングベストシーズン。ということでキャンプに出かけることにする。バイクは走行距離10万キロを越える愛車リトルカブ。久しぶりにエンジンをかけるので不安だったが、セルを回すと一発で目を覚ました。さすが世界のホンダ。行き先は身近で親しみのある奥多摩に決める。さあ、キャンプに行こう!

1.10万キロ走ったリトルカブ復活

リトルカブ
久しぶりに乗るリトルカブと共にマイペースで奥多摩へ向かう。
神戸岩
初めて訪ねた巨大な神戸岩。知らない場所はまだまだたくさんある。

去年の8月以来、久しぶりにリトルカブのセルスターターを回すと、一発でかかった。10万と8千キロ走ったリトルカブだが、まだまだ元気、エンジン音に異音などもない。オイルの量も大丈夫。そういえば自賠責保険がそろそろ切れるころだったかも?と思い書類を確認すると2週間前に切れていた。「やっぱりそうだったか!」自転車で近くのコンビニへ行き、2年分加入しておく。しかし、原付バイクの自賠責保険の手続きがコンビニで簡単にできるのなんて、便利な時代になった。

北秋川渓谷
深い森が続く北秋川渓谷。エンジンを止めると風の音だけになった。

出発の準備に取り掛かる。テントや寝袋、マットなどキャンプ用品をボックスに詰め込んでゆく。この時期の寝袋は夏用がいいか? それとも3シーズン用がいいか? 悩むところだ。気温は25度くらいのようだが、とりあえず間を取って、薄い夏用を2個入れておく。今日明日、雨は降らないようだが、念のため防寒を兼ねてレインウエアも入れておく。さらにミニテーブル、着替えなどを入れると大きなボックスはいっぱいなった。

鳩ノ巣駅
駅舎は木造で、山々に囲まれ風情がある。鳩ノ巣駅

しかしそれより心配なのは体調。実は2日前に風邪をひいてしまったのだ。発熱はないがのどの痛み、せき、鼻水が止まらないのだ。とりあえず昨日、病院でもらった薬を持って行き、あとは無理な行動は控えることにする。キャンプツーリングが無理な行動かどうかどうかは賛否が分かれるところだが...(笑)。「キャンプとバイクで太陽のエネルギーを感じるのが体に一番いいんだ!」とわからない理由をつけ、家を飛び出した。

2.檜原で絶品手打ちそばの店を発見

ソバ
そばは素朴な味だった。座敷にはスーパーカブとモンキーが飾られている。

自宅の相模原から奥多摩は遠くない距離。中学時代のサイクリングからこれまで10回以上行っているが全て日帰り。今回が初めての1泊2日ツーリングなので、いつもより余裕があるのが嬉しい。天気は上々、妻に見送られ自宅を出発する。
まずは県道を北上。高尾、八王子などを経由して武蔵五日市に到着する。JR東日本の五日市線の終着駅はのどかな田舎町。実は高校の同級生が五日市に住んでいて、学生時代よく遊びに行ったことを思い出した。駅舎は新しくなり、駅前ロータリーもきれいに整備された。駅周辺はガラッと変わってしまったが、周りの山の風景はほとんど変わっていない。こ10年近く会ってないバトミントン部のアイツは、元気に暮らしているだろうか?

スズキGAG
敷地にはスズキGAGのほか懐かしいバイクがいくつか置かれていた。

都道33号を西へ、檜原のT字路を右折して高さ100mの一枚岩、神戸岩へ向かう。道はどんどん狭くなり最後は狭い林道になった。大きな岩をくりぬいたトンネルが現れると、そこが神戸岩。一見、岩というより小高い山に見える。周りは深い緑、きれいな渓流が流れる、自然豊かな場所だった。東京の懐の深さを感じる。

手打ちそば深山
手打ちそば深山は古い民家が使われていて、良い雰囲気の中で食事ができる。

都道33号へ戻る途中の道すがら、「手打ちそば・深山」という看板を見つけたので立ち寄ってみる。古い民家を改装した店のようで趣がある。通路を通って引き戸を開けると畳の間があり、一角に古いバイクが2台置かれていた。良く見ると旧式のスーパーカブとモンキー、一目できれいに保管されていることがわかった。お話をすると店主の趣味がバイクで、先日もバイク雑誌社取材に来たという。おまかせ膳を注文すると、手打ちそばに炊き込みご飯、裏の畑で採れたという野菜の小鉢が運ばれていた。素材の味で勝負という感じ、どれも新鮮でおいしかった。店も、周りの雰囲気もいい、次は奥さんと一緒に来よう。

3.この旅のメインは奥多摩周遊道路

リトルカブとバス停
バス停を借りてちょっと休憩。1泊2日だと時間に余裕があるのがいい。

都道33号を離れて、奥多摩周遊道路へ向かう。僕が自転車で初めて走った時は奥多摩有料道路という名前で有料道路だったが、今は無料。自然が豊かで展望も素晴らしい、気持ちいいカーブが連続することから、週末になると多くのバイクや自転車、クルマが訪れる人気の観光道路となっている。バス停でひと休みしていると自転車やバイクがあわただしそうに通り過ぎて行く。
再び走り始めるとスーパースポーツがすぐ横を、爆音を響かせながら猛スピードで追い抜いて行った。この光景は40年前とあまり変わっていないかもしれない。奥多摩周遊道路の一番高い「風張峠(1146m)」はパスして、最も人気のある「月夜見第一駐車場」へ向かう。ここは絶好のスポットで、到着するとクルマ、バイク、自転車がたくさん止まっていた。視界が開けていて、駐車場から眼下に奥多摩湖が小さく見える。ここが東京都とは思えない、雄大な風景だった。

奥多摩湖のパーキング
日曜日の奥多摩湖のパーキングはツーリングバイクが溢れていた。

ワイディングロードを下り国道411号に出ると、青梅方面へ向かった。しばらく走ると木々に囲まれた大きな駐車場が現れる、バイクを入れて再び休憩。ここはさらにバイクが多く、20人以上のライダーが木陰で仲間たち雑談をしたり、コーヒーを飲んだり、のんびり過ごしている。まさに休日の風景という感じ。僕はバイクを離れ、歩きながら周辺の木々や湖を撮影。リラックスした時間を過ごした。

小河内ダム
小河内ダムの眺め。多摩川は奥多摩から蛇行を繰り返し東京湾へ注ぐ。

時計を見ると午後3時。少し早いがキャンプ場へ向かうことにする。奥多摩周辺にはいくつかキャンプ場があるが、今回はネットで見つけた、川井キャンプ場に泊ることにした。今回は風邪をひいていることもあり食事は手抜き、途中でコンビニに立ち寄り、お弁当やパンなどを買い込んでおく。

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