BBB MAGAZINE
CREDIT
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- ライター
- 執筆
藤原かんいち
-
- 撮影
藤原かんいち
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- バイク
モトラ
僕がこれまで乗り継いできた歴代バイク、今回はその2です。最初のバイクが20歳の時で、友人から譲ってもらったスクーター、ヤマハパッソル。そこで完全にバイクに目覚めると原付アメリカン、ヤマハRX50を購入。それからすぐに2輪免許を取得、行きつけのバイクショップで「これ安くしておくよ~」というオーナーの誘惑に負けて、乗ることなど想像もしていなかったヤマハRZ250を衝動買いした。これまでは偶然にもヤマハのバイクばかりけど、さて次はどんなバイクか?
■HONDA XL250S 1985年[XL250SをBBBで探す]
RZ250で中学生以来の夢だった日本一周の旅をついに実現。RZはツーリング向きのバイクではなかったのでポジションや燃費など多少難はあったが、僕の長年の夢を叶えてくれた最高のバイクだった。日本一周は大満足だったが唯一の心残りが北海道のダートを走れなかったこと。当時の北海道は国道でも所々未舗装路の区間が残っていて、さらに自然の奥へ行きたいと思ったときはいつも未舗装路で行く手を阻まれた。この先の風景が見たい、もっと自由に走り回りたい! そんな思いが沸き上がった僕は、次は絶対にオフロードバイクで北海道を走ろうと思った。
日本一周で貯金を使い果たしたので、資金はほとんど残っていなかった。いつものバイクショップに相談すると「中古だけど、そいつなら10万円でいいよ」と赤いバイクを指さした。またしても悪魔のささやきだ(笑)。
それはフロントタイヤが巨大で23インチもある、ホンダのXL250Sというオフロードバイクだった。当時のホンダのオフロードの主流はリアサスがアルミスイングアーム式のXLR250R。XL250Sは5年くらい型遅れの古いバイクだったが、当時の僕はオフロードバイクなら何でもよかった。そのマフラーやヘッドライトなどは交換されて、いい感じにカスタムされていた。
エンジンをかけると単気筒でトコトコ...小気味いい排気音が響く。「いいなぁ、このバイクで北海道の大平原のダートを走ってみたい!!」新しい夢が膨らんだ。
それから数ヶ月、お金を握りしめてショップへ行きXL250Sを購入。日本一周の1年後、XL250Sで北海道のダートというダートを走り尽くす、オフロード2000kmの旅へ出かけた。ウエアも革つなぎからモトクロスパンツへ、ヘルメットもオフロードタイプにゴーグル、走る気マンマン。毎日キャンプをして、毎日ヘトヘトになるまでダートを走り回った。
どこまでも続く真っ直ぐなダートを砂埃ぼこりを巻き上げながら走り抜ける、気分はパリダカール!北海道の大自然を心ゆくまで味わい尽くした。オフ車は道を選ばず、どこだって走れる!行動範囲も心のサイズぐグングン広がっていった。
■HONDA MOTRA(モトラ) 50CC 1986年
北海道の旅を終えた僕はもっともっと広い場所へ行ってみたい。バイクで砂漠を走りたい! 360度の地平線の中をバイクで走りたい! と本気で思うようになっていた。
その頃のバイブルは寺崎勉氏の著書「どこだって野宿ライダー」。オフロードバイクでオーストラリアのアウトバック(砂漠地帯)を走り回る冒険ツーリングの本で、読むたびにオーストラリアの走る自分の姿を頭に浮かべていた。
そしてついに、オーストラリア行きを決心。さらにどうせやるならとことんやってやろう思って、誰もやらない小さな原付、50CCバイクで挑戦することにした。このバイク選びは迷った。考えた末に最終候補に残ったのが、丈夫なスーパーカブ、走破性の高いDT、そして個性的なカタチのMOTRAの3台だった。
かなりの悪路が予想されるのでサスが不安なカブは消えてDTとMOTORAが残った。最後はどっちで走っている姿がワクワクするかを基準にしてMOTORAに決めた。
MOTRAは太いブロックタイヤ、前後に大型キャリア、サブミッション機能、サスペンションの強弱のセッティングが可能なアドベンチャーバイクだった。現地ではその性能をいかんなく発揮した。
太いタイヤは深い砂地でもスタックする事なく、また急勾配の悪路もスーパーローギアでトコトコと、ゆっくりだが粘り強く登った。旅の難関であるナラボー平原縦断時には予備ガソリンを25リットル(25kg)も積んで走ったが、キャリアはビクともしなかった。
もし原チャリのパリダカールラリーが開催されたら、MOTRAが絶対に優勝するだろうと思うくらい、悪路に強いバイクだった。そしてデザインもユニークなので、現地の人に「面白いバイクだな」と良く声をかけられた。ちなみにこのツーリング時の燃費はリッター50km前後だったと記憶している。
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