BBB MAGAZINE
CREDIT
-
- ライター
- 執筆
藤原かんいち
-
- 撮影
藤原かんいち
-
- バイク
スクーター
90年代と2000年代、僕はバイクで世界一周を2度経験している。その時訪ねた国々のバイク事情は、大陸で、また国によって乗っているバイクの種類や特徴、道路事情など二輪の文化は微妙に違っていた。基本的な文化圏は近いはずなのに、隣り合っている国同士で違っていたり、逆に遠く離れている国同士なのにどこか似ていたり、それぞれの国民性がバイクを通して見えてくるようで面白かった。ということで世界のバイク事情を大きく大陸に分けて、さらに国にスポットを当てて紹介! 今回はアジアと中近東のバイク事情です!
アジア事情
これまでに訪ねてきた国の中でバイクを一番たくさん見た国がベトナムだった。実は保有率では台湾の方が高いようだが、自動車が少なくバイクが道を埋め尽くしている率が高いのでそう感じたのだと思う。ホーチミンしか行ったことはないが、とにかく町中にバイクが溢れ返っていた 。数十年前にニュースでスーパーカブの大群が道を洪水のように、町中をグルグル走り回っている映像を見たが、そのままの世界があった。
走っているバイクの排気量は50~125cc、いわゆる日本の原付サイズで、それよりも大きなバイクはほとんど走っていなかった。移動手段の中心がバイクなので歩道を歩いている人はもちろん自転車もほとんど見かけなかった。そしておばさんからギャルまで女性もたくさん運転していた。
バイクの種類はスーパーカブやそれをスポーティーにしたスタイルが多く、17インチクラスの大きめのタイヤを履いた車種が多かった。また近年は日本製よりも安価で手に入る中国製が幅を利かせているらしく、見たことのないメーカーのバイクがたくさん走っていた。地元の人に聞くと中国製はすぐに壊れるので、本当は丈夫な日本製に乗りたいが高くて買えないと嘆いていた。また「お金を貯めていつか日本車を買うのが私の夢なのよ!」とある女性が教えてくれた。
同じようにバイクが多かったのが台湾。保有率は世界一で1.8人に1人が持っているという。台北では信号待ちの交差点に数十台のスクーターがズラッと並ぶ、その姿は圧巻だった。ベトナムに比べると舗装状況がいいため日本と同じ小径タイヤのスクーターが多かった。そして、かなり飛ばしている。主流は排気量100cc~125ccのスクーター。日本の原付サイズの50ccは減少傾向にあるらしい。
バスや電車など公共交通機関が進んでいない ため、安く早く便利に移動できるバイクに人気が集中しているという。台湾メーカーのSYMとKYMCO、日本メーカーのYAMAHA、この3メーカーが全シェアの90%を占めている。輸入規制が変わり大きなバイクも乗れるようになったが、高額であることからまだ一般的ではないらしい。
タイとマレーシアも負けずバイクが多かった。どちらも125ccクラスが主流で日本メーカーがメインだった。デザインはスーパーカブとスクーターをかけ合わせたようなスタイルが多く、タイヤ径は大きいタイプが主流だった。タイは道路事情が悪く段差を越えることが多いため、ギャップに強い大きなタイヤが好まれているようだ。 趣味で乗るよりも庶民の日常の足、物の運搬など、実用的に使われていることが多く、バイクが屋台を引いていたり、大きなプロパンを積んで走っている姿もよく見かけた。そういえばバイクタクシーなんていうのもあった。 またタイでは一般道にバイク専用の通行車線があったり、バイク専用の駐車場も多かったり、その辺の意識は日本よりも進んでいるようだった。
タイよりさらにバイク文化が進んでいたのがマレーシアで、高速道路はバイク走行がOKだった。バイク専用料金所が設けられていて、出入りがとても楽。また高速道路にバイク専用レーンがあるので自動車と同じ道でも、安心して走ることができた。 面白かったのがテレビでバイクCMがバンバン流れていること、それもかなり造り込んだスピード感のあるカッコイイCMで、若者がこれを見たら絶対にこのバイクに乗りたくなると思った。日本ではバイクのCMはまず流れない、バイクに対する偏見がないことを実感した。
またある日、町の一角に人がたくさん集まっていたので、「何かの催しかな?」と思い近づいてみると、何とバイクの試乗会だった。人がたくさん並んで試乗を順番待ちしている。それだけ多くの人がバイクに興味を持っているということ。 公道を数台が連なって走って行く姿は、どこか微笑ましかった。東南アジアは世界で最も庶民にバイク文化が根付いているエリアだった。
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