BBB MAGAZINE
CREDIT
-
- ライター
- 執筆
藤原かんいち
-
- 撮影
藤原かんいち
-
- バイク
アメリカン
僕は90年代と2000年代にバイクで世界一周をした。90年代は原付50CCバイクで、2000年代は夫婦電動バイクで。これまでに訪ねた国は6大陸80ヶ国以上に及ぶ。実際に旅をしてわかったことが国によってバイクを取り巻く環境や乗っているバイクが違うこと。バイクを通してその国の文化や国民性が見えてくるのだ。ということで世界のバイク事情を大陸や国にスポットを当てて紹介します! 今回はオーストラリアとアメリカのバイク事情です。
オーストラリア事情
僕が最初に行った外国、海外ツーリングした国がオーストラリア。何もかもが初体験、見るもの全てが新鮮で、バイク事情や文化の違いに戸惑うことが多かった。最初に訪ねたのが1987年。その時は原付50ccバイクで大陸を一周に挑戦していたのだが、まず日本の町で一番よく見かけるスクーターが走っていないことに驚いた。日本ではおばちゃんや学生が通勤通学の足代わりに使われ、生活に密着している原チャリがどこにも見当たらないのだ。
オーストラリアのバイクは完全に趣味で楽しむものという感じ。足代わりに使っている人はほとんどないようだった。オーストラリアで見かける最も小さなバイクは250ccクラスのオフロードバイク、町中で見かけるバイクの中心は600~1000ccの大型ロードバイク。そういえば郵便局が使っているバイクはハンターカブ110だったな。
土地が広大でアウトバックなど砂漠や悪路が多いため、オフロードバイクも多く見かけた。しかし日本で人気のある250ccクラスではなく大きな600cc前後がメインのようだった。確かに日本人とは骨格や体格がまるで違うし、移動する距離も違うから当たり前か。何たって国土面積は日本の20倍以上もあるんだからね、それだけに移動する距離も桁違いで、隣の町までちょっと走ってくると言って数百km走ることもザラ。走行距離が日本とは一桁違っていた。
時間があるときにシドニーのバイクショップをブラブラ歩いた。売っているバイクはほとんど日本4大メーカーのバイク、まるで日本のバイクショップのようだった。ただよく見ると日本とほぼ同じ車両なのに付いている名前が違っていたり、デザインは同じなのに排気量が違っていたり、同じようで微妙に違うのが面白かった。ちなみに値段は日本より1~2割高かった。
それからバイクショップで日本ではほとんど見ることのない4輪や3輪のATVもたくさん置いてあった。実際にアウトバックを走っているときに、ATVが目の前を横切ったり、広大な牧草地を爆走していたり、あちこちで見かけたが、広い風景がとてもマッチしていた。
中古バイクは走行距離5万km以上、10万km以上走っているかなり走り込んでバイクも普通に売られていて、値段もそこそこ。1万km以下ならほとんど新車扱いという感じだった。昔は新聞に中古バイク欄があり、店ではなくそこに告知を出して個人でやりとりすることが多いと現地のライダーが話してくれた。 ただ中古バイクは整備不良車両が多く、安い中古バイクを買ったのはいいがオーストラリア一周ツーリングの途中で何度もメカトラブルに見舞われ、膨大な修理代かかったという日本人ライダーに何人か会った。あの当時、整備に関してはかなりアバウトのようだった。
ビックリしたことのひとつがフサフサの羊毛付の毛皮をシートの上に、クッション代わりに載せていること。特にロングツーリングをしている現地バイクはほとんどこれを載せていた。初めて見たときはバイクに毛皮というあり得ない組み合わせに、ひっくり返りそうになった。
日本には絶対にないスタイル、不思議に思い理由を聞くと「これを敷くと滑らないしお尻が痛くならなくてゴキゲンなんだ!」と笑いながら答えてくれた。触ってみると雨の多い日本ではカビが生えそうで無理だが、乾燥しているオーストラリアならいけそうだった。それにしてもバイクに毛皮という発想は日本では絶対に思い浮かばない、これも牧畜が盛んで、空気が乾燥している国の特性が生んだひとつの文化なのだろう。
2004年に17年振りにオーストラリアを再訪問。昔は町であまり走っていなかった小さなスクーターを見かけるようになり、また昔は年季の入ったオンボロバイクが多かったのが、新しくきれいなバイクが増えていた。かなり豊かになっている印象を受けた。日本より若干安かった物価はかなり上昇していて、日本より高くなっていた。気候と同じように国の経済によってバイクを取り巻く環境も変わっていくようだ。ちなみにニュージーランドも同じような傾向があった。
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