BBB MAGAZINE

  • 日本一周ライダーズファイル

    2019.08.26 / Vol.14

    酒井 天里(東京都在住)

CREDIT

旅の目的・テーマ

目的は特に設定していなかったです。テーマはとにかく自由に! 時間を気にせず色んな景色を見たり、未体験のことに挑戦してみたいという気持ちでした。

ストーリー

大学3年とき、友人おすすめからバイクに興味を持つようになった。しばらくは友人から借りた原付に乗っていたが、自分のバイクが欲しくなり二輪免許を取得。大学4年の時にスズキのグラストラッカーで北海道ツーリング、九州ツーリングを実現させた。大学卒業後に就職をして社会人となったが、どうしても日本一周の夢が諦めきれず25歳で会社を退職。旅するためにツーリングセローを購入、やりたかった日本一周を実現させた。

旅データ

■時期と日数
西日本編:2018年4月11日~7月15日。東日本編:2018年7月30日~10月8日 合計167日間

■ルート
西日本編:東京から太平洋側を南下して沖縄県へ。沖縄の後は屋久島・種子島・奄美大島など島めぐり。九州一周してから日本海側を北上。途中で四国一周&お遍路。再び本州の日本海側を北上して富山県から東京へ一時帰宅。
東日本編:東京から太平洋側を北上して北海道。北海道の後、日本海側を南下。途中、本州最東端の魹ヶ崎に行くため岩手県へ行き、再び日本海側に戻る。新潟県から南下して東京へ帰宅する。

■訪問した都道府県
47都道府県

■走行距離
25,171km

使用バイク車種

YAMAHA ツーリングセロー

良いところは軽くて丈夫。燃費が良いこと(リッター35~40km)。荷物をこれでもかというくらい積載できること。風景と絵になるなど。欠点はほぼないが、高速走行時は少しパワー不足を感じる。だがそれもゆっくり走れば問題なし。

「聞いてみた、10の質問」

①旅用にカスタムしましたか?

ツーリングセローの標準オプションに加えて、

●グリップヒーター
日本一周中の使用頻度は多かった。特に山間部や朝晩の冷え込んだときに重宝した。

●LEDフォグランプ
見た目がとにかく良い。旅感UP。使用感は正直あまり効果を感じていない(笑)。ただバイクの存在を他車にアピールできるので、事故率は下がったのではないかと思う。

●制振ダンパー
高速走行時のよれと振動が少し減った。長距離移動時の疲労軽減につながったと思う。

●USB電源
スマホでナビをしていたので、充電するために取り付け。


②どんな風に荷物を積載しましたか?

タンクバッグにツーリングマップルや細々とした物を収納、サイドバッグにはカメラ、カッパ、飲料等の使用頻度が高い物を収納。ホームセンターの箱とエンデュリスタンの防水シートバッグにはキャンプ用品を収納。シートバッグとホムセン箱を積んだ前のスペースには衣類とタオル等を入れたリュックをツーリングネットで括り付けていた。西日本ではウエストポーチ、東日本ではレッグバッグに貴重品を入れていました。


③持参したアイテムで良かったものは?

「良かったもの」

●安眠セット(サーマレストのコンプレッシブルピロー(枕)&耳栓&アイマスク)
枕は寝心地がとにかく良い。収納サイズも500mlのペットボトルと同サイズなのでかさばらない。耳栓とアイマスクは家にあった適当なものだったが、ネットカフェやフェリー等周りの騒音や灯りが気になるところで役立った。

●旅名刺
日本一周用に作った連絡先等が書いてある旅用の名刺。出会った人に記念に渡していました。あとで連絡をくれて家に泊めてくれた人もいました。

●バイクカバー
雨に濡れて汚れないように、また、イタズラを防止するために宿泊地や観光地でバイクを長い時間停めておく時はバイクカバーをかけておきました。日本一周中は雨が多い時期もあったので持って行って良かったと思いました。

「悪かったもの」

特にないけれど、しいてあげるのであればメモ帳。旅の記録をするために持って行ったが、ブログとTwitterで僕は十分だった。


④おいしかったグルメは?

●からつバーガー虹の松原本店の"スペシャルバーガー"(佐賀県)
バンズの外がカリッと中がしっとりモチモチで美味しい。中に入っている具材はビーフパテ、ハム、たまご、チーズ、レタス。このすべてのバランスが良かった。

●土佐タタキ道場の"鰹のタタキ"(高知県)
新鮮な鰹を藁焼きにしていただくのだが、身が分厚くぷりぷり。臭みは一切なし。藁焼き体験も楽しかった。

●ジャッキーステーキハウスの"テンダーロインステーキ"(沖縄県)
沖縄に住んでいる友人と食べたテンダロインステーキ(この店の最上級肉)が肉の味がとにかく強くて柔らかくて最高だった。

●鶏の白石の"鶏のモモの唐揚げ"(長崎県)
骨付き鶏の唐揚げ 大阪の旅人に教えていただいたお店で食べた鶏のモモの唐揚げ。骨付きでとても大きくてめちゃくちゃジューシー。

⑤良かったスポットは?

●種子島(鹿児島県)
満点の星空やロケットの打ち上げを種子島で仲良くなった人や、自分と同じ日本一周中の仲間達と見ることができた。

●四国カルスト(愛媛県・高知県)
日本三大カルストの中で一番見晴らしがよかった。カルストを走る前日にカルスト近くの「姫鶴平キャンプ場」で、テントが浸水するんじゃないかと思うほどの大雨を乗り越えた後の、快晴の四国カルストだったので強く記憶に残っている。

●白い貝殻の道(北海道)
ここで見た夕日は本当に美しかった。日本最北端の宗谷岬で合流した僕と同じセローで日本一周している旅人と二人で夢中でシャッターを切った。風の音と海まで続く白い道とその先に沈む夕日の光景は忘れられない。


⑥印象的な宿&キャンプ場は?

●大正カニの家(北海道帯広市)
無料のライダーハウス。無料なのに綺麗なバンガローで、キッチンやシャワーが付いている。この時は雨が多く、一週間くらい滞在した。滞在中に日本一周中のライダーや北海道一周中のライダーと仲良くなった。夜には食材を買ってきて、ジンギスカンや豚丼など北海道らしい料理を作って食べたことも思い出。

●利尻島ファミリーキャンプ場ゆ~に(北海道利尻郡利尻富士町)
Wi-Fiと充電用のコンセント完備、歩いて3分の場所に温泉がある好立地で大人1泊500円。とにかく居心地が良かった。利尻島在住のフォロワーさんが差し入れを持ってきてくれたり、日本一周チャリダーや、バイクと風景の写真を撮っているTwitterで有名な人とキャンプをしたり等出会いも満ち溢れていた。


⑦一番好きな都道府県は?

「北海道」
やっぱりバイクで走るなら北海道が一番楽しい。他の県も魅力がたくさんあるけれど、北海道は札幌等の都心部以外はどこを走っていても楽しいから凄い。そして旅人が多く集まっているので出会いも多かった。


⑧一番大変だったトラブルは?

愛媛から広島に向けて「しまなみ海道」を走行中にまさかのエンジン停止。雨でプラグが死んだかと思い予備のプラグに交換。始動したので直ったと思ったら走行中に再び停止。
産まれて初めて交通管理隊のお世話になり、誘導してもらい安全な場所へ。
その後レッカーを手配、ガソリン給油して始動を試みるがダメ。交換したプラグがきちっと差さっていないのでは?と思い、再びプラグを抜き差しするとなんとか始動。不安を残しつつ、目的地の岡山県へ向かった。途中から今まで体験したことのない豪雨に変わり、シールドを開けても目の前が見えない程。滝の中を走っているのかと思いました。
街灯もなく、土砂が流れ出ている場所をギリギリで避けたり、一歩間違えば死んでいたところをなんとか走り切り、岡山の親戚の家に着いた時は安堵で泣きました。


⑨一番嬉しかった出来事は?

嬉しかったことは山ほどあるので選びきれません... ありきたりですがTwitterを通して出会ってくれた方や地元の方に優しくしていただいたことが何より嬉しかった。旅が終わってしばらくたちますが、今でもその縁が続き、楽しい日々を送っています。


⑩日本一周を振り返って、最後にひとこと

めちゃめちゃ楽しい日々でした。一日一日が濃厚で『これから何十年経ったっても忘れないだろうな』って思います。そして旅の出会いと経験のおかげで、カメラや本制作等色々なことに挑戦したい意欲が湧いてきました。それと次は海外をバイクで走ってみたいと考えています。

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