BBB MAGAZINE

  • 日本一周ライダーズファイル

    2020.09.14 / Vol.27

    今田大也さん(岡山県在住)

CREDIT

旅の目的・テーマ

10年間一人暮らしをしていた大阪から故郷の岡山へ思いっきり遠回りをして帰郷する。ルールとして47都道府県の県庁と代表駅の写真を撮る。ルールとして47都道府県の県庁と代表駅の写真を撮る。

ストーリー

岡山から大阪へ出てきたのが20歳の時、30歳を目前にして人生に行き詰まりを感じていた。大阪で一人暮らし、いくつか挫折を経験して故郷の岡山へ帰ろうと決めたが、どうせ田舎へ帰るなら日本全国の景色を目に焼き付けて帰ろうと思った。移動手段は自転車かカブの2択で最後まで悩んだが、カブならばバッテリーから充電できること、中古車が安かったことからカブに決めた。ツーリング経験もキャンプ経験も0だが、旅のことを考えると胸が熱くなった。日本一周の旅では色んな美しい景色に出会い、たくさんの素敵な人たち出会った。こんなにも刺激的で楽しい毎日は29年の人生で初めてだった。

旅データ

■時期と日数
2016年4月30日〜2016年12月14日(227日間)

■ルート
関西(大阪スタート)→東海→関東→東北→北海道→東北→中部→関西(京都で1か月バイト)→山陰→九州→沖縄→九州→山陽→四国→ゴール岡山

■訪問した都道府県
全47都道府県

■走行距離
約19,256km

使用バイク車種

HONDA LITTLE CUB ホンダリトルカブ50cc

good
燃費がいい。コンパクトで取り回しが楽。

bad
非力のため登り坂が進まない。
バイパス等を走れないため時々大きな国道で迂回を強いられる。

「聞いてみた、10の質問」

①旅用にカスタムしましたか?

リアキャリアにホムセン箱を積載。充電用にUSBソケットを取り付けた。


②どんな風に荷物を積載しましたか?

大きなキャリアを付けてホムセン箱をボルトで固定。荷物は出来るだけ少なくしたかったのでこの箱に入る量の荷物だけにしました。


③持参したアイテムで良かったものは?

良かったもの:
日本全国の観光地が載った本:各地域の有名観光地が把握できた
温泉博士:北海道で出会った旅人から教えてもらって購入。温泉に安く入浴できる特典が付いていて20以上の温泉に入りました。
ユニクロのウルトラライトダウン:コンパクトに畳めてしっかり防寒もできる。長旅には欠かせないアイテムです。


④おいしかったグルメは?

●「鈴木食堂の生サンマ丼」北海道
生のサンマがこんなに美味いという衝撃とまず本州ではこんなに美味い生サンマは食べられない

●「ごまさば」福岡県
生のサバというのは今まで抵抗があったが福岡の郷土料理ゴマサバは臭みもなくおいしくて、価格も安く(700~800円)最高でした

⑤良かったスポットは?

●「礼文島」北海道
トレッキングの時に見た高原植物、海、青空がきれいだった。本州に住んでいたら見ることの出来ない素晴らしい景色でした。また、スコトン岬から眺める日本海、アザラシの群れも印象に残っています。

●「石垣島」沖縄県
絵画のような海の景色が今でも忘れられない。

●「磐梯吾妻スカイライン」福島県
ほかに福島県の磐梯吾妻スカイライン、熊本県の阿蘇のミルクロード、大観峰から見るカルデラ台地がきれいでした。都会の街並みでいうなら東京。他の都道府県を圧倒する栄え方でした。


⑥印象的な宿&キャンプ場は?

●「礼文島の桃岩荘」北海道
まず港まで迎えにきたトラックの中で桃岩荘では知性、教養、羞恥心を捨ててくださいとお願いされる。さらに桃岩荘には桃岩時間というのがあり世間の時間と30分の時差があると説明を受ける。そして夜に行われる謎のミーティング。歌を歌ったり、クイズ大会をしたり、仮装をしたり、いい意味でバカなノリでした。夕陽が綺麗に見えるというだけでみんなで外に飛び出して歌い踊り出した時にはビビりました...(笑)好き嫌い分かれると思いますが、想い出作りで泊まってみることをオススメします。

●「初山別のキャンプ場」北海道
日本海の絶景が見られるキャンプ場。しかも無料。隣に温泉施設があるのもgood。このクオリティが無料なのは北海道ならではだと思います。


⑦一番好きな都道府県は?

「北海道」
ベタですがバイクで走るならやっぱり北海道になっちゃいます。景色はオロロンラインから見る夕暮れの利尻島がとても美しかった。美瑛の丘の景色も感動しました。知床峠から見る北方領土も良かったです。北方領土はこれまでの人生で縁もなかったし、日本一周しなかったら見ることもなかったと思います。

人で印象に残っているのはニセコの温泉で声をかけてくれた男性。話が盛り上がりジンギスカンをご馳走になり、部屋にまで泊めて頂いた。それから日高でお世話になった昆布漁師ご夫婦。一週間昆布漁のバイトをしたんですが、毎日北海道の美味いものを食卓に出してくれて、立派な部屋も用意してくれてとても優しいご夫婦でした。自分も同じように人に優しくできる人間になりたいと思うようになりました。とても感謝しています。


⑧一番大変だったトラブルは?

鹿児島の桜島で火山灰で滑りカーブで転倒、大怪我はなくて前歯を強打して痛むくらいでした。片方のミラーが折れて、タイヤも曲がり、リアキャリアも外れかけていました。何とか近くのバイク屋まで走っていき修理。かなり金が飛ぶだろうなと覚悟をしましたが、日本一周中でお金も無いだろうと無料でやってくれました。本当に助けられました。バイク屋さんには感謝しかないです。


⑨一番嬉しかった出来事は?

「色んな人の優しさに触れられたこと」
見知らぬ人に優しくしてもらったり、泊めてもらったりするのは普通に生活していたらまず無いこと。世の中捨てたもんじゃないなと思える。
「同じように日本一周してる人たちと出会えたこと」
たまたま同じタイミングで日本一周というおかしなことをやっている人達に出会えたことは今では宝だと思っています。


⑩日本一周を振り返って、最後にひとこと

人生の中で日本全国47都道府県全ての地域に行くことはなかなかないと思います。日本一周をしたことで日本には素晴らしい場所が沢山あるのだと実感できました。基本的に野宿だったので今まで当たり前のように触れていた文明が、いかにありがたいことなのかわかりました。貧乏旅で野宿、風呂もロクに入れず布団でも寝れず、そんな毎日でしたがいつも明日にワクワクしていました。人生を楽しく生きるということは安定した社会に生きることに直結しないことを実感しました。

今、日本一周をしてみたいと思ってる人は絶対にした方が良い。理由は何でもいい。ただ今の辛い現実から逃げたい、それでも良いと思う。そこで何を感じるかは人それぞれですが、僕は日本一周をして自分の人生でどういう生き方が幸せなのか?ヒントを貰えた気がします。僕の人生の中で日本一周の経験はいま1番の宝物になっています。

人気コンテンツ