BBB MAGAZINE

  • 部品交換「改」

    2020.05.20 / Vol.07

    YAMAHA TZR250(3MA) リアブレーキインナーパーツ交換

CREDIT

キャリパー分割で完全O/H!

今回はサブタイトルにはTZR250(3MA)とありますが、車体ベースはNSR250R(MC21)。このNSRはナンディさんがメディアを通じて作った最初のカスタムバイク(ストリートファイターNSR)になるのですが、なにしろ組んだのが25年ほど前だし、いろんな車両からパーツを剥ぎ取って付けていることもあり、既に車体構成を自分でも忘れかけています。そんなややこしい車体なのですが、リアブレーキキャリパーにはサポートをワンオフしてTZR250(3MA)を使用しています。このTZR250(3MA)のリアキャリパーをオーバーホールしてみますよ。

最近は頻繁に乗っていなかったこともあって、リアブレーキに関しては「数十年前にオーバーホールしたっけかな」というレベル。ステンメッシュホースも不備があるわけじゃないけど、バンジョーボルトはアルマイトの色が抜けているし、ホースもオイルでデロンデロンに汚れているので一緒に変えます。

フルードを抜きたかったのですがニップルが詰まっていたので、先にピストン側の状況を確認することにしました。取り外した状態でブレーキペダルを踏んでも動くピストンは外側のみ。ホイール側のピストンが出てこないので固着しているようです。

ピストンが出るか否かで命運が分かれる

外側のピストンにブレーキパッドを押し戻すブレーキピストンツールをかけて引っ込ませた状態で固定。これでブレーキペダルを踏んでもう片方のピストンが出てくれればラッキー。完全に固着していないということになります。

無事にホイール側のピストンが出て来てくれました。今までホイール側のピストンがまともに動いていない状態だったということですね。対抗2ポットではなく、型押し1ポットで乗っていたということになる。

ピストンが出て来てくれるか否かで作業のステップは変わります。ピストンが出て来てくれなかったらより長期戦の格闘になるところでした......。ピストンはある程度出した状態にしておいて、ブレーキフルードを抜いたらホースを外します。

ボルトを外してキャリパー分解

構造は至って簡単なのですが、高精度が求められる部分なのでコピー品なんてもっての外だし、素性の分からない社外品は使いたくないですね。以前コピー品のキャリパーをそうとは知らずにサーキットで使用したら、ブレーキで熱を持つとフルードが漏れてくるなんてこともありました。形ばかり高級品に似せて、内部パーツの熱膨張とか素材のこととか考えられていないものはホント怖いし、使えません。

キャリパー内部の合わせ面には小さなOリングもいたりします。ゴムパーツなので何年も乗りっぱなしではNG。必然的にオーバーホールは必要になります。ピストンはキャリパーピストンツールで掴んで外します。

片側のピストンが全く抜けない......。ピストンは新品に交換することもあり、バイスプライヤーでガッチリつかんで外そうとしてもビクとも動かない。そこでヒートガンで熱してから取り外してみることに。

ピストンはバイスプライヤーで掴んだ段階で傷が入るし、シールは熱で侵されてしまうので、どちらも再使用は不可になります。ピストンやピストンシールを交換するのであればこうした摘出方法もあります。

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