BBB MAGAZINE

  • 部品交換「改」

    2021.04.28 / Vol.16

    SUZUKI ZZ シート表皮交換

CREDIT

DIYでシート張替え!

気軽に乗れるだけあって、毎日の通勤・通学で酷使されるのがスクーター。しかし熱い天日や雨風に晒されば外装の劣化は徐々に進行します。特に『しなやかさ」と『強度」を両立させなければならないシート表皮の傷みは結構早い! 高価なバイクであれば自分でやって失敗すると目も当てられなくなるのでプロのシート張替えを断然オススメしますが、安価なスクーターであれば自分でDIYしてみるのも良いだろう!! 今回も太洋モータースさんに場所と工具をお借りしつつ、『シート表皮交換』してみます。

何はなくともまずはシートを取り外す。スクーターのシートは大概がネジ2本くらいで比較的簡単に取り外せるようになっています。このZZも10mmのナット2つでシートステーに止まっているだけでした。

シート表皮はホッチキスの針のようなステープルで止められています。そのステープルを一本ずつマイナスドライバーの先などを駆使して刺さっている足部分を起こしていくと、針の足が片方だけ外れた形になるので、プライヤーなどを使って一本ずつ抜いていきます。古い車両や劣化しているシートの場合は針が錆びて足が折れてしまうこともあるでしょうが、折れた足はそのままにすると怪我の元なのでキチンと抜いておきましょう。

シートアンコの登場です!

左から『張り替える新品表皮』、『アンコ』、『外した表皮』です。アンコは雨水などを吸ったりして微妙に汚れてはいますが、ボロボロ崩れてくることもなく反発力は十分あるのでこのまま使用することに。新品表皮は自分のバイク用に作られた設定のものがあればベストですが、スクーターの場合は汎用として流通しているものも多いだろう。

ここで単に張り替えるだけではないちょっとしたポイントをお教えしましょう。ビニールのゴミ袋をカッターで切って大きな一枚の状態にしたものでアンコに包み、その上から表皮を被せることで防水加工となるのです!

防水シートという名のゴミ袋を被せたアンコの上から新しい表皮を巻いて、タッカーで針を打ち込んでいきます。端から一気に打っていくのではなく、まずは縦横に仮止めする感じで打ちます。

タッカーにもいろいろありますが、エアタッカーが針を出力するパワーもあって一番使いやすい。ハンドタッカーでは打ち込みにくい硬めのシート底板にもガッツリ入っていきますよ!

前後に3発、左右に2発で仮止めした状態。表皮やビニールは現状では余らせていてOKです。というか引っ張りつつ余らせないと綺麗に張り込めません。しかしこの状態ではまだまだ表皮に引っ張りテンションがかかっていませんね。

今度は先程の縦横の間に9発撃ち込みました。具合を見ながら余らせ表皮とビニールを同時に引っ張りつつタッカーで仕留めていくのがポイントです! ここまで来るとシワが無くなり表皮に張りが出てきました。

シワが出ないように張ろう!

そしてまだ手を付けてない部分にタッカーで打っていきます。裏側はいくらシワになっても良いし、シワの上から打ち込んでもOK。とにかく、ここで調整しつつ引っ張りながらタッカーでバシッと決められるか否かで、最終的な仕上がりが変わってきますからね!

もはや親の仇の如く打ち込んで、隙のない仕上がりにしてみた! ここまで打ち込めば多少タッカーが外れてしまったとしても、周りの針たちが耐えてくれることでしょう!!

最後に余っているビニールや表皮をカッターやハサミを使って切断します。「1000円程度の汎用表皮でも、ちゃんと引っ張れるようなサイズに考えられているんだなぁ」と感心してみたり。

ボロボロシートが蘇った!

あのボロシートが数十分の作業でまるで新品のように生まれ変わりました。折りシワは出ていますが、これは使っているうちにケツ圧で押されて馴染んでくることでしょう。

シートが破けているとあからさまにボロイ感じがしてしまうのですが、逆にシートを張替えることが出来れば、かなり見栄えは変わってきます! 表皮やタッカー自体は安価なものも多いので、日頃通勤でスクーターを使う人ならばこの技術は習得しておくと良いと思いますよ。お試しアレ!!

人気コンテンツ