BBB MAGAZINE

  • レストア野郎★Zippy編

    2014.02.21 / Vol.07

    シート低板修正&ワンオフパーツも製作。

CREDIT

    • ライター
    • 執筆

    NANDY小菅

    • 撮影

    NANDY小菅

    • バイク

    ジッピィ50

シート低板修正&ワンオフパーツも製作開始
水野鈑金の親方にお願い

シートを張り替えに出そうと思ったら低板がサビサビでした・・・。そこでシート低板の修復を行うことに。更にワンオフパーツも製作して、単なるノーマルレストアとは違った一面も出していきます!
Vol.6ではサンドブラストを施してペイントの下地を作りました。話しは少し前後しますが、実はブラストの前に静岡県の水野鈑金工業所さんでボロボロに錆びているシート低板をなんとか出来ないかというご相談をしてきていたのでまずはその様子からお届けです。あと水野鈑金の親方にもう一つお願いしていたのが、本来は燃料コックが付く部分のパーツ。ここが欠品しているのでその穴を埋めるようなワンオフパーツを作ってもらいたいというワケなのです!

燃料コックが付く部分の穴を埋めます
アルミプレートの完成

まずは燃料コックが付く部分の穴を埋めるためのワンオフパーツ製作。水野鈑金さんではワンオフパーツ製作も得意としているので、こういった単品や小ロット製作にも柔軟に対応して頂けます!穴に合わせたアルミプレートを作って頂きましたよ!

問題はサビサビのシート低板
シートの縁まで錆びています

シート張り替えに出そうと思っていたのですが、シートの縁がここまで錆びていては新たなシート表皮を張ることが出来ない。まずは水野鈑金の親方ならなんとかしてくれるはず!

風化したシート表皮
錆で腐食した裏側

見れば見るほど酷い状態です・・・。シート表皮は風化して破けているし、裏側は錆で腐食しまくっている。41年分の時はここまでシートを変貌させてくれるんですね。

41年分の錆

特に酷いのが縁が錆びて無くなりかけている部分。シートの純正表皮を引っ掛けていたフック部分も所々消失しているし、とにかくまずはこの縁部分をなんとかしなければならないのです・・・。

ロウ付け

低板に鉄板をロウ付け
母材を溶融させずに接合!

朽ち果てて鉄板が薄くなっている低板に水野鈑金さんが鉄板をロウ付けで仕上げてくれました。母材自体を溶融させずに部材を接合させることができるのがロウ付けなのです!

縁をロウ付した鉄板1
縁をロウ付した鉄板2
縁をロウ付した鉄板3
縁をロウ付した鉄板4

ほとんど無くなりかけていた縁は鉄板をロウ付けすることで修正出来ました。但し、錆で出来た表面の細かな穴までは鉄板が薄すぎでした。ロウ付けしても弱っているその周辺から取れてしまう可能性が高くてやりきれない部分もあるということで、そこはFRPで修正することになりました。

こうなりゃ、ロウ付け+FRP処理の二段構えだ!
FRPで修正!

FRPと言えばプロトモスピーダとMAXAPE製作で手腕を見せてくれたFUNNY'S CUSTOM SERVICEでしょう!ファニーズ川口さんのところにシート低板を持っていき、シートの底面側にFRPを貼って頂くことになりました。まずはサンドブラストを当てて表面にFRPを張るための下地を作ります。

古い縁の凹凸は邪魔!
ベルトサンダー登場!

錆びて古い縁部分の凸凹はFRPを貼る工程で邪魔になるため、まずシート表皮を引っ掛けるフック部分を取り除きます。更に錆で浮いてしまった部分はベルトサンダーで出来るだけ削り落とすことに。

外側からアルミテープで囲みます
穴をアルミテープで塞ぎます

縁部分には外側からステンレステープを囲むようにして貼っていきます。そして表面に無数に開いている小さな錆穴&大穴は上面からアルミテープで全て埋めて、FRPの樹脂が漏れないようにしておきます。

FRPの準備が完了

縁を全体に一周させたステンレステープは強度があるために直立状態を保ってくれます。表面に貼ったアルミテープは柔らかいために細かな穴が埋め易いのです。これでFRPを貼っていく準備が整いました。

金属用のプライマーを塗ります

金属用のプライマー
まず金属用のプライマーを塗ります

FRPは金属に直接くっ付き難いという性質がある。そこでFRPのガラス繊維と樹脂を張る前に、まず金属用のプライマーを塗ります。プライマーといってもほとんど樹脂のような感じのもので、硬化剤を混ぜてから使います。

FRPが硬化しました!

FRPの貼り方は以前製作したプロトモスピーダプロジェクトVOL.10などに詳しく載っていますので、そちらを合わせてご覧頂ければと思います。FRPが硬化したところで、要らない部分をカットしていきます。

リューターで穴をあけて完成
錆だらけのシート低板が復活

シートのヒンジなどが付く部分には穴を開けておきます。シートのロック機構の穴はオーバル形状の長穴になっていたので、そのとおりにリューターで形を作って完成!ファニーズカスタムサービスでは今回のようなシート低板へのFRP張り工賃は程度にもよりますが¥10,000ほどで請け負ってくれます!絶版車の錆まくりなシート低板の処理に困っている方はお気軽にお問い合わせを。

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