BBB MAGAZINE

  • 全国「旅ごはん!」バイク紀行

    2011.05.25 / Vol.17

    忠左衛門の石焼きパエリア(香川県小豆郡)

CREDIT

    • ライター
    • 執筆

    藤原かんいち

    • 撮影

    藤原かんいち

    • バイク

    リトルカブ

瀬戸内海の島々
小豆島の向こうに見える瀬戸内海の島々、そしてその先に四国が見える。

さてさて今回は、少し前にツーリングで訪問、最高においしかったランチを紹介します。場所は小豆島。ご存じの方も多いと思いますが、温暖な瀬戸内海に浮かぶ島で一周約100km。ツーリングに丁度いいサイズの島です。島の中心部は山地で、星ヶ城山(標高817m)は瀬戸内海で最も高い山。険しい岩壁や紅葉が美しい寒霞渓は瀬戸内海国立公園に指定されていて、たくさんの観光客が訪れる。オーリブ栽培や映画「二十四の瞳」の地としても有名な、瀬戸内海有数のツーリングスポットなのだ。

フェリー
小豆島へ行く旅ではフェリーも一緒に楽しめる。海の上から眺める風景も美しかった。

瀬戸内海のいくつかの島は橋で繋がっているが、小豆島は繋がっていない。香川県の高松からフェリーに乗って土庄へ向かう。1時間の船旅だがフェリーの風呂に無料で入れることを知った僕は、タオルと石鹸を持ち、あわてて浴室へ向かった。普通の浴場だが、船で入るお風呂は格別。ぜひ一度みなさんも試してみてください。風呂から上がってぼーっとしていると、あっという間に小豆島に到着した。

ライハのツボ
僕が宿泊した「ライハのツボ」。山の上にありとても静か、おすすめの宿です。

比較的面積の大きい(日本の離島では19番目に大きい)島なので「島にきたな〜」という感覚は強くないが、車も人も少なく、何だかのんびりしている。まずは宿泊予定のライダーハウス「ライハのツボ」へ行く。気さくなオーナーとおしゃべり。ついでに小豆島のおいしい店を尋ねると、それなら「忠左衛門」へ行きましょう!という。新鮮な食材を使ったナチュラル志向のメニューが人気の店らしい。

壮大な風景
坂道をグングン登り、視界が開けたところで眼下を見ると壮大な風景が広がっていた。

ランチタイムに合わせて自転車に乗ったオーナーと待ち合わせ、自転車の後をついて行くと、辿り着いたのは田園地帯の一角におしゃれなお店だった。周りに緑のオリーブ畑が広がっている。二階がカフェレストラン。階段を登ると店の奥に広いテラスがあった。完全にオープン式で、見上げると抜けるような青空。まだちょっと寒い季節だったが、あまりに気持ち良さそうだったので、テラスのテーブルで食べることにした。

忠佐衛門
忠佐衛門の開放的なテラス。青空の下できれいな風景を眺めながら食べるランチは格別。

オーナーのおすすめは、茹で豚とごぼうの醤油ペッパーソースのパスタと石焼きパエリア。どっちもおいしそうで甲乙付けがたい。ということで2品注文し、ふたりで分けて食べることにする。ふたりだとこういうことができるんだよねー。出てきた料理はかなりおいしそう。パスタの方はとてもシンプル。

イタリアン
茹で豚とごぼうの醤油ペッパーソースのパスタ。他にはない店の人気メニュー。

一方石焼きパエリアはとてもカラフル。どちらも食欲をそそる。まずはパスタから食べる。ゴボウの入ったパスタは初めてだが、コリコリとした歯ごたえ(固すぎない)のゴボウがおいしい。そして茹でた豚肉とシコシコ食感のパスタとよく合う。そこにピリッと締める醤油とファンキーなペッパーが加わり、全体の味をギュッと引き締める。まさに食の芸術品。感動の味だった。

石焼きパエリア
熱々の石焼きパエリア。ライスの上に載っている野菜は季節によって変わる。
ソテツ
ソテツなど小豆島は島のあちこちに南国を思わせる風景が点在している。

続いて石焼きパエリア。韓国の石焼きビビンバで使うような分厚い石の器からゆらゆらと湯気が上がっている。カボチャ、ニンジンなどの野菜と豚肉、タコなどが載り、その上からトマトソースがかかっている。黄色いごはんはサフランライスかな?かき混ぜて、では、いただきます。ホフホフ…、熱くておいしい。味付けは薄目でほとんど素材の味で勝負している感じ、それでこれだけおいしいということは、それだけ食材が新鮮な証拠。

ギリシャ風車
オリーブ公園の芝生に立つ白亜のギリシャ風車は、どこかエーゲ海を思わせる。

食はどんどん進み、気がつくと皿が空っぽになっていた。小豆島の山々、町並み、瀬戸内海などなど…美しい風景を眺めていると時間が経つのを忘れてしまいそうだった。ここは食事もさることながらロケーションが抜群。食事は食材と一緒に風景もおかずにして食べているということを改めて感じた。大満足のランチだった。

オリーブ
アメリカから輸入された苗木から、小豆島のオリーブ栽培の歴史は始まった。

食後はオリーブのお茶をいただく。始めて飲んだが、ほのかにオリーブの香りがしてスッキリ爽やかな飲み心地だった。もしあの時、オーナーに尋ねなければ、この店に来ることはなかったはず。おいしい食に出会えて感謝です。

もろみ蔵
歴史あるもろみ蔵、木の樽、木の柱、土壁・・・全てが素晴らしかった「ヤマロク醤油」。

さて、せっかくの小豆島なので、思い切り楽しんじゃいましょう。僕のおすすめスポットは二十四の瞳映画村、オリーブ園、世界一狭い土渕海峡、寒霞渓、醤油工場…そして豊かな自然。食べ物も他に海の幸、うどん、そうめん、佃煮、ひしお丼、醤油ソフトなどなど豊富にあるので、ぜひ、のんびりと一泊して島を楽しんでください!!さらに気軽で安く泊まれる、相部屋式の宿「ライハのツボ」もおすすめですよー♪

小豆島
醤油が有名な小豆島。国道を走っているといろんな場所で醤油工場を見かける。

かんいち的採点表

あじ:

ボリューム:

値段:

石焼きパエリア 800円(税込)

~今回の旅ごはんinfo~

「カフェ忠左衛門」
住所:香川県小豆郡小豆島町池田2352
TEL: 0879-75-0282
定休日:火曜日(水曜日は軽食&ドリンクDAY)

「カフェ忠左衛門」

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