BBB MAGAZINE

  • 全国「旅ごはん!」バイク紀行

    2013.02.25 / Vol.38

    ポッポおじさんの大分からあげ

CREDIT

    • ライター
    • 執筆

    藤原かんいち

    • 撮影

    藤原かんいち

    • バイク

    リトルカブ

愛車のリトルカブ
4年前から乗り続けているリトルカブ。走行距離もついに9万キロを超えた。

九州の旅を始めてもうすぐ1ヶ月になろうとしている。福岡からスタート、佐賀、長崎、熊本、鹿児島、宮崎…とほぼ反時計回りで九州各地をめぐり歩いている。
実は僕の初めてのバイクロングツーリングが九州だった。いまから30年も前のことだが、その時は原付バイクに自走で九州まで行き、オランダ坂、やまなみハイウェイ、阿蘇山、桜島、佐多岬、日南海岸、高千穂峡など九州をぐっと一周。泊まった宿で友だちになったライダーと一緒に阿蘇を走ったり、長崎で高校時代のペンフレンド(もちろん女子)に会ったり、きれいな砂浜に落書きをしたり…初めての九州を思い切り満喫したことを憶えている。

美しい干潟
国東半島を走っていると、潮が引き縞模様になった美しい干潟が広がっていた。

そんな思い出の多い九州を旅していると見かけるのが「からあげ」屋。気にしながら走っていると「からあげ」と看板を掲げた小さなお店が意外とたくさんある。僕が住んでいる関東では「からあげ」屋というものをほとんど見かけない、というか関東ではからあげの専門店という文化自体が存在していないような気がする(これはあくまでイメージだけど)。もし外でからあげを買うとしたら、惣菜屋か肉屋になるだろう。

緑の森
大分の内陸へ向かって行くと自然豊かな緑の森がどこまでも続いていた。

確かに、九州といえば宮崎の炭火焼き「地鶏」、鶏ガラスープで福岡の炊いた「かしわめし」、鹿児島の「鶏刺し」など鶏肉のイメージが強い。鶏のからあげがおいしいことも有名で、特に大分といえば「からあげ」(福岡、熊本も多い)。せっかくだからどこかで買って食べてみたい。これだけたくさん店があるということは、絶対においしいはずだからね。

阿蘇
阿蘇へ近づくと景色が一変する。高い木がなくなり緑の大地が広がった。

杵築のスーパーでバイクを停めると、偶然にも黄色い看板に「ポッポおじさんの大分からあげ」と書かれた店を見つけた。今日の夕方には大分県を出る予定、食べるなら「いま」しかない。よし、ここで買って食べよう!
店に入ると中は狭く、受け渡しのカウンターがあるだけ。お弁当屋さんのような雰囲気だ。メニューの写真が載ったポスターが貼ってあるのでチェック。見ると普通の唐揚げにもいろんな種類があり、また鶏肉を使った別のメニューもあった。

ポッポ
黄色い看板とポッポおじさんが目印なのですぐにわかる。県内に19店舗!

内容は、塩からあげ、しょうゆからあげ、ブツ切り(ニンニクしょうゆ味)、みそからあげ、チキン南蛮、とり天、テバシオ、チキンカツ、ズリカラ、コリコリなど鶏肉メニューだけで10種類。からあげの種類など1つか2つだと思っていたので驚く。ごはんの付いたお弁当もある。見ているとどれも食べたくなってくる(笑)。できれば肉を何種類か食べたいよなぁ…と思っていると、「どか弁」なるお弁当があった。塩からあげとチキン南蛮、とり天と肉が3種類入っているらしい。いいね。よし、これに決定だ!

臼杵石仏
大分県には貴重な石仏、磨崖仏が数多く残っている。これは臼杵石仏のひとつ。

「4」と書かれた札を渡され、イスに座って順番を待っていると、お客さんが次々にやって来る。見たところほとんどが主婦層。昼ごはんのおかずに買って行く人が多いようだ。
「4番の方!お待たせしました!」ようやく呼ばれた。肉の種類が多いからか、出来上がるまで20分近く待たされた。でもそれは揚げたてが食べられるということ、期待感がグングン膨らむ。袋を受け取るとズッシリ重い。外に出て袋を開けてみると、コンビニ弁当サイズの容器に、キラキラと輝く肉の固まりがビッシリ詰まっていた。白ごはんも大盛り。「おおおっ、これは食べ応えありそうだぞ!」思わず顔がにやける。バイクにお弁当を積み込み、少し離れた公園へ移動する。
「いただきます!」

ポッポおじさんの大分からあげ
予想を超えるボリュームだったので昼と夜2回に分けて食べてみました(笑)
原尻の滝
豊後大野市の「原尻の滝」は迫力満点で、東洋のナイアガラと呼ばれている。

おっ、柔らかい。「塩からあげ」を食べた瞬間、鶏肉が柔らかさに驚いた。肉を包み込んだ衣の塩加減も絶妙なバランス。これならいくつでも食べられそうだ。それに初めて食べるのに、この安心感と安定感は何だ!? これがからあげの本場の実力なのか。次に「とり天」。いわゆる鶏肉の天ぷら、関東ではあまりお目にかからないが、九州や四国では定番らしい。食べてみるとこれが「からあげ」以上に肉が柔らかい。衣もしっとり柔らかめでとても食べやすい。付いているタレとの相性もバッチリだ。ごはんも進む。

棚田
九州北部では棚田いくつか見ることができた。行くなら4〜5月がおすすめ。

そして最後が「チキン南蛮」。これは衣にしっかり味が染み込んでいる、これにタルタルソースをかけて食べると、他とはひと味テイストになる。どれも鶏肉を使った揚げ物ばかりなので飽きるんじゃないかと思ったが、食べ始めるとそれぞれに違った特徴があるので、どんどん食べられる。改めてごはんとからあげは最強の相性であると確信した。とにかく、からあげ大好き人間にはたまらないメニューなのことは間違いなし
3種類ともおいしかったので、テバシオ、チキンカツ、ズリカラ、コリコリなど他のメニューも絶対にいけるはず。次、大分へ行くことがあったらぜひ他のメニューも食べてみたいと思っている。

やまなみハイウェイ
九州へ行ったら絶対に走って欲しいルートのひとつが「やまなみハイウェイ」。

かんいち的採点表

あじ:

ボリューム:

値段:

どか弁 580円(税込)

~今回の旅ごはんinfo~

ポッポおじさんの大分からあげ(杵築店)
住所:大分県杵築市大字杵築字北浜665-618
TEL: 0978-63-6677
定休日:無休
URL:http://2column.heteml.jp/karaage/

ポッポおじさんの大分からあげ(杵築店)

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