BBB MAGAZINE

  • 大人のたしなみとしてベスパに接してみよう!

    2014.07.24 / Vol.02

    - page2 - 旧車レストア #02

CREDIT

    • ライター
    • 執筆

    隅本辰哉

    • 撮影

    隅本辰哉

    • バイク

    Vespa

Vespaアクセサリーカタログ(表)
Vespaアクセサリーカタログ(裏)

◎アクセサリーカタログ
庶民の足として、生活のパートナーとして、世界中で普及したベスパだけに、より使い勝手を向上させる目的だったり、はたまた個性的にドレスアップすることが目的だったりと、数多くのアクセサリー類が用意されているのも魅力だったりするんです。そういったものは純正品だけでなく、社外品まで含めると本当に多くのバリエーションがあり、自身のベスパに装着可能な製品を探すというのも一興でしょう。
フロントバンパー、サイドバンパー、リヤキャリヤ、フロントキャリヤ、ホーンカバー、サイドパネル飾り、タイヤカバー、ホイールキャップなど、汎用から専用まで各種あって、専門店で探せる場合もあれば、ネットオークションなどでも探すことができます。またwebでベスパなどの部品やアクセサリー類を積極的に展開しているネットショップも存在しますので、そういったところの商品をチェックするのも近道かもしれません。
でも、まずはどんなものがあるのか学んでみたいという人......はっきり言ってナイスです! レストア道は焦らずに、そして直面するさまざまなことに興味を持って調べたり学んだりできる人のほうが向いている趣味の世界です。なので"アクセサリーカタログ"というものがきっと役立つでしょう。ぜひ手に入れてアクセサリー類の造詣も深めていってください。
ところでここで紹介しているアクセサリーカタログはイギリスのもので、当時ベスパの本家製造メーカーであるイタリア・ピアッジオ社とライセンス契約を交わしたイギリス・ダグラス社の用意していたもの。だからイタリアのものや、そのほかのライセンスメーカーが作っていたものなんかも探せるかもしれないし、カタログや雑誌、はたまたDVDといったビジュアルアイテムは作業時以外のモチベーション維持にも役立ちそうなのでオススメです!
写真のアクセサリーカタログはイギリス・ダグラス社のもの。VNBだけではなく、同年代の車両用アクセサリーがいろいろと掲載されているので流用可能かを考えるのも楽しそう

タイヤ装着前
STEP14:タイヤ装着の前にマフラーを取り付けておきましょう。後からだとかなり敷居が高いです
ナットを締めて固定
STEP15:リヤタイヤはそのまま入れば問題なしですが、キビシイ場合は空気を抜いて装着します
リヤタイヤ装着完了
STEP16:ナットを締めて固定したらリヤタイヤ装着も完了。ようやくジャッキを外せます
左側サイドパネル
STEP17:左側サイドパネルを付けているところ。仮組みなのでネジは2箇所だけで固定してます
サイドパネル内部
STEP18:フタ付きのポケット形状をしたサイドパネル内部は、物入れとして十分実用的なもの
右側サイドパネル
STEP19:右側サイドパネルはエンジンフードを兼ねた脱着式。後ろ側を差し込んで前側で固定
荷台固定
STEP20:荷台の固定は3箇所のボルトで行う。仮組みなので、軽く止めた程度の力加減
ナットで固定
STEP21:フロントタイヤをハブに合わせてナットで固定。仮組みのため、ナットは2箇所のみ
ハンドル仮組み
STEP22:ハンドル仮組みは、古くなって使わないワイヤー類も通すべきところを通して装着
固定のために位置を決める
STEP23:ワイヤー類を通し終えた後はハンドルを深く差し込んで、固定のために位置を決める
ハンドルコラムのところにあるボルトを締め込む
STEP24:位置決め後のハンドルの固定は、ハンドルコラムのところにあるボルトを締め込んで行う
上下分割式の上側ハンドルカバー
STEP25:上下分割式の上側ハンドルカバーを止めるため、内部にバンドが付いているのがわかる
バンドをかけて固定
STEP26:バンドをかけて固定したようす。マイナーチェンジ後のVNB3から上下分割ハンドル不採用
ヘッドライトのメッキリングを仮付け
STEP27:用意しておいたヘッドライトのメッキリングを仮付けしてみたところ。高まる~
ライトスイッチ
STEP28:ハンドル右側のライトスイッチも仮装着。メッキパーツなのでピカピカ光ってカッコいい!
仮組み完了!
古いベスパっていうのはお尻の丸さも大きさも、そしてなにより前後8インチタイヤの採用でちょっと車高が低いところも雰囲気があっていいよね♪

なんとか仮組みを終えたってことで......

どうにかカタチになったVNB2ですが「なんだか簡単そう」と思った人、そして「設計図がないので難しそう」と思った人など、感じたことはさまざまでしょう。簡単そうと感じた人は、自身がレストアを行うときも簡単に進められるよう、ぜひ知識を深めていってください。難しそうと感じた人は、いちいち考えこまずに作業できるくらい知識を身に付けておくと、作業の手が止まらずモチベーションを維持しやすいと思います。
さて、今回の仮組みで多くの人が気づいたと思われるエンジン搭載位置と重量バランスについて軽く触れておきましょう。フレームの右側にエンジンを搭載しているので、搭載位置はフレームセンターよりも右側にオフセットされた状態だったりします。当然、重量バランスは右に偏っていて、初めてベスパに乗った人は「乗りにくい」と感じることが多いようです。またセンタースタンドを外したときにグラっとして、そのまま右側に車体を倒してしまったなんて悲劇も時折耳にします。
だけどそんな印象のワリに、けっきょくベスパにハマり、夢中になってしまう人が後を絶ちません。たぶんそれは楽しいから。もっと言うとクセがあるものって、使いこなしたり乗りこなしたりできると楽しくてしょうがないじゃないですか。きっとそんな風にベスパの虜になっていくんじゃないかって思うんです。
そうそう、まだこのVNB2はエンジンが不動だし、なにより仮組みでしかないためにホイールナットは2箇所しか止めていないとか、随所に仮止めしただけなんて部分が残っています。もしも仮組み後に動かす可能性がある人は、そこのところ注意してくださいね。
それから作業工程の説明で18番を見直してもらいたいんですが、うっすらと何かを取り付けていたような汚れの後があるのがわかるでしょうか?取り付けのための穴もあり、その雰囲気からレギュレーター装着の痕跡と思われます。なのでもしかしたらP(途中で生産されていない時期があったり、名称もPからPXに変更されているが、70年代後半に登場してマイナーチェンジを重ねながら現在まで続くロングセラーモデル)のエンジンを載せて、比較的始動しやすく扱いやすい仕様にすることでデイリーユースで活躍していた車両なのかもしれません。
古いモデルの場合、そういった車両自体のヒストリーを想像するのも楽しそうだと思いませんか?
今回、仮組みを終えたことで現状が把握しやすくなりました。......ということで、旧車レストア編の第3話では、足りていないもの&ダメなものの洗い出しを行っていくことになるようです。

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