BBB MAGAZINE

  • 大人のたしなみとしてベスパに接してみよう!

    2016.02.01 / Vol.20

    スモールで遊ぶ #07

CREDIT

    • ライター
    • 執筆

    隅本辰哉

    • 撮影

    隅本辰哉

    • バイク

    Vespa

前回はVespaGPを楽しむための参考として、実際にマシンを用意して参加しているという方を紹介しました。その流れから今回はロード編に対するオフロード編ということになります。 ただ今回お話をうかがった土田さんの場合、マシンはまだ手に入れてないんですが、それでもスクータークロスを楽しんでいるようです。では土田さんの楽しみ方とはいったい!?

スクータークロスin関西の集合写真

スクーターでもオフロード走行を楽しんじゃおう!でもせっかくだからアウトドア気分全開でお腹だって満たしたい!!......そんな風に"泥んこ遊び"も"たらふくバーベキュー"も堪能しちゃいたいぞって、スクータークロスに参加しているのがこちらの面々(写真は関西開催時)。 元々は関東でスタートしたスクータークロスも現在は関西でも開催されるようになり、その認知度とともに参加者からの反響も大きくなりつつあります。 休日を大好きなスクーターでENJOYしながら、アウトドア気分で大盛り上がりのバーベキューまでも堪能できてしまうんです。一度経験してしまうと病みつきになるのもうなずけてしまいますよね。なおこの時の「スクータークロスin関西」には土田さんも参加しています。前から2列目、左から2人目の水色Tシャツが土田さんです。

ベスパクラブ東京の代表 土田さん

まったく2輪への興味がなかったことから、免許取得は18歳の時に原付からという土田さん。免許を取ろうと決めたのはベスパに興味を持ったからなんだとか。その思いが叶って最初に乗った"人生初バイク"がスモールベスパの50Sだと言い、その後はスモールだけでなくラージや近年のオートマモデルまで、さまざまなベスパを乗り継いできたそうです。 しかも現ベスパクラブ東京の代表として、世界のベスパクラブとの交流や海外ツーリングも実践しているアクティブ派のベスパ乗りでもあります
ベスパクラブ東京(ベスパクラブ東京(https://www.facebook.com/pages/Vespa-Club-TOKYO/)

スクータークロスへの参加のキッカケとは?

土田さんとスモールベスパ黄色
土田さんとスモールベスパ灰色
土田さんとラージベスパ

第5回までの「スモールで遊ぶ編」では"遊ぶためのマシン作り"に続いて、"遊ぶためのフィールド"も紹介してきました。そのロード版がサーキットレースのVespaGPであり、ダート版がオフロードコースで行われるスクータークロスというワケです。 そこで「スモールで遊ぶ編」を通じてそれらイベントに興味を持たれた方にとって、実際に参加している人の声こそが最も参考になるハズとの思いから前回の第6回ではVespaGP参加者のお話を聞いてきました。そして今回です。この流れでいくとお分かりだと思いますが、スクータークロス参加者にもお話を聞いてみることにしようと思います。
さて、そんなワケで今回お話をうかがったのは土田さん。紹介コメントにも書いてある通りベスパクラブ東京の代表を務めているということですが、前回の藤井さん(VespaGP参加者)とは参加のスタンスが異なっていて、現在までのところ自分で参加車両を用意することなく参加しているところに注目してみました。
ではいったいどんな経緯で参加することになったのでしょう?
土田さんと言えば名実ともにベスパを媒介としてスクーターライフを楽しんでいたりするので、そのネットワークの広がりは日本国内にとどまらず海外にまで及んでいます。もちろん当記事に積極的に協力していただいているMuseo Vespa Giappone(通称ムゼオ)ともつながりがあり、そのムゼオから誘われたことがキッカケだったと言います。
実はスクータークロスのことは始まった当初から知っていたそうですが、最初のころは機会が作れなかったこともあって不参加だったそうです。
土田さんはスクータークロスへの参加以前にレンタルバイクによるオフロード走行を体験済みだったといいますが、その時の経験を「本気の人たちに混ざって80ccとか100ccくらいのオフロード車を借りて遊んでたんですけど、250ccクラスの車両も走っていて追い越されるときなんかはスゴく怖いと感じました。 こっちは興味本位の遊び気分だし、初めてだったからオフロードコースの走り方だってよく分かってなかったんですよね。抜かれる時の速度の違いだったり、抜きどころだって分かっていなかったから本当に怖いと感じました」と言います。
その点、スクーターはオフロード走行するのにはポテンシャルの低い車両ばかりですし、参加者たちも選手権のかかった本気走りの人なんていません。そういう意味からも、追い越されるときの恐怖感などはほぼなくて走りやすいと感じているそうです。

国産スクーターでモトクロス!
試乗要3輪スクーター

まだ自分のマシンを持っていない土田さん。さまざまな車両に乗らせてもらえたことで、特性の違いから上手に速く走らせるコツもそれぞれ違うことを意識するようになったそうです。上段左、上段中はスモールベスパ。上段右はラージベスパで、下段左が国産スクーター。下段右は遊び時間の試乗用に持ち込まれた3輪スクーターです

◎まずは見学から

ギャラリーもたくさんいます
多くは参加者に同行してきた友人や家族、それに彼女といった関係性だと思いますけど、けっこうギャラリーも盛り上がってます
バーベキューを楽しもう
主催側で用意するバーベキューブースがこちら。肉を焼くニオイと煙に釣られてか、焼きだした途端にぞろぞろ集結し始めます
おいしいものは皆で共有!
美味しいものには笑顔がお約束。最近では主催側以外にも各々食事を用意する流れが始まっていて、それも楽しみの一つです

スクータークロスというイベントは、主催側からのアナウンスだと「バーベキューに釣られて来ちゃってください! そのついでにスクーターによるダート体験も楽しんでみてください!!」というものだったりします。 なのでまずは事務局として窓口となっているベアせたがや(http://www.bear-s.com/)のKさんに連絡してから開催当日の会場まで足を運べば、参加者たちがスクーターによる"泥んこ遊び"を楽しんでいるようすを見学したりバーベキューに混ぜてもらったりすることが可能です。
スクータークロス(スクータークロス(https://www.facebook.com/ScooterCrossJapan?ref=profile)

始めるのに装備などはどうすればいい?

BENE・高山さん
装備はしっかり揃えましょう。
チーム・ベアせたがやのメンバーとして2位入賞!

ところで土田さんがスクータークロスを初体験した時のことも、これから始めてみようという人なら気になるポイントではないでしょうか?
ムゼオから誘われてあまり考えもなく会場入りした土田さんでしたが、「せっかく来たんだから乗っておいでよ」という声がかかり、それなら乗ってみようかなという気になって走ってみたんだそうです。
とは言っても、土田さんの場合はどこの誰か面が割れているという感じなので、やはり一般読者の方で始めてみようという人の場合だとイキナリ「乗っておいでよ」とはならない可能性が大かもしれません。そこは参加者たちとのコミュニケーションを深めていくとか、スクータークロス参加ショップに同行させてもらうとかが近道となりそうです。
そしていざ走るという時が来たなら、そのために用意する装備や格好も気になりますよね。主催者によると「装備面はけっこう気楽です。できればしっかりとしたオフロード用の装備を推奨しますけど、くるぶしまで隠れるブーツや長袖長ズボン程度という教習所に行くのと同じレベルで考えてください。プロテクターは参加ショップなどで借りられます」とのことです。これならけっこう気楽に始められるんじゃないでしょうか。
土田さん自身もけっこうラフなスタイルでオフロード体験を済ませているのが写真でも分かりますが、初めての時には転倒して手首を痛めてしまったことがあるそうです。なので装備はしっかりしておくほうが正解でしょうけど、模擬レースではなく試乗や遊びでコース走行するときに十分な注意を払いながら主催者の言うような気楽なスタイルでオフロード体験できるのはポイントだと言えそうです。
ただ土田さんにしてみると「スクータークロスって走って遊ぶだけじゃなく、バーベキューや仲間たちとのコミュニケーションだったりという"場"を楽しみに行くという感覚が大きいんです。主催側が用意しているバーベキューブースだけでなく、来る人たちでもテントを立てて自分たちで食事も用意するんです。 それで、持ち寄ったものを食べてください食べてくださいって分けてくれるんで、ほかの人のご飯も楽しんだりできちゃうんですよ。つまり食事+"ちょっと遊べる"からグッと楽しめる場になっているんだと思います。 その"ちょっと遊べる"をもっとのめり込みたいってなり始めたら、自分でマシンを用意して装備も揃えたりすればいいんじゃないですかね」と考えているそうです。

チーム毎にテントを用意
おいしいものはおすそ分け

ガード類やオフロードブーツ着用で関西に参加したBENE・高山さん(上段左)。土田さんは見るからに軽快だが、怪我のリスクなどを考えると装備はしっかりしたほうがいいと考えているそうです(上段中)。 それでも関西ではチーム・ベアせたがやのメンバーとして2位入賞(上段右)。チームごと、ショップごとにテントが用意されているのが分かります(下段左)。テント内では思い思いの食事を楽しみ、他チームとのおすそ分けも盛んです(下段右)

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