BBB MAGAZINE
CREDIT
-
- ライター
- 執筆
隅本辰哉
-
- 撮影
隅本辰哉
-
- バイク
Vespa
◎イタリア製との違いを確認してみよう!


ここでは実際にどこがどのようにイタリア製と違っていて、そもそも台湾製ではどうなっているのかを確認していきましょう。

イタリア製スモールは形状違いながら125系にステンレスリム付きΦ105mmヘッドライトが標準。台湾製はΦ130mm大径ライトを採用しています

イタリア製のメッキスイッチとまったく違うプラスチック製ウインカースイッチ。バーエンドウインカーが付き、レバーはラバーコーティングされています

プラスチック製でライトのON/OFF、ハイ/ロー切替、ホーンを操作。左側同様バーエンドウインカー&ラバーコーティングレバーを採用しています

アルミ製ロゴエンブレムをカシメ装着するイタリア製に対して、ブロック体ながら異なる雰囲気で柔らかな樹脂製のものを両面テープで貼り付ける台湾製

台湾製には黒のクレストが付きますが、これはイタリア製にはない特徴です。別モデルでクレストのあるモデルもありますが、形状と色が異なります

イタリア製にはないメインキーが付きます。ガソリンコックレバー、チョークノブ、荷掛けフックはイタリア製にもあり、コックの操作位置も変わりません

左サイドパネルがBOXではないので、シート下の脱着式BOX(小物入れ)にレギュレーターを設置。6V電装のイタリア製にはない装備です

シートヒンジの固定部分には、ヘルメットホルダーとしても使えそうな簡易フックを装備。左右それぞれに備わるので、けっこう重宝しそうです

イタリア製では125系専用メーターとなる扇形状メーターを採用。メーターまわりのデザインや造形はスプリントやラリーとよく似たものとなっています

仕様違いのボックス装着モデルもありますが、撮影車両はイタリア製と同じくスペアタイヤを装着。タイヤ銘柄が「vespa」となっている点は注目です

イタリア製ではセンター部にもレールが装着されていますが、台湾製ではラージ系のPとデザインが同じ格子状のセンターマットを採用しています

イタリア製はPIAGGIOのロゴ入りとなりますが、台湾製はvespaロゴとなります。シート形状的にはPにそっくりなもので、キー付きとなります

イタリア製と台湾製でモデル名が異なるため、リヤの車名エンブレムが別ものとなります。なお往年の同名イタリア製レーサーベースモデルとは別ものです

イタリア製では正方形、台湾製には長方形のブラケットが付きます。これは、それぞれの国のナンバープレート形状に合わせたものとしたからでしょう

台湾製はマフラーエンドが短く、斜め下向きでタイヤ交換がとてもラク。初期イタリア製は真っ直ぐ長く伸びたマフラーエンドだったので交換が手間でした

イタリア製はアルミで、台湾製はステンレスパイプのレッグシールドモールを採用。ほかにタイプの異なるプラスチック製のものを装着する仕様もあります
台湾製の印象は?

ここからは台湾製のことについて、いつもお世話になっているムゼオ(Museo Vespa Giappone)に聞いていくことにしましょう。
◎台湾ベスパ自体がもう存在しないメーカーですし、正規輸入が途絶えてずいぶん経っていますから、やはり気になるのは整備性や部品供給だと思います。そこはどうなんでしょう?
ムゼオ(以下ム)
:いきなりネガティブなのもどうかと思いますが、位置と形状の問題で乗り降り時にヒザでライトスイッチを壊してしまいやすかったんですよ。だけどライトスイッチは手に入り難い......というか、部品供給はどのパーツがダメだとかということより流通しているところをまず見ません。それは現在も同じ状況です。
◎乗りやすく速いイメージの台湾ベスパなのに、部品供給の問題で壊れると手を焼くということですか?
ム:オリジナルにこだわるのであればということですね。オリジナル状態にこだわらなければ流用パーツでどうにかなったりしますし、基本的にエンジンは良いので部品取り用として好んで使われていたりします。なのでエンジンだけ探しているという話も耳にします。
◎流用パーツとなると知識も必要になりそうですが?
ム:部品を変えたいとき、変えたいところとなると、トラブルが発生する箇所だったりすると思いますので、電装関係だったりシリンダーまわりなどが多いかもしれません。それで電装はイタリア製と別ものなので、流用しようとすると大掛かりになって大変です。シリンダーはダメになったらボアアップとかを考えると思うので、社外品が使えます。だからそういう意味でオリジナルにこだわらなければ、ほとほと困るというシーンに陥ることはないんじゃないでしょうか。それから内部パーツはベアリングとオイルシールなどだから、台湾製の部品は流通していなくてもサイズや規格に合わせたものをベアリング屋などで調達できます。そもそも部品供給が見込めない車両に乗ろうとなると、ある程度は部品単体で手に入れたり、流用可能なものを探せるといったスキルは必要でしょう。
◎それでもオリジナルにこだわることも可能なんですか?
ム:部品取り車を用意して、移し替えながら対処するという方法が主な手段になると思います。とは言え現在の流通量は期待できる状況ではないですから、オリジナルのまま維持しようとなるとけっこう苦労するハズです。情報についてもカンタンには手に入らないかもしれません。
◎では台湾製はどんな乗りものだったのか、使い勝手はどうだったのか、そこの部分はどうだったんでしょう?
ム:整備状況によっても違うとは思いますが、台湾製はなんとなくシフトが入れやすく乗りやすいと感じましたね。それにイタリアものと走っていても、最高速度は確実に上回っていました。メーター読みでも違うし、並走して走っても速かったので「ああ、乗りものとして性能はいいんだな」って感じはありました。シートもしっかりしていて感じが良かったですね。それと好みはあるでしょうけど、レバーがラバーコーティングされていて触りが柔らかい印象でした。感触は悪くなかったですよ。それとキーがあるということの安心感は絶大ですよね。いたずら防止の観点で。シンプルなほど美しいということでキーをカッコ悪いと言う意見もありますから、一概にどちらが良いとは言い難いところです。だけど盗難やいたずらに対する威力は大きい。なので乗りものとしてはいいイメージですよね。あと12Vのライトが明るいんですよ。これもアドバンテージでしたね。
◎だけどあまり人気がでなかったのはなぜでしょう?
ム:問題はやっぱり生産国だったり、デザイン的に好き嫌いがわかれたからじゃないでしょうか。ベスパの50と言えば「やっぱりイタリア製でハンドルが小さくてまーるいイメージ。そしてカワイイ」というのが世の中の認識だったように思います。そこへライトが大きくてシートが角ばっているという、台湾ならではの部分が好まれなかったんだと思います。だけど乗れば操作しやすくシフトもキマリ、速さもある。そうした部分があまり理解されていなかったのは残念ですね。
今回はここまで!

さて、今回は一種独特な雰囲気を持つ台湾製スモールの主力モデル・50SSについてじっくり見てきました。スモール人気の大きな要因だった小ぶりな可愛らしさとは異なっていた反面、性能や操作性は確実に向上していました。 大きくなったヘッドライトがデザイン的に不評だったようですが、ライトが明るく走りの良い台湾を評価する声もあったようです。見かたによってはイタリア製人気モデルのラリーやスプリントモデルあたりを小さくしたようにも見えるためにクラシックな印象だと感じられますが、やはり本家イタリア製のデザインと印象の影に隠れてしまった感じがあったのかもしれませんね。
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