BBB MAGAZINE

  • 大人のたしなみとしてベスパに接してみよう!

    2018.06.06 / Vol.46

    スモールで遊ぶ #12/VespaGPを始めてみよう

CREDIT

    • ライター
    • 執筆

    隅本辰哉

    • 撮影

    隅本辰哉

    • バイク

    Vespa

取材協力:VespaGP事務局(http://www.vespagp.com/)

4月1日、2018シーズンのVespaGPが開幕しました。エイプリールフールに第1戦が開催というのもアレですが、まったくウソなく今シーズンもレースレポートをお届けしていく予定です。 さて、そんな第1戦取材ではなんと2名のデビューライダーを発見しましたよ。そこで緊急企画「VespaGPを始めてみよう」と題して、ビギナーが参戦するためにどんな準備をしたのかについてご紹介します! もちろん2018シーズン開幕戦のレポートもお届けします!!

VespaGP・2018シーズン開幕戦

日時:2018年4月1日(日)/場所:日光サーキット/主催:VespaGP事務局(http://www.vespagp.com/

VespaGPを始めてみよう/2人が同時に参戦開始

今季、開幕戦に照準を合わせ
準備してきた2人のライダーが
VespaGPデビューを果たす!

  これまでも"フレンドリーでアットホームな雰囲気で誰もが楽しめるレース"として紹介してきたVespaGPですが、茅ヶ崎ボングーから2名のレースビギナーがエントリーする事になりました。
  もちろんレースですからトップランカー達が熱いバトルを繰り広げるシーンも多々あったりしますし、見どころとなる手に汗握るサイドバイサイドの接戦は見逃せないところ。そうなるとビギナーからは「そんな激しい走りなんて出来ない!」とか、「コースでジャマになるんじゃないか、スゴいスピードで抜かれるんじゃないか......」と不安ばかりが募ってしまうというもの。

  そこで実際に今回の2018シーズン開幕戦にデビューを果たした2人のビギナーライダーにいろいろと話をうかがってきました。なので参戦を考えている、参戦したいけど不安がある......そんなライダー達の参考にしていただける内容がお届け出来ると思います。
  その2名のビギナーライダーを支えるのは神奈川県茅ヶ崎市のベスパ専門店、モーターサイクルショップボングー(http://shop.bongout.bike/)。店長と整備長もどっぷりとVespaGPにハマっているだけに、手厚いバックアップが期待出来そうです。しかもマシンやレーシングスーツをレンタルしてくれるサービスもやっているというので、初心者には頼れるショップだと言えそうです。

#9菊地(栄)選手が念願の1位をGET!!

  まずはGPクラスのレポートをお届けします。レース序盤は目まぐるしく順位の入れ替わる展開から、新人2名の出場をサポートする茅ヶ崎ボングーの店長・#20尾西選手と整備長・#4野添選手、それに#9菊地(栄)選手らが先頭集団を形成。#9菊地(栄)選手がトップに立ってからはそのままのポジションをキープして、トップチェッカーでフィニッシュしました。

リバースグリッド制なので予選の遅いライダーが前からのスタートとなるため、序盤は接戦状態になりやすい。だけど接触などのラフな展開はほぼ目にする事もないジェントルなレース。早々にTOPに立ったのは#9菊地(栄)選手(写真左)/優勝を決め、嬉しそうにウイニングラップでパフォーマンスする#9菊地(栄)選手(写真右)

VespaGPを始めてみよう/小林匠さんのケース

小林匠(こばやしたくみ)さん
昭和47年生まれ/46歳
予選タイム:55秒143
決勝グリッド:5th position
ベストラップ:53秒697
決勝順位:9th place
※#9菊地(栄)選手による50秒528が予選最速、同51秒252がベストラップ最速(どちらもGPクラス)

  元々は仕事で東南アジアのタイへ行っていたという小林さん。現地でとても多く見かけるベスパに興味を持ち、オートマチックのベスパを買った事でベスパにハマってしまったそうです。
  調べてみるとハンドチェンジモデルもあるとわかり、帰国後にPXを購入。ところがあまり調子が良くなかった事から自分で整備するものの、どうしても復調しないので専門店を探し回り、ようやく見付けた専門店がモーターサイクルショップボングーだったんだとか。
  店長の尾西さんはスゴく気さくな面があり、意気投合。なのでベスパのメンテナンスをしてもらうだけではなく、お友達みたいな感じでお付き合いもスタート。気づけばだんだんベスパの車種も増え、そんなタイミングで「ベスパにはレースという楽しみもありますよ」という話に。大型バイクでのサーキット走行経験は何度かあったため、「試しにやってみようという感じで始めました」との事。
  ここまでの話では意外にもトントン拍子でレース参戦を決めてしまった印象の小林さんですが、始めるにあたっての不安等はなかったのでしょうか? 

  これについて小林さんは「皆で一緒に走るというところです」と答え、更に「ただのサーキット走行だと集団化する事ってないと思うんですけど、レースだと一斉にスタートするので集団化もしやすいでしょうし、接触も怖いと思っていました。でも実際には車両コンディションがほぼ同一で大きな差はないですから、走っていてもゆっくり流れていく感じなんです。だから速度差が大きいと抜かれるのも怖いんですけど、そこは全然大丈夫でした」とも。そして「レースではあるんですけど、みなさんがフレンドリーなので思ったほど緊張することもなかったです」と付け加えてくれました。

  またレースを始める前後で意識的な変化があったかについては、「基本的には変わらないと思うんですけど、サーキット走行の更に奥にもっと楽しいところがあったなという感じがしました」と言う。そこをもっと詳しくとお願いしてみたら「単純にラップタイムが何秒だったとかいうよりは集団でスタートしての競争ですから、いっしょに走る方々と比べ合いながらなんですよね。ラップタイムを出すのと意味が違うワケで、その中で上手く楽しく走るという奥深さなんだと思います」だそう。
  最後に目標を聞いてみると、「とりあえず今年全5戦なので、全てにエントリー出来ればいいなというのと、速くはなくとも自分の持っているイメージで走れるようになりたいです。今日は初めてなので、自分がサーキット走行でやってるようなイメージでは走れなかったんですよ......」と、着実なステップアップを狙っているようでした。

Vespa GTS300 SuperSport

レース用マシンはどうする?

  小林さんの場合、ベースとなる車両はラッキーにも譲ってもらう事が出来たそう。それを出来るだけ自分で作業したというので、レース用マシンにかかった費用は20万円ほどとの事です。とは言えベース車は不動だったので、それなりに苦労したとも。
  主なメニューは排気量を102ccにして、ET3用クロスミッション+減速を3.00にしてハイギアード化。フルアジャスタブルタイプのサスペンションを前後に装備し、チューブレスタイヤ化とハイスロも装備しているそう。
  この仕様によって力強さが増し、スロットルのつきの良さで軽やかに乗れる感じになっているそうです。またスロットルで向きを変えるという事がしやすくなるので、ヒラリ感も向上している点がポイントだそうです。

#23宮地選手が圧巻の走りで勝利!

  続いてのレポートはMasterクラスです。こちらはエキスパートライダー達によるガチバトルのクラスで、今回は4名が出走しました。GPクラスとの混走/別表彰となりますが、明らかに異なるスピード感でギャラリーを魅了します。最初に飛び出した#7牧野選手を#23宮地選手が交わし、その後危なげなくも力強い走りによってMasterクラスの優勝をもぎ取りました。

MasterクラスはGPクラスとのら時間差でスタートするため、怒涛の追走劇でギャラリーを沸かせます。今回は25秒後の追撃開始だったためか、クラストップでありながら全体では8位でゴールラインを通過した#23宮地選手(写真左)/日光サーキットでは外周路に出た途端から伏せ姿勢を保ち、バックストレートエンドまで続く高速セクションも見物です(写真右)

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