BBB MAGAZINE

  • 大人のたしなみとしてベスパに接してみよう!

    2018.07.13 / Vol.48

    - page2 - ワールドワイドにベスパでRUN #4

CREDIT

    • ライター
    • 執筆

    隅本辰哉

    • 撮影

    土田和寛

    • バイク

    Vespa

Taipei mod style

阿順偉士専修坊
気になり行ってみたかった阿順偉士専修坊
ベスパ専門のメンテナンスショップとして有名

台湾到着時、空港までTakeshiさんが自動車で迎えに来てくれました。そしてホテルまで送ってくれた後、彼のGT200で台北市内をタンデム移動です。とにかく台湾は想像以上にスクーターの数が多いです。スクーターの多さから感じるのは、可能なら自動車ではなくスクーターで移動するのが正解なんだろうという事です。
歩道には販売店のようにスクーターが綺麗に並べられ、それらがすべて路上駐車だというので驚きです。そして「機車専用」と書かれたオートバイ専用レーンがあり、2段階左折の待機用枠だってあります。場合によっては専用の道路を作り、簡単に運転免許も取得する事が出来るそうです。そういった事からも、この国が「スクーター有利な政策」を進めた結果なんだろうと感じ取ることが出来ました。ちなみに台湾では、2007年から大型バイクも走れるようになったそうです。

さて、初台湾ではまず私の気になっていたお店のひとつ「阿順偉士専修坊」と言うお店に案内してもらいました。このお店は主に現行オートマチックベスパの修理を専門とするお店で、TakeshiさんのGTもここでメンテナンスやカスタムを依頼しているそうです。
台湾では車両の修理&販売を行うお店もありますが、修理のみを専門とするバイク屋さんも多くあります。そして台湾にはベスパブランドを扱う直営店も存在する反面、まだまだこのような修理を専門とするお店も多くあります。
阿順偉士専修坊はオートマチックベスパを専門に修理&メンテナンスしてくれるお店です。町のバイク修理屋で「綺麗なベスパを専門にしているお店」と言えば分かりやすいでしょう。
台湾の街中を見渡せばあちらこちらにスクーターの販売店を見つける事が出来ますし、スクーターを修理するお店も目にすることが出来ます。すべてがそうではありませんが、それらのお店の雰囲気は少し暗くて雑然とした印象だったりします。しかし、この現行ベスパ専門の修理店の店内はとても明るく、工具類も整理され、ストックされているパーツは壁やショーケースに綺麗に展示されています。

ところで阿順偉士専修坊では待ち合わせていたのか、それともたまたまだったのか「TAIPEI mod style」のメンバーと合流することが出来ました。彼らはクラシックベスパを好んで乗っているグループで、服装やヘルメットなどにこだわりと色があり、町で見る他のスクータリスト達と比べて細かいところに気を使っていているのが見て取れます。簡単に言うと、東京の代官山や中目黒にいそうな雰囲気といったところでしょうか。
また、彼らの乗る車両も綺麗にレストアされた60〜80年代のハンドチェンジタイプばかりです。その多くはかつて台湾で作られたMade in taiwanの「偉士牌」ではなく、Made in italyのヨーロッパから輸入された車輌を好んでいます。
レストアする際も忠実な台湾仕様にするのではなく、ヨーロッパ仕様にこだわっているのが印象的でした。ただ台湾では2サイクルエンジンの規制が日本に比べると厳しく、一度廃車手続きを行った車両は再度登録が困難です。そのためレストア待ちのストック車両も登録されたナンバープレートを廃車とはせずにそのまま残しています。台北市内在住なのに高雄の文字がプレートに表記されていたりしますが、廃車さえしなければそのまま次のオーナーに譲渡できるからなのです。さらにレストア時にはナンバープレートもあわせて化粧直しが施されていました。

台北市内の地下道では右側のレーンに「機車専用」と書かれ、2輪車専用のレーンになっています(左写真)。念願叶って行く事が出来た阿順偉士専修坊の店内(右写真)は、とても明るく部品や工具が整理整頓されていてとても綺麗な印象です
阿順偉士専修坊のショーウインドウで目にしたデジタルメーターパネル(左写真)ですが、台湾にはデジタルメーターパネルのGTSが輸入されなかったので貴重なものです。店主さんのGT200(右写真)を見ると、GT200をGTS化させるのが台湾で流行っている事がわかります。またナンバープレートには余白があるため、Vespaエンブレムのシートを貼ったりするようです
今回、クラシックベスパの老舗のお店である偉士車房にも立ち寄りました。その際に、偉士車房の店主さんと記念撮影(左写真)。店主さんからは英語で色々とクラシックベスパの台湾事情を聞くことが出来ました。右写真は店先の様子で

言葉の問題

スマートフォン
伝わりにくい言葉はスマートフォンの力を借りました。やっぱりここ一番でスマートフォンの翻訳機能は頼りになります。それでも直接人を介して会話のリズムを壊さずに通訳してもらえたのは本当に感謝です

今回接触出来たTAIPEI mod styleのメンバーの中に、偶然にも日本語がとても上手な女性メンバーがいました。これには大変驚きましたが、とても助かりました。彼らから聞きたい事、彼らに伝えたい事がしっかり伝わります。それはとてもありがたい事であり、嬉しい事です。
彼女自身もクラシックベスパに乗っているため、ちょっとした専門的な内容まで通訳をお願いできる事でコミュニケーションがスムーズに行えました。
初台湾で身に染みたのは英単語すらあまり通じなく、とにかく北京語です。むしろ片言の日本語や、紙に書いた漢字の方が伝わるくらいだったという事でした。

今回はここまで!

Takeshiさんのベスパ仲間達
わざわざ私のために集結してくれました

「ワールドワイドにベスパでRUN」は、今回から土田さんの初台湾・台北編です。いかがでしたか?
2013年の旅という事で、土田さんの少々若い写真だったりするのも興味深いところではないでしょうか。当然、写っている台湾の方々だって当時と現在では変化があるのかも知れません。もしかしたら愛車だって変化している可能性もあるでしょう。
さて、次回はTAIPEI mod styleのメンバー達との台湾ナイトトリップをお届けする予定です。お楽しみに!

それでは次回をお楽しみに!

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