BBB MAGAZINE
CREDIT
-
- ライター
- 執筆
隅本辰哉
-
- 撮影
土田和寛
-
- バイク
Vespa
寄稿者:Vespa Club TOKYO・土田和寛 代表
前回の前編に引き続き、今回はレンタルモペッドを利用したフィレンツェ観光の後編です。前編では借り出すまでの手続き的な部分の多い構成でしたが、今回はついに観光スポット巡りが始まるようです。レンタルモペッドでどんな旅の広がりが見られるのかも気になりますが、フィレンツェの見どころ案内も期待しちゃいましょう!
「フィレンツェと言えば」なスポットへいざ!
夕日を浴びシルエットが浮かび上がるダビデ像
ロマンチックな景観に訪れる人が後を絶たない
いつもアクティブな土田さんですが、前回と今回はレンタルモペッドを利用したフィレンツェ観光レポートを寄稿していただいてます。フィレンツェは人気の観光スポットも多い事から、注目してらっしゃる方も多い事でしょう。そんな今回は、ある意味で準備編だった前回から、とうとうモペッドでフィレンツェの観光スポットを巡っていくようです。土田さん達は、一体どんな旅を旅を楽しまれたんでしょう? なんだかとても気になってしまいますね。 それでは土田さんによるフィレンツェ観光をとくとご覧ください!(以下は土田さんによるレポートになります)
※記事中の情報や写真は2015年当時のものとなりますのでご注意下さい
レンタル手続きを終え、車両を借り出したのは結局のところ午後でした。返却は翌日のため、あくまでも市内移動用として有効利用する事を目的とします。そこでまずはフィレンツェ市内を見渡せる丘の上にあるミケランジェロ広場を目指す事に。
ミケランジェロ広場への道程は、自転車や徒歩では少々くたびれてしまう距離と勾配があります。大抵の人は自動車やバスを利用するのが一般的ですが、私達はレンタルモペッドを利用して行きます。途中で売店に立ち寄り、水を購入したりしながらスマートフォンのナビを頼りに目的地を目指します。市内を流れるアルノ川を越え、木々に覆われ木漏れ日の注す登り勾配を、丘の上までモペッドで駆け上がります。
今回借りたモペッドはイタリアではビンテージスクーターという事もあり、ウインカーすら付いていなかったりします。なので曲がりたい時や進路変更をする際は、後方を確認し(振向く事により、後方の車もその動作に気が付くため)、曲がりたい方向に手を出して曲がっていきます。日本と違って右側通行である事、道が交わるところは円形状に繋がるラウンドアバウトが用いられていて慣れないところもありますが、概ねこの動作で問題はありません。
丘の上までは道幅も広く、飛ばしている車もほとんど見かけません。なのでパワーのないモペッドでも右端を走っていれば、初心者であろうと難なくミケランジェロ広場まで行く事が出来ます。日本ではあまり感じる事のない路面の状態ですが、海外の道路では気が付く事も多くあります。概ねアスファルトで舗装された道ばかりですが、石畳がそのまま残っている通りも多く、モペッドであまり調子よく飛ばしているとその凹凸路面からの衝撃を味わってしまう事も。それにアスファルトで舗装された道路でも、石畳の上から直に舗装されているような箇所ではアスファルトが剥がれてそのままというところもあり、少々気を付けなければなりません。しかしイタリア製バイクの乗り味というのは、こういう環境で乗る事を考えて作られているんだなと気付く事もたまにあったりします。
辿り着いたミケランジェロ広場には自動車とオートバイの駐車場があり、そしてバスが行き交います。バイク用の駐車スペースにモペッドを止めると、ガイドブックなどで良く見る景色が目の前に広がります。多くの人々がサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の方を眺めつつ、思い思い記念写真を撮ったりしています。
また、その後ろ側にはミケランジェロ広場に設置されているダビデ像を見る事が出来ます。そこでもダビデ像と同じポーズで記念写真を撮ったりしている観光客が多く、なんとも微笑ましい光景です。この広場にはお土産屋さんや軽食などを扱う売店が多くあり、Tシャツやマグネット、キーホルダーなどが見られます。それらはランドマークとなっているものや、イタリアの代名詞とも言えそうなベスパがモチーフとなったものもあり、そういったものを眺めるのが好きな人を飽きさせないかもしれません。
日も傾き始め(とは言っても夏時間なので既に7時過ぎ。それでも日本の夕方4時ごろの明るさ)、お腹も空いてきたので広場にある軽食レストランを利用しました。付近にもレストランを多く見つける事が出来るのですが、ちょうど日が沈むころあいのため、まさにショーのようなその光景を見逃さないためといった理由もあります。
レストランでは、二人でカルパッチョとサンドイッチを注文しました。ショーが始まるまでの間、広場に並べられたテーブルで食事を楽しみます。程なくして、空とフィレンツェの町が赤くなっていきました。町全体を見渡す事が出来る昼間の景色も素敵ですが、沈み行く夕日に照らされた街並みを眺めるのもまたロマンチックな時間が流れていくので是非ともお勧めです。それと今回は最後までいませんでしたが、日本でイメージするような夜景とは違った夜景を演出するフィレンツェの街を眺めるのもまたお勧めのようです。このようにバスの時間を気にせず、自力で移動出来るのもレンタルバイクの強みだったりします。
翌日はレンタルバイクを返却するまでの間、宿泊しているホテルからサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂付近へ。しかし大聖堂付近はZTLゾーンであるため、もっとも近いところまで進みモペッドを止める事に。ZTLゾーンの入り口にはそれを示す標識と、進入してしまった車両のナンバープレートを写すカメラがあるので、標識を見落とさないよう要注意です。今回利用したレンタルバイク屋さんでは、通行禁止道路やZTLゾーンを示した地図が渡されるので土地勘があればとても参考になります。
大聖堂付近まで辿り着いたところで駐車スペースを探しますが、道路に設けられた駐車スペースはどこも満車。そうではないところに止めて違法駐車扱いされても嫌なので、空いている駐車スペースを探します。今回はどうにか一箇所だけ見つける事が出来ましたが、一台分のスペースしかありません。仕方無く思いついた方法が、一台の駐車スペースに2台止めてしまう方法。これが正解なのかどうか分かりませんが、今回はお咎めが無かったので良しという事に。普通のオートバイやスクーターではどうやっても一台しか収まらないスペースですが、スリムでコンパクトなモペッドならなんとか収める事が出来ます。おかげで大聖堂の周りを散策する事が出来ました。
この駐車事情......ともすれば海外の方が日本的な風情を求めて集まる東京の浅草や神奈川県の鎌倉、それに京都市内などと似ているように思います。地元の人で土地勘もあるならそれ程労せずに駐車場を探せそうですが、そうでなければ日本人であっても一苦労するのが関の山。そこで電車やバス、それとタクシーなどを利用して上手に移動するという計画が一般的ではないでしょうか。
例えばフットワークの軽い人なら、レンタサイクルを利用するという方法があるかもしれません。古い建物を始め、名所が集まるフィレンツェ市内も見るところは多くあり、日本と同じようにバスやタクシー、それにレンタサイクルだって利用する事が出来ます。
しかしイタリアはスクーターで移動する文化が根付いているため、利便性の良いところにレンタルバイク店や駐車スペースを多く見つける事が出来ます。なので、あえてオートバイを選択してみると移動するにはとても便利だと感じます。それは普段からオートバイに乗っている人なら良く分かっている事と思います。
今回レンタルしたモペッドは50ccで、現地だと14歳から乗る事の出来るオートバイの入り口。日本だったら16歳で免許を取って乗り始めるワケですが、そんな頃を少し思い出させてくれるような体験として、旅行先でのちょっとした移動だったり海外ツーリングの入り口にモペッドを短時間利用してみてはどうでしょう? きっと良い思い出になる事間違い無しだと思います。
モペッドで街中を流しながら目的地付近に到着したらバイクを止め、ジェラートを食べながら観光する。それもまたイタリアでの旅行スタイルの一つ。特に夏時期は暑いため、ジェラート屋さん巡りも良いでしょう。それに観光地では乗り物をモチーフとしたグッズ、それらが揃っているセレクトショップを見付ける事が出来るので、乗り物好きを飽きさせない土地だと思います。数百円程度のちょっとしたものも多く売っているので、お土産としても最適かと思います。
また事前にバイク用品店をインターネットで探しておけば、多少分かり難いようなところでも簡単にアクセスする事が出来ます。日本では目にする事の無いアイテムや用品を見て周り、ショッピングを楽しむなんて事も容易な事となるでしょう。「日本未発売」......そんな唆られるアイテムを多く見つける事が出来ます。
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