BBB MAGAZINE

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    2021.10.27 / Vol.87

    スモールで遊ぶ #23 VespaGP-2021シーズンRound3

CREDIT

取材協力:VespaGP事務局
全5戦の日程で組まれたVespaGPの2021シーズンですが、去る8月22日に折り返し点となるシリーズ第3戦の開催を終えています。今回は日光サーキットを舞台に行われた第3戦の模様を、豊富な車載カメラ画像を交えつつお届けしちゃいます!

第3戦は高速バトル必至の日光サーキットが舞台!

陽が沈み出す頃に決勝レースがスタート! 闇夜を切り裂きながら、15周先のゴールを目指してバトル開始。真っ先にチェッカーを受けるのは一体誰!?

VespaGP-2021シーズン第3戦
日時:2021年8月22日
場所:日光サーキット
天候:曇り時々晴れ
路面:ドライ
レース形式:スプリント
主催:VespaGP事務局(https://www.vespagp.com/
※「日光チャレンジロード(主催:moto kids)」内での併催
例によってVespaGP参加者達が一丸となってテント村を設立
その前には参加マシンがキレイに並べられ注目度バツグン!!

  開催毎にサーキットを転戦する「Grand prix・Circus」スタイルで行われるのも間違いなく人気の要因となっているVespaGPですが、第3戦の舞台となったのは栃木県宇都宮市にある日光サーキット。高速域でのバトルが期待出来るコースだけに、とても興味深い一戦となりそうです。
   この日光サーキット、先に触れている様に栃木県宇都宮市にあります。全日本プロドリフト選手権(後にD1グランプリに名称変更)の会場として使用される等、4輪にも対応するコースとして関東周辺のライダー&ドライバーから支持されています。特に250mのバックストレートは圧巻そのもの。

  さて本題のシリーズ第3戦ですが、moto kids主催の「日光チャレンジロード」に組み込まれる格好で行われました。当日の天候は曇り時々雨の予報とあって、朝のうちはミスト状の雨。ところが決勝開始の頃には天気も一変。曇り時々晴れの夏らしい暑さへと変わりました。
   今回はMASTER-Classに3名、GP-Classに7名、計11名のライダーが参加。車検とブリーフィングを終えると10分間の練習走行時間枠があり、10時40分からいよいよ予選タイムアタック(10分間)が始まります。
   しかし♯44小林選手にマシントラブルが発生し転倒! ケガは大した事もなく一安心ながら、車両はエンジンの不具合があり決勝DNSという結果に。その他に大きなトラブルはなく、予選タイムアタックは終了。

  結果、♯23宮地選手/49"111、♯20尾西選手/49"809とMASTER-Classの2名が予選ワンツーを獲得。そしてGP-Classながら上級クラスとされるMASTER-Classに割って入る健闘ぶりの、♯12中村選手が50"641で3番手をゲット。これにMASTER-Classの♯5菊地選手が50"739で追随。
   ちなみに今回の中村選手は、ルールによるウェイトハンデから解放された事で順当な速さを発揮。そして菊地選手は来期のレギュレーション変更を視野に入れた75㏄でマシンを組み上げているため、高速サーキットでのハンデは否めません。それでも自身を減量し、試験的に挑んでいるとの事。
   また予選1位の宮地選手は112㏄で組んだマシンを使用するも、体重80kg以上というハンデを排気量でカバー出来るかのチャレンジ。予選2位の尾西選手はVespaGPで主流の102㏄ながらNewシリンダーでの挑戦です。

トランスポンダーの装着は自動計測のために欠かせません。これを忘れたり、走行中に脱落する等しては結果を残す事が出来ませんからね
いよいよ決勝に向けてコースインの開始です! 日光サーキットならではの高速バトルとバックストレートエンドのブレーキング争いが見ものです
スターティンググリッドに並ぶ10台のベスパ。その内、前側2列と後側2列でスタートのタイミングが異なるビハインドスタートが適用されます

  上位4名以降はGP-Classの面々が並びます。♯28佐藤選手/51"001、♯61松本選手/51"547、♯55三浦選手/51"856、♯44小林選手/52"051、♯32川島選手/52"217、♯33尾崎選手/55"417、♯59菊谷選手/1'04"080という予選結果となりました。この結果を基に、逆グリッド方式やハンデについて照らし合わせてスターティンググリッドが決まります。
   最前列には菊谷選手と尾崎選手、2列目に三浦選手と中村選手。ここまでは今回ハンデなしのGP-Class参加ライダー達となります。この後ろからはビハインドスタート方式が適用される参加ライダー達になりますが、3列目には川島選手、松本選手、佐藤選手らGP-Classの3選手。
   4列目には菊地選手、尾西選手、宮地選手らMASTER-Classの3選手による布陣が完成。後は決勝のスタートを、参加ライダー達はもちろんギャラリーも心待ちしつつその瞬間を待つ事になります。

スターティンググリッド3列目にはGP-Classで後発組となった3名が並びます。左から右へ、♯32川島選手、♯61松本選手、♯28佐藤選手
こちらは最後列に並ぶMASTER-Classの3名。左から右へ、♯5菊地選手、♯20尾西選手、♯23宮地選手。当然ですが、後発スタートとなります
まずは先発組が先陣スタートを切ります。そして後発組が走り出してしまわないよう、オフィシャルを2列目と3列目の間に確認する事が出来ます
スターティンググリッド2列目には左が♯55三浦選手、右が♯12中村選手。この先発組2人の後ろには後発組を静止させるオフィシャルも見えます
最前列の左側には♯59菊谷選手、右側に♯33尾崎選手。10周先のゴールを目指した熱きハイスピードバトルの先陣を彼等が務めます!

  12時55分、いよいよ10周のスプリント形式による決勝レースが始まります。レッドシグナル消灯を合図として、前側2列に位置する先発スタート組が一斉に走り出します。その直後に♯55三浦選手のマシンのフロントが浮き上がり、それを防ごうとクラッチを切った事でバランスを崩して転倒。これに対して、見事1コーナーを制したのは♯12中村選手。♯33尾崎選手と♯59菊谷選手がその後に続きます。三浦選手はすぐさま立て直して再スタートを切るも、トップからは大幅に遅れてしまいました。
   そして後発組がビハインドスタートの瞬間を迎えます。予定されていたビハインドタイムは20秒だったのですが、♯55三浦選手の転倒により25秒遅れに変更。高速コースでさらに5秒遅れというハンデは相当に厳しいハズ。そんな追走劇も見ものとなりそうな中、GP-Classの3名とMASTER-Classの3名が一斉にスタート!

車載カメラの超広角画像で少々変な方向を向いたライダーというように見えなくもないですが、4名の先発組が1コーナーを目指してスタート!
ところがスタートの瞬間に、なんと♯55三浦選手が痛恨のミス。クラッチミートを失敗したのか、なんとフロントを浮き上がらせてそのまま転倒という大失態。しかしすぐさま再スタートして、先行してしまった3台の追撃モードへと移行します
転倒を喫した♯55三浦選手を尻目に、他の先発組3台は、後続組を出来るだけ引き離しておこうと全開モードで豪快に攻めていきます
いっぽう再スタートした♯55三浦選手は、結果的に後発組との中間ポジションで先行3台を追う立場に。とにかく早く視界に捉えるべくプッシュ!
♯55三浦選手の転倒により、5秒延長の25秒遅れでスタートする事が急遽決まった後発組。その瞬間を待つ体に力が入るのが見ていて分かります

  後発組で良いスタートを切ったのは、GP-Classの♯32川島選手。これに食らいつくのが♯28佐藤選手と♯61松本選手で、共にGP-Classです。
   いっぽう彼等と同時にスタートした♯23宮地選手、♯20尾西選手、♯5菊地選手ら3選手はMASTER-Class。なんと2コーナーで先行する川島&佐藤、両選手の間に切り込んで行きます。ちなみに後発組のGP-Classは序盤を川島選手がリードしていましたが、中盤になると佐藤選手がオーバーテイク。そのまま先発組の♯59菊谷選手を交わして4位に浮上。
   この時点でGP-Classは♯12中村選手のトップ独走状態。これをスタート直後の転倒から猛追するのが♯55三浦選手。そして後発組ながら先発組の♯33尾崎選手をオーバーテイクして3位に浮上して来た♯28佐藤選手と続きます。
   ただしその後は順位の変動がなく、決勝レースはGP-Classの♯12中村選手がオーバーオール(総合)でトップチェッカーを受けました。なおオーバーオールでは♯23宮地選手、♯20尾西選手、♯5菊地選手とMASTER-Classの面々が続きます。特に菊地選手は参加マシン中の最小排気量ながら、ラストラップでGP-Class2位の♯55三浦選手をパスしてオーバーオール4位に滑り込む事に成功しています。
   そしてMASTER-Classの3選手を挟みはしたものの、GP-Class2位に♯55三浦選手。以下、♯28佐藤選手、♯61松本選手、♯32川島選手、♯33尾崎選手、♯59菊谷選手という結果に。

そしていよいよ後発組のスタートです。1コーナー目掛けて絶妙なスタートをキメたのは♯32川島選手。これに食らいつこうとアクセルを開けるのが♯61松本選手と♯28佐藤選手。しかしその背後にはMASTER-Classのライダー達が迫ります
猛烈なスタートダッシュで後発組2位と3位の間に割って入る♯20尾西選手(かろうじてフロント周りだけが写っています)。そして左サイドから♯23宮地選手もスルスルと抜け出し、予選ワンツーをキメた2人によるランデブーで♯32川島選手をロックオン!
ここで離されまいと喰いさがるのがGP-Classの♯28佐藤選手と♯61松本選手。さらにMASTER-Classの♯5菊地選手がスピードを乗せていき......
MASTER-Classの意地(?)を見せたのか、一気に後発組の4番手に浮上していく♯5菊地選手。♯28佐藤選手と♯61松本選手も必死に食らいつきます
MASTER-Classの3名が順次♯32川島選手をパス。揃って猛然とトップを追い上げていく中、川島選手と♯28佐藤選手と♯61松本選手がそれに続きます
♯23宮地選手がオーバーオールの3番手まで順位を上げる中、♯20尾西選手も♯33尾崎選手をオーバーテイク。これに♯5菊地選手も続きます
レース終盤には♯28佐藤選手が♯33尾崎選手を交わし、GP-Classの3位へと浮上。チェッカーを受けるまではアクセルを戻す事なく突き進みます
後方でそうした展開が繰り広げられている中、首位をキープしていた♯12中村選手がそのままトップチェッカーを受けてGP-Class優勝です!
♯12中村選手が優勝をキメた最中、ゴール目指してバックストレートを激走しつつ後方を警戒するのは♯55三浦選手。エンド手前で前に躍り出たのは♯5菊地選手。これによりオーバーオールで4位に滑り込みつつゴール。三浦選手はクラス2位に

RESULT

GP-Class決勝結果

左から順に)
2位:三浦選手、1位:中村選手、3位:佐藤選手

順位 ゼッケン 選手名 チーム名 ベストタイム
1 12 中村賢司 お酒のNAKAMURA 50"_508
2 55 三浦拓郎 茅ヶ崎 ボングー 51"439
3 28 佐藤剛 QUARTER DRAGON 50"969
4 61 松本諭 茅ヶ崎 ボングー 51"772
5 32 川島伯典 Jap Good Speed 52"179
6 33 尾崎雅夫 Vespa Club Kanagawa RT 55"343
7 59 菊谷信人 SOGNO VESPA CLUB 1'02"283

ブービー賞として表彰された尾崎選手

MASTER-Class決勝結果

1位:宮地選手
※MASTER-Classは参加者が3名だったため1位のみを表彰

順位 ゼッケン 選手名 チーム名 ベストタイム
1 23 宮地貴之 BUSINESS-ART 48"747
2 20 尾西洋一 茅ヶ崎 ボングー 49"585
3 5 菊地信康 COMPLETELOOK 50"638

今回はここまで!

いざ決勝に挑もうと、スタート前の準備に余念がない参加者達は真剣そのもの
でも、走り終えた後は和気藹々とした雰囲気に一変するのもVespaGPならでは

  さて、折り返し点を過ぎて益々激化するシリーズ戦といった様相を呈してきた感のあるVespaGP。そんな第3戦レポートはいかがでしたか?
  スタート直後のアクシデントにより、予定より5秒遅れとなった後発組にとっては厳しいレース展開だった事でしょう。それでも最後列から鬼神の追走劇を展開してくれたMASTER-Classの3選手はさすがとしか言いようがありません。
  対して、そんな鬼神の如き追い上げから逃げ切った中村選手の走りも相当に素晴らしいものでした。
   さて、次戦はサーキット秋ヶ瀬にて耐久レースとして開催予定との事。そちらのレポートももちろん掲載予定ですので、どうぞ、お楽しみに!!

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