BBB MAGAZINE

  • 大人のたしなみとしてベスパに接してみよう!

    2022.01.12 / Vol.89

    スモールで遊ぶ #24 VespaGP-2021シーズンRound4

CREDIT

    • ライター
    • 執筆

    隅本辰哉

    • 撮影

    尾形、ツヨポン、平山&事務局

    • バイク

    Vespa

取材協力:VespaGP事務局
今シーズンのVespaGPでは第2戦をナイトレースとして開催済みですが、第4戦もナイトレースとして開催されました。ただし第2戦時はスプリント形式だったワケですが、それとは打って変わって第4戦では耐久形式での開催に。今回はその模様をたっぷりの画像と共にお届けしちゃいます!

年イチのお祭りレースとして耐久開催! だけどレースは真剣そのもの!!

ずらりバイク
年に一度、サーキット秋ヶ瀬を舞台として開催される「VespaGP耐久ラウンド」。2021シーズンの耐久ラウンドは第4戦として組まれ、秋の夜長(?)に本気レースとお祭り気分とを楽しみ尽くすべく15名のVespaGPパイロット達が集結!
VespaGP-2021シーズン第4戦(ナイトレース)
日時:2021年10月10日
場所:サーキット秋ヶ瀬
天候:曇りのち晴れ
路面:ドライ
レース形式:耐久
主催:VespaGP事務局(https://www.vespagp.com/
ライダーのみなさん
耐久形式のスタートシーンはルマン式。スプリント形式のグリッドスタートとは違って、
コースを挟んでマシンと相対するVespaGPパイロット達が耐久ムードを象徴

  10月10日(日)、VespaGP第4戦が夜間耐久レースとして開催されました。当日の天候は曇りのち晴れ。スカッと「秋晴れ」とまではいかないながらも、なかなかに気持ちの良いレース日和に。......とは言えナイトレースですから雨でなければ御の字なのだろうという気もしちゃいますけど、そこはやはり月や星が見えているかどうかでライダー個々の気持ちだったり気合いだったりが違ってくるものらしいです。

  この日、埼玉県さいたま市のサーキット秋ヶ瀬に集結したVespaGPパイロットは15名。90分間で争われる夜間耐久を戦い抜くにあたって、「VESPA」のアルファベット一文字ずつを冠した5チームに別れてバトルを繰り広げる事になります。
   中でも、この日が初参戦となる廣田選手、黒住選手、前田選手らは、その実力が未知数という事もあって全選手から注目の的。そうした3選手を含むチーム構成は各チーム3名ずつに振り分けられ、Vチームが♯7牧野/♯22柳本/♯55三浦組み、Eチームが♯20尾西/♯21廣田/♯62飯塚組み、Sチームが♯5菊地/♯5黒住/♯44小林組み、Pチームが♯12中村/♯12前田/♯28佐藤組み、Aチームが♯23宮地/♯33尾崎/♯61松本組みといった編成(選手名の前の「♯○○」はマシンゼッケンを指し、その数字が共通の選手は同じマシンを使用します)に。

暗闇の赤バイク
各チーム、スタートに備えてマシンをグリッド位置に付けます
たたずむ赤バイク
写真奥側からV、P、S、A、Eの各チームのマシンが並びます
等間隔ライダー
マシンと向かい合う位置でスタートライダーがスタンバイ
こちらも準備
マシン側にはスタートをサポートするチームメイトもスタンバイ

  さあスタートが目前となって、各選手とも気合いや緊張の色が顕に。5チームそれぞれのグリッド位置ですが、ジャンケンによって決められるというユルい展開もVespaGPならではでしょう。
   結果、第1グリッドにはVチーム。スタートライダーは♯22柳本選手が務めます。以降、第2グリッドにPチーム/♯28佐藤選手、第3グリッドにSチーム/♯44小林選手、第4グリッドにAチーム/♯33尾崎選手、第5グリッドにEチーム/♯21廣田選手というオーダー。

  ちなみに注目の3選手についても紹介しておきましょう。Pチーム/♯12前田選手は♯12中村選手の後輩にあたり、当日までに数回ベスパに乗っただけという若さ溢れる20代。Sチーム/♯5黒住選手に至っては、ハンドチェンジ車のライド経験がわずか2回だけとの事。そして紅一点となるEチーム/♯21廣田選手は日頃VespaGPをサポートしてくれるVespa乗りで、ハンドチェンジ車の操作には慣れているもののレース自体は初参戦となります。
   なおEチーム/♯62飯塚選手も初参戦の予定でしたが、急な体調不良のために♯20藤井選手がピンチヒッターを務める事となりました。

ルマン式スタートで90分耐久がいま幕をあける!

合図待ち
スタートの合図を待つスタートライダー。緊張の瞬間です
駆け出すライダー
合図に反応してマシンへとダッシュするスタートライダー

  そうこうしているうちに、いよいよレースがスタートです。90分の夜間耐久、ついにその火蓋が切って落とされました。もちろんスタートはルマン式。ライダーとマシンがコースの左右に対峙した状態から、合図と共にライダーがマシンへと駆け寄り、そのままエンジンを始動。そして90分後のチェッカーを目指して走り出して行くワケです。
   ところが!? なんとAチーム/♯33尾崎選手のマシンだけ、スタートでエンジンに火が入らない模様。漸く始動したところで、すでに半周のビハインドを抱えるという不測の事態に。
   またEチームにもアクシデントが発生。どうやら周回数計測用のトランスポンダーを未装着でスタートしてしまったらしく、慌てて対処するという、これまた不測の事態が発生です。

走れライダー
マシンへと駆け寄る段階からレースは始まっているのです
動き出すライダー
スタートライダーはマシンに到着したらエンジンを始動します
走るしかないライダー
エンジン始動後はチェッカーを目指して走り出すのみです
がんばれAチーム
Aチーム/♯33尾崎選手はエンジン始動に失敗した模様!?

各チーム毎に戦略を練ってライダー交代&整備に挑む!

  ところでVespaGPの耐久ラウンドは、マシン1台を乗り継ぐという通常の耐久スタイルとは異なっていて、ライダー交代のタイミングでマシンチェンジする事が許されています。ただしマシンチェンジの際に、トランスポンダーを付け替える必要があるというのが一風変わったルールだと言えます。なのでEチームを襲ったスタート直後のアクシデントは、スタート用マシンとは別の車体にトランスポンダーを装着していたのではないかと思われます。
   まあ、なんだかんだ慌てふためく状況であるというところに、耐久ラウンドならではのドラマがもう始まっているのだという感慨深さを感じちゃいますね。

ライダーをコースへ戻すためチーム一丸で水を飲む!

  さて、VespaGPの耐久ラウンドらしい独特のルールは他にもあって、ライダー交代直後に必ずチェックテーブルにて申告を行うというのも決まりです。しかも審査員3名の許可が出ないとコースへと戻る事が出来ない上、 走行時間もチェックされています。
   さらに3回目と6回目のライダー交代時には、「お題」という、クリアしなければコースに戻る事が許されない課題が用意されています。その内容は、ライダー以外のチームメイトや協力者がペットボトルの水をすべて飲み干す&腕立て伏せ×10回をこなすというもの。しかもペットボトルの水と言いつつも炭酸水や強炭酸が当たってしまう事もあるので、なかなかの高難度ミッションだったようです。

さらに腕立てもこなさなければコース復帰は不可!?

   そして後に控える腕立て伏せでは腕がパンパンになりながらも、どうにか頑張ってライダーをコースへと戻すべく一致団結。まるで......いや正にチーム力が試される熱い課題だったと言えそうです。まあ全体として見ればユルユルな雰囲気の耐久レースなんですがね。

ナイトレースならではの独特な緊張感を伴い、ゴール目指して直走る!

  それでもコースへと戻ればライダー達は真剣そのもの。まるでMoto GP張りの、ナイトレースでの熾烈なバトルを余すところなく見せつけてくれます。当然ですが、転倒やマシントラブルも付き物。なので、そうしたアクシデントと遭遇する度にピットインを余儀なくされ、マシン修理などのリカバリーが求められる事に。その辺りも耐久レースならではのドラマ性といったところでしょうか。

今回は空撮もあり!

そして90分が経過してついにゴールの瞬間です!

   そうこうしているとスタートから90分が経過。チェッカーフラッグが大きく振られ、レースは無事に幕を閉じました。皆さん、お疲れさまでした!
  レースの後には表彰式です。それぞれのチームが記録した総周回数に、事前に決められていたハンデ周回数を加算。その結果で表彰式が行われました。ちなみにハンデ周回数はVチームに+2周、Eチームに+7周、Sチームに+1周、Pチームに+1周、Aチームに+2周というもの。
   しかし、女性ライダーをビックリさせてしまうという暴挙(?)が露見したAチームは、チェックテーブルの審査員からマイナス1周のペナルティを宣告されてしまいました。これにより最終的な周回数と順位は、133周をマークしたVチームが優勝をもぎ取り、132周となってしまったAチームは惜しくも2位に転落。同じく132周をマークしていたEチームが3位という結果に。

RESULT/90分耐久

表彰台の左から)2位:Aチーム(宮地/尾崎/松本組み)、1位:Vチーム(牧野/柳本/三浦組み)、3位:Eチーム(尾西/廣田/藤井組み)

順位 ゼッケン 選手名 チーム名 周回数 ベストタイム
1 7
22
55
牧野文人
柳本卓也
三浦拓郎
Vチーム 133 36"282
2 23
33
61
宮地貴之
尾崎雅夫
松本諭
Aチーム 132 35"690
3 20
21
20
尾西洋一
廣田瑞
藤井公人
Eチーム 132 35"891
4 12
12
28
中村賢司
前田祐希
佐藤剛
Pチーム 131 37"007
5 5
5
44
菊地信康
黒住直臣
小林匠
Sチーム 125 35"778

今回はここまで!

人とバイクの集合写真
第4戦を戦い抜いたVespaGPパイロットの皆さん、お疲れさまでした!
撮影用カメラなどなど
そしてこちらが空撮&車載用の撮影機材群

  VespaGP第4戦のレポート、いかがでしたか? 「お題」というレース中のオリエンテーリング的な企画も含めて、和気あいあいとした雰囲気が実にVespaGPらしく、参加者共々笑顔が溢れてしまいました。それにニューフェイス×3名の今後も気になりますよね!
  さて、11月28日(日)には今シーズンの最終戦が開催を終えているそうです。そちらのレポートについても、なるべく早い段階でお届けしたいと考えています。乞うご期待です!!

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