BBB MAGAZINE

  • 藤原かんいち電動バイク世界一周 夢大陸オーストラリア編

    2008.11.24 / Vol.35

    「道を間違えた?」

CREDIT

    • ライター
    • 執筆

    藤原かんいち

    • 撮影

    藤原かんいち

    • バイク

    モトラ

VOL.35 「道を間違えた?」[夢大陸オーストラリア - 番外編 -]

1つ目の川。幅6~7m、水深約20cm。問題なく通過。
再び川。今度は深い。見たところ深さ3,40cmはありそうだ。そのまま突っ込んだら間違いなくエアフィルターまで浸かる。崖側に浅い場所を見つけ、何とかクリアする。
またまた川。前の川とほぼ同サイズ。今度は川の中に並んでいる岩の上を走り、切り抜けた。

走行距離は2万キロ
モトラの走行距離は2万キロを越えた

しばらく走ると、またまたまた川が...今度は水深50cmくらいあるぞ。おかしいな、僕がこんなにたくさん川が横切っているなんて聞いてないぞ。おかしい、絶対におかしい。
「...もしかして...道を間違えたのか?」
それしか考えられなかった。そうに違いない。タイヤの轍は減る一方で4本目の川の先に新しい轍は一本も見当たらなかった。
よし、引き返そう。
4本目の川を目の前にして苦渋の選択、Uターンを決めた。しかし、苦労して越えてきた川をまた越えるのかと思うと気が重かった。
2つ目の川を越えたところで、運良く4WDが前方から現れた。ドライバーに道を尋ねると、ケープヨークへの道は2本あり、この道が旧ルートだと教えてくれた。そしてドライバーは旧ルートは無数の川が横切っているので、4WDでなければ難しいという。確かにドライバーの地図では2本の道がケープヨークに向かって延びており、旧ルートにはイヤになるくらいたくさんの川が横切っていた。
そうか、僕がこれまで得ていた情報は全て新ルートのものだったのか。これで納得。どうやら右か左か迷ったあの分岐点が新ルートとの合流地点らしい、ということも分かったので急いで引き返す。
とにかく先が見え安心する。

巨大な川が目の前に現れた

ジャデリンリバーを渡してくれた
ボートに乗せてジャデリンリバーを渡してくれたふたり

再び分岐点へ。コンパスで道が北に向かっていることを確認しながら、先へ進む。僕の英語力なので半信半疑だったが、新しい轍も多いので、新ルートと考えて間違いないだろう。よかった。
分岐点から約50km。バイクではとても渡れない巨大な川が目の前に現れた。川幅は40m以上、水深は深くて見えない。どうやらこれがジャンデンリバーのようだ。
この川は対岸とワイヤーで繋がれていて、車が2,3台載せられる小型フェリーが運行しているらしい。だが、
「今日はもう時間が遅いから、運行していないよ」
と近くのファミリーキャンパーが教えてくれた。今日は渡れないことを知り、ガックリ肩を落とす。そんな僕を見てかわいそうになったのか、オレのボートに乗せてやろうか?と申し出てくれた。
確かに食料は残り少ない、できれば今日中にバマガまで行きたいと思っていたのは事実だった。迷惑をかけて申し訳ないと思ったが、親切に甘えることにした。ホントにオーストラリア人にはお世話になりっぱなしだ。

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