HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
ホンダ CRM250R(1994年モデル)の基本情報
トラクションを実感できエンデューロで勝てるモデル「CRM250R(MD24)」
1990年代末以降には排ガス規制で姿消してしまったが、1990年代半ばはまだまだ250ccクラスの2ストのオフロードバイク全盛期。1991年のヤマハ・DT200WR(3XP)、1992年のRMX250S(SJ13A)、1991年のKDX250SR(DX250F)がラインアップし、1994年にはKDX220SR(DX220B)も追加されるなど、エンデューロ等のオフロードレースでの走破性や戦闘力を上げたモデルが各メーカーから出揃っていた。そんな中、1989年に初登場したホンダ・CRM250R(MD24)も1991年の倒立フォーク化からさらに進化し、1994年に「プロスペック」を煮詰めたマイナーチェンジをした。
ひと目で分かるのは外観のフラッシュサーフェス化や赤・紫のカラーリングだが、ヘッドパイプをまわりを強化した鋼管セミダブルクレードルフレーム、改良された給排気系や点火系など、見えない部分の変更も大きい。モトクロッサーCR250Rをルーツとする66×72mmのクランクケースリードバルブエンジンに、φ32mmのVMキャブ、低重心チャンバー、排気デバイスのRCバルブ、PGM・DC-CDIなどの改良で、フラットなトルク特性を実現。2ストならではのピーキーさを解消し、トラクションを実感できるモデルに仕上げたことで、エンデューロでより勝てるものとなった。
中古車の台数は1991年のフロント倒立フォークCRM250R(MD24)が多いが、完成度の高さではMD24型最終の1994年モデルに軍配が挙がる。1997年にはAR燃焼エンジンを搭載し、燃費が向上、排出ガス中のHC(炭化水素)の低減を実現したCRM250AR(MD32)にフルモデルチェンジしたが、こちらは今でも高値。完全に4スト化された2010年代で、2ストオフロードの面白さを味わうなら、性能と価格のバランスを考えると、1994年以降のCRM250R(MD24)がベストな選択となるだろう。
- このページは本田技研工業株式会社のご協力を頂き製作しています
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