HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
スズキ GSX-R750(1992年モデル)の基本情報
フルモデルチェンジで油冷から進化した水冷初代「GSX-R750(GR7BC)」
オーバー750ccが解禁され、少しずつリッタークラスの国内モデルが出始めた頃、GSX-R750シリーズは伝統の油冷エンジンから卒業し、1992年に水冷エンジンを搭載したGSX-R750(GR7BC)にフルモデルチェンジした。同じレプリカ系ではZXR750(ZX750J)がラインアップするくらいで、フルカウルモデルは少々特殊なNR750(RC40)とワンクラス下のCBR600F(PC25)のみ。そういった選択肢が少ない中でのGSX-R750の進化は、レプリカファンにとっては嬉しいものだったに違いない。
新型の水冷エンジンは直押式バルブリフターを備え、コンパクトな燃焼室を形成。ピストン裏側へ直接エンジンオイルを噴きつけ冷却を促すオイルジェットピストンクーリングにより、11.8という高圧縮比を実現。前傾18度、各シリンダー間のピッチを10mmずつ狭め、クランクシャフトは27mm低いところに設定、大きくスリム&コンパクト化された。キャブはBST38SSで、ピークまでの味付けが素晴らしく、77psとは思えないフィーリングを実現した。
1994年にはTMR40キャブや大容量エアクリーナーボックス、トキコ製6ポットキャリパー等を採用したGSX-R750SPが、標準の89万8000円から約25万円アップの115万円で登場。RVF750(RC45)やYZF750SP(4JD)、ZXR750R(ZX750J)と同様にTT-F1やスーパーバイクレースといったレースのベース車の位置付けである。1996年にはGSX-R750(GR7DA)にフルモデルチェンジすることになるが、水冷初代のGR7BCでも十分楽しめる。現代のリッターレプリカ・スーパースポーツより、1990年代の750ccレプリカの方が、リターンライダーにはジャストパワー、ジャストサイズではないだろうか。
- このページはスズキ株式会社とモーターマガジン社のご協力を頂き製作しています
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