HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
ヤマハ ランツァ(1997年モデル)の基本情報
気負わずに乗れる2スト「DT230LANZA・ランツァ(4TP)」
DTシリーズの集大成、最終モデルとなったDT230LANZA・ランツァ(4TP)。水冷のDT200R(37F)が登場したのが1984年で、1998年のDT200R(3ET)はフルモデルチェンジでクランクケースリードバルブエンジンを搭載。1991年にはDT200WR(3XP)へ進化し、1997年のランツァへと熟成されていくわけだが、同時期に登場したCRM250AR(MD32)、すでにラインアップしていたRMX250S(SJ14A)やKDX220SR(DX220B)といったフルサイズ250ccモデルとは、少々コンセプトが異なった。
モトクロッサーやエンデューロレーサーをベースにしているため車格が大きく、また、軽量化のために最低限の装備にとどめる中、ランツァはその反対の方向性で気軽に乗れる2ストへと進化した。DT200WRの倒立から正立フォークへ変更し、シート高は865mmと他モデルより30mm近く低く設定。また、始動方式はセルとし、多機能デジタルメーターやトラクションコントロールといった装備で快適性を追求した。これらの快適装備のおかげでエンデューロシーンでのポテンシャルも高く、224ccに拡大された排気量と40psの最高出力、セル&トラクションコントロールはレースを完走するための強力な武器となった。
こういった快適性を受け「2スト版セロー」と言われたランツァは、CRM・RMX・KDXでは敷居が高く感じた初心者・女性ライダーでも気負わずに乗れるモデルとして価値ある存在だった。シート高が低く、セルでエンジンがかかるというのは街乗りでも安心だし、何より、125ccクラスの車格に250ccクラスのパワーはベテランライダーが林道で遊ぶのにも最適。2ストの排ガス規制により、わずか2年間で販売終了となってしまったため希少価値が高いが、中古車がまったくないというわけではない。モタード仕様としても楽しめる1台だ。
- このページは株式会社ヤマハ発動機のご協力を頂き製作しています
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