HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
ホンダ スティード600(1988年モデル)の基本情報
ナナハンクラスのスタンダード・アメリカン「スティード600(PC21)」
オーバーナナハンが解禁になる前の1980年代後半。フラッグシップはもちろんナナハン(750cc)であり、各メーカーのアメリカンもXV750ビラーゴ(55R)、VS750イントルーダー(VR51A)、VZ750ツイン(VN750A)といったモデルが国内のフラッグシップとしてラインアップしていた。そんな中、ホンダはシャドウ750(RC25)から排気量をダウンしてスティード600(PC21)を発売。ベースのトランザルプ600Vの52psから36psと大幅にパワーダウンしているが、同軸クランクの採用や、4速ミッションとしたことで、鼓動(振動)を楽しめる味付けとした。
スタイルはそれまでのアメリカンとは少々異なり、リッタークラスなみの全長2310mm、ホイールベース1600mmというロー&ロングなサイズに、ヘッドパイプからリアホイールの中心までを一直線に見えるようにしたデルタシェイプデザインを採用。エンジンを三角形のシルエットで抱え込むデザインや、リジッド風のリアまわり、170/80-15の極太リアタイヤ、9リットルのティアドロップタンク、右2本出しマフラー等、後の「スタンダード」となる要素を盛り込んでいた。
スティード400にはフラットバーハンドルも設定されたが、スティード600はティラーバーハンドルのみで、11リットルにビッグタンク化した他は生産終了となるまで大きな変更もなく、スティード400のようにバリエーションが追加されることもなかった。そういった観点では地味な存在ではあるが、同系のエンジンは650ccのブロス・プロダクト1(RC31)やアフリカツイン650(RD03)、さらに、1997年のシャドウ750(RC44)へと排気量アップして受け継がれている定評あるものである。スティードそのものは、アメリカンブーム、カスタムベースといったキーワードが先行するが、その中身は多車種へ大きく関係しているモデルなのだ。
- このページは本田技研工業株式会社のご協力を頂き製作しています
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