HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
ホンダ ベンリィCB50(1971年6月発売モデル)の基本情報
新設計の縦型エンジンを搭載したCBシリーズ最小排気量モデルが「CB50」
「CB」の名を有するモデルは数多くある。古くは1960年代を代表するスーパースポーツモデルのCB72(1960年)、大排気量の量産車初のDOHCエンジンを搭載したCB450(1965年)、そしてナナハンブームの火付け役とも言えるCB750Four K0(1969年)、ヨンフォアことCB400Four(1975年)などなど、挙げればキリがないほどの名車が存在するのは周知の通り。
このCBシリーズの最小排気量モデルとして1971年に登場したのが「ベンリイ CB50(Benly CB50)」だ。ロードスポーツとしてはSS50(1970年)の後継モデルに当たるが、エンジン、フレーム共に新設計。エイプにも採用され、俗に言う「縦型」エンジンのスタート地点がここにある。
1973年には、前後ドラムブレーキのCB50と同時に、フロントをメカニカル(機械式)ディスクブレーキ仕様にしたCB50JXもラインナップ。両車共に新デザインのタンク&シートとなった。1976年にはCB50JX-Iとしてエンジン、吸排気系、外装共にマイナーチェンジし、高性能ぶりとスタイリッシュさを増した。
50ccクラス唯一の4ストモデルでもあったCB50シリーズは、1980年のCB50Sが最終モデルとなる(81年に色変更)。フロントブレーキが油圧式ディスクブレーキに強化され、車体左側から右側に移設された。こうして基本構成は変わることなく熟成に熟成を重ね、ライバルとなる2スト50ccマシンに引けを取らない高性能と人気を誇った。
人気車種Ape(エイプ)に通ずる4スト50ccロードスポーツの原点
Tボーンフレームにカブ系のエンジンを搭載したゼロハンスポーツSS50(1970年)の後継モデルとして、1971年に登場したのが「ベンリイ CB50(Benly CB50)」。SS50のロングストローク(39×41.4mm)水平SOHCエンジンに対し、超ショートストローク(42×35.6mm)、直立に近い前傾12度、空冷4ストSOHC2バルブシングルの新設計エンジンは、6ps/10500rpm(リッター換算120ps)、0.41kg・m/8500rpmと当時としては素晴らしいスペックを備え、世界最小のSOHCエンジンとも謳(うた)われた。この「縦型エンジン」が搭載されるのは、新設計のダイヤモンドフレーム。50ccクラス初の分離型タコメーターを装備し、前後フェンダーはメッキタイプ。スプリングを剥き出しにしたリアショックは、プログレッシブ効果を狙うため、巻きピッチを2段にしたスプリングを採用。その他、各所において新機構が採用され、ライバルの2サイクル勢にも引けを取らない高性能を誇っていた。
超人気車となったCB50は、その後CB50JX、CB50Sへと進化。さらに、このエンジンは様々なバリエーションモデルに採用されることとなる。ノーティダックス(1973年)、XE50/XE75(1976年)、TL50(1976年)、R&P(1977年)、XL50S/XL80S(1978年)... そして21世紀の人気車エイプ50(2001年)と、実に30年もの間受け継がれている、伝統あるエンジンなのだ。
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