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    2019.01.29 / Vol.19

    今こそ2ストに乗ろう!2019 〜今も注目されている2ストレプリカ!YAMAHA編〜

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【RZ250/350】

  1980年に発売されたRZ250(4L3)は、80年代に起こった熾烈な2ストパワー競争の始まりといっても過言ではないほどエポックメイキングなマシンの1台だ。市販レーサーと同じスクエアのボア・ストローク(54×54mm)を採用し、当時としては250ccクラス最強の35馬力を叩き出している。さらに4ストよりも圧倒的に軽量であることも相まって、4ストローク400ccマシンと同等の性能を有しており、当時盛んだった市販車ベースのプロダクションレースでも大活躍した。足周りには、オフロードマシンなどで実績を積んできたモノクロスサスペンションをロードマシンとして初採用するなど、エンジンに負けない車体となった。

  1983年に発売された2代目は、車名をRZ250R(29L)とされビキニカウルを装着していた。エンジンには、排気デバイスYPVS(ヤマハ・パワー・バルブ・システム)を装着して、それまでのドッカンパワー的出力特性を穏やかにして誰でも乗りやすいものとしながら最高出力を35馬力から43馬力にアップさせた。また、フロントブレーキをRZ350同様ダブルディスクとし、リヤブレーキはドラム式からディスク式にグレードアップさせている。

  1984年にはRZ250RR(51L)とさらに車名を変更。エンジンの両サイドを隠すような形状の市販レーサーTZ250のようなレーサーライクなカウルが装備された。オプション設定されたアンダーカウルによりフルカウルとすることができたり、シングルシートとすることもできるなど、レーサーを大きく意識した作りになっている。

  エンジンには強制開閉式のパワージェット付きキャブレターが採用され、さらにポート形状を最適化したことにより、当時の自主規制値である45馬力に到達した。また、YSP(ヤマハ・スポーツ・プラザ)ショップから、2000台限定のYSPモデルも発売された。

  さらに、同年にはネイキッドバージョンとなるRZ250R(1AR)がリリースされたり、86年にRZ250R(1XG)なども発売され、88年には最終モデルとなるRZ250R(1HM)が登場した。

【TZR250】

  1985年にリリースされたTZR250(1KT)。RZシリーズに変わってフルカウル仕様の2ストレプリカとして登場した。市販レーサーのTZ250の公道版と言われたほどハイスペックで、最高出力は自主規制値の上限である45馬力は当然のこと、扱い易くパワフルで常用域でのトルクフルなエンジンと足周りが相まってしっかりとした車体構成となり、際立つハンドリングの良さを見せつけた。当時発売されていたYZR500レプリカマシン(WGP最高峰マシン)であるRZV500Rよりも"トータルで速いのではないか"と噂されたこともあったほどトータルバランスに優れたマシンと評されていた。(余談だが、初期型TZR250(1KT)のエンジンを使った派生モデルとしてオフロードマシンのようなスタイルのTDR250やネイキッドスタイルのR1--Zがある)

  88年には1KTの後期型とも呼ばれた2XTへマイナーチェンジが行われた。CDIの変更や前後ラジアルタイヤの採用、メッキ化されたシリンダーなどマイナーチェンジの域を超えたともいえる改良が行われた。

  89年には、いわゆる後方排気方式のエンジンを採用した2代目TZR250(3MA)へと進化した。これは、市販レーサーであるTZ250が当時採用していたエンジンレイアウト方式であり、レースで実績がある技術をすぐに市販車(公道用車両)にフィードバックするという、開発競争が激化していた80年代ならではの手法だ。

  90年にはマイナーチェンジが行われ、翌91年にはV型エンジンを搭載する3代目TZR250(3XV)となった。93年モデルでは、引き下げられた国内メーカー自主規制値に合わせ40馬力となったが、ポテンシャルはTZR250では最も高いと評された。そして、91年にはV型エンジンが搭載されTZR250Rへと進化して行った。

【RZV500R】

  ロードレースの最高峰クラスであるWGP500クラスに出場していたヤマハYZR500(OW61)のレプリカマシンとして登場した輸出仕様マシンRD500LCの日本国内モデルとしてリリースされたRZV500R。4スト750ccマシンを上回るポテンシャルを発揮するマシンとして熱狂的なマニアに受け入れられた。エンジンは水冷2ストロークV型4気筒で、フロントバンクとリヤバンクにそれぞれ独立したクランク軸を持つ2軸構造エンジン。また吸気方式がフロントバンクはクランクケースリードバルブ方式、リヤバンクがピストンリードバルブ方式となっていた。このため、エンジンチューニングを行う時にキャブレターセッティングが非常に難しくなるので、現在行われているサンデーレースに出場するRZV500Rの中には、吸気方式を前後とも同じくするためにシリンダーごと交換しているマシンもあるほど。(もちろん、ノーマルで乗る分にはまったく影響はないが...)

  フルームは、輸出仕様ではスチール製だったのだが国内仕様ではレーサー同様にアルミ製に変更されている。また、最高出力は輸出仕様の88馬力に対して、国内自主規制値上限である64馬力とされていた。

  2ストV型4気筒エンジンの構造上、リヤバンクのチャンバー(膨張室)がシートレールの下を通るレイアウトとなることから、リヤサスペンションを設置するスペースがなくなってしまったため、エンジン(クランクケース)真下にリヤサスペンションがレイアウトされている形となっている。

【R1--Z】

R1--Z

  右2本出しマフラーが特徴的なR1--Zは、それまでのレーサーレプリカ人気に翳りが見え始め、ネイキッドモデルが盛り上がりを見せていた1990年に発売された。当時、2スト=レーサーレプリカ、という図式に飽きてしまった2スト好きなユーザーから大人気を博した。

  エンジンはTZR250に搭載されていたパラレルツイン(並列2気筒)の初期型(1KT用)が採用されたが、R1--Zのキャラクターに合わせてセッティングなどは変更されている。大きく変更された部分はキャブレター。口径を2ミリほどダウンされていたり(φ28→φ26)、それに合わせて点火時期の見直しを行うなどによって、それまでレース指向だったエンジン特性を街中でもより扱いやすいパワー特性とし、2次減速比も変更するなど数多くの変更が行われた。

  1991年のマイナーチェンジでは、車体剛性(フレーム補強など)や足周りの見直しが行われた。また1992年のマイナーチェンジでは、250ccクラスの自主規制値の変更に合わせて最高出力を45馬力から40馬力としている。

オススメ2ストスポーツバイクラインナップ

2ストマシンは、走りの楽しさはもちろんのこと、自分の手でメンテナンスやチューンすることによってより愛着のあるマシンとなる。特に車検を必要としない250cc以下のマシンであれば、比較的手に入れ易く維持費も抑えられるため、最初の2ストマシンとしてバイクライフの良きパートナーになってくれることだろう。

現在、中古車でも人気の高い程度の良いモデルは適価で入手しづらくなってきている。2ストマシンを手に入れるためには、少しでも早く、今からでもすぐに探してみることをお勧めしたい。

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