HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
スズキ バンディット400リミテッド(1990年モデル)の基本情報
ロケットカウルで新たなネイキッドのスタイルを提唱した「バンディット400リミテッド(GK75A)」
CB-1(NC27)、ゼファー400(ZR400C)とともに、1980年代後半に登場したバンディット400(GK75A)。GPZ400F系の空冷エンジンを搭載し、ロースペックでありながらZ2イメージでバイク本来の良さやカワサキらしさを打ち出したゼファー400に対し、ハイスペックはレプリカ系のエンジンを搭載したCB-1やバンディット400は、まさにレプリカからカウルを外して「裸」にした「ネイキッド」と呼べるもので、絶対的な性能はもちろんゼファー400を上回わった。
同じネイキッドでも、どこか懐かしさを感じるゼファー400と、都会的で洗練されたデザインのバンディット400は対照的で、CB-1や後に登場するCB400SFとは同類項的なイメージがある。そこで差別化を図るべく、いち早くバリエーションを増やしたのがバンディット400だ。まずは、標準のセパレートハンドルに対し、バータイプのアップハンドル仕様を追加。そして、FRP製のロケットカウルを装備し、ひと味違ったイメージとなったバンディット400リミテッドが登場した。さらに、VCエンジンの「V」も加わるわけだが、こうしたバリエーション展開は1990年代の各メーカーのネイキッドモデルにも見られた傾向だ。
グッドデザイン賞を受賞しただけあって、バンディット400は都会でも人里離れたところでもマッチするデザインの良さがある。それに違和感なくロケットカウルを装着したことで、「リミテッド」は新たなネイキッドのスタイルを提唱したと言えるだろう。加えて、デザイン本位ではなく、可変バルブ機構のVCエンジンモデルでスポーツ性も重視しているところがスズキらしい。万人うけするのは標準モデルのようなシンプルなネイキッドだったが、他にはない個性的なものを求めるライダーにとって「リミテッド」「Vリミテッド」は、まさにピンポイントをついたモデルだったに違いない。
- このページはスズキ株式会社とモーターマガジン社のご協力を頂き製作しています
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