HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
スズキ RF400RV(1994年モデル)の基本情報
スポーツ性・快適性・実用性をパッケージしたツアラー「RF400RV(GK78A)」
まだまだ4メーカーの400ccレプリカが揃っていた1990年代前半。CBR400RR(NC29)、VFR400R(NC30)、FZR400RR・FZR400RR SP(3TJ)、GSX-R400R・GSX-R400R SP(GK76A)、ZXR400・ZXR400R(ZX400L)と、どれもレースで勝つための高性能さをウリにしていたわけだが、その一方で、同じフルカウルのZZ-R400(ZX400N)はまさにツアラーで、速く走ることよりも長時間・長距離の快適さを追い求めたモデルだった。当時としては唯一のツアラーだったが、スズキがRF400R(GK78A)を発売したことで選択肢の幅が広がった。
スラントノーズのアッパーカウルとフィンを切ったアンダーカウルでフルカバードのスタイルはGSX-R400R(GK76A)とは全く別物。250ccのACROSS・アクロス(GJ75A)や、ホンダのCBR1000F、CBR600Fにも共通する、ツアラーであることを強調したデザインである。フレームはアルミではなくスチールのダイヤモンド型プレスフレームで、φ41mmの正立フォークやφ290mmのダブルディスク等の他、タンデムシート下やカウル内側の収納スペース、グラブバーといったものも含め、必要十分な装備で、レプリカのような過剰さはなかった。
その一方で、1994年には可変バルブ機構を装備したVCエンジン搭載のRF400RV(GK78A)を追加。VCエンジンはバンディット400C(GK75A)に採用されたものだが、GSX-R400Rにも搭載されなかったハイスペックエンジンがRF400RVには搭載されたのである。回転数に応じてバルブタイミングを変化させ、低速域を補い、高速域の伸びを確保するシステムは、ライバル車にはなかったものであり、メカ的には相当面白いものだった。VCエンジンの搭載によって、スポーツ性がより強調された形になる。実際、スタンダードのRF400Rは途中で廃止され、最後はRF400RVだけが残り、スズキの400ccフルカウルは幕を閉じることになる。
- このページはスズキ株式会社とモーターマガジン社のご協力を頂き製作しています
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