HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
スズキ GS250FW(1983年モデル)の基本情報
250ccクラス初の水冷DOHC4気筒を搭載した「GS250FW(GJ71A・GJ71B)」
1980年代初めの250ccクラスと言えば、2ストのヤマハ・RZ250(4L3)やVツインのホンダ・VT250F(MC08)といった代表的なモデルがあるが、これらの他は空冷ツインが主流。ホンダはCB250Tに始まるツインのホークCB250シリーズ、カワサキはZ250FTといったオンロードモデをラインアップし、スズキもライバル車としてGSX250Eを発売していたが、1983年、クラス初の水冷DOHC4気筒エンジンを搭載したGS250FW(GJ71A)を登場させ、他メーカーの先を行く形となった。
当時の4スト250ccでは最高の36psを発生したエンジンを、角型パイプのL-BOXフレームに搭載。リアはRCPL機構付きのフルフローターサス、フロントはANDF付きのフロントフォーク&16インチホイールを採用した足回り。ブレーキはフロントがディスク、リアがドラムとなり、RG250γよりは控えめなスペックと装備で、誰にでも扱いやすいといった位置づけとされた。翌年には2psアップ、リアディスクブレーキといったマイナーチェンジを受けた。
GS250FWの後継モデルとして1985年に登場したGF250(GJ71C)は41psにパワーアップしたものの、後続のFZ250フェーザー(1HX・1KG)やCBR250FOUR(MC14)は4バルブで45psとGF250をさらに上回るスペックに。スズキも1987年のGSX-R250(GJ72A)からは4バルブ化したことで、「2バルブ」はGS250FWとGF250で終了となる。スズキを代表する250ccネイキッドはバンディット250(GJ74A)だが、当時の「世界初」を味わってみるのも面白いだろう。ただ、GW250FW、GF250ともに中古車は極少数だ。
※RCPL・・・「リモートコントロールプリロード」。クッションユニットのスプリングのイニシャル調整を遠隔操作できる。
※ANDF・・・「アンチノーズダイブフォーク」。ブレーキと連動してフォークの沈み込みを抑制する機構。ブレーキフルードの油圧を活用している。
- このページはスズキ株式会社とモーターマガジン社のご協力を頂き製作しています
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