HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
スズキ ジェンマ(2008年モデル)の基本情報
シート高660mm、全長2280mm。正真正銘ロー&ロング「ジェンマ」
スズキには、「ジェンマ」と呼ぶスクーターが2種類ある。ひとつは1981年登場の「ジェンマ50」をはじめとした原付二種以下のシリーズ。そして、もうひとつがここで紹介する、2008年に登場した250ccクラスの「ジェンマ」だ。
ビッグスクーターの流れのひとつに「ロー&ロング」がある。例えば、ホンダのフュージョン、ヤマハのマグザムがそれだ。スズキなら、この「ジェンマ」。見るからに低く長いというのが分かるだろう。シート高はわずか660mmで、原付スクーターの「レッツ」よりも35mmも低い。全長は2280mmで、650ccのスクーター「スカイウェイブ650LX」よりも15mm長い。低さ・長さとも「マグザム」に一歩及ばないが、それでも充分に低く長い。
「ジェンマ」の開発テーマは“フルフラット2シーター”で、後部席でも高さは705mm。こだわったのは「二人乗りで走ること」と「都市によく似合うこと」。横から見ると弧を描くような未来的なデザイン、フロントマスクには左右非対称のヘッドライトが採用されるなど、どこから見ても一目で「ジェンマ」だとわかる個性的な作りだ。
ユニークなのは、収納スペース。シート下にはなく、シートの前のふくらんだ部分がそれだ。フルフェイス1つ分と容量は大きくないが、シートに座ったまま利用できるので使い勝手は非常にいい。また、ハンドル下には小物入れが左右(それぞれ最大積載量0.5kg)にある。
ワン・アンド・オンリーの独特なデザインでインパクトを与えた「ジェンマ」だったが、2012年に生産終了となり短い生涯を終えた。
- このページはスズキ株式会社とモーターマガジン社のご協力を頂き製作しています
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