HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
スズキ ウルフ250(1988年発売モデル)の基本情報
極めて珍しい2ストレプリカベースのネイキッド「ウルフ250・WOLF250(VJ21A)」
「ネイキッド」という言葉からどんな車種を思い浮かべるだろうか。ホーネット250やバリオス、ゼファー400、ZRX400、CB400SFといったところだろうか。これらは確かにネイキッドに分類されるが、本来の「ネイキッド」はフルカウルモデルからカウルを取り外して「裸」にしたことからスタートしており、GPZ400Rに対するFX400RやVFR400Rに対するVFR400Zといった「対の関係」が存在した。スズキはそれを2ストのレーサーレプリカに持ち込み、RGV250γ・RGV250ガンマ(VJ21J)に対するネイキッドのWOLF250・ウルフ250(VJ21A)を登場させた。
RG250γ・RG250ガンマからフルモデルチェンジし、並列からV型へ進化したエンジンをアルミフレームに搭載。SP仕様も併売し、かなりレーシーになったRGV250ガンマ(VJ21J)がベースとなっているが、ウルフ250(VJ21A)はネイキッドらしくややおとなしく仕上がっている。外観はカウルがなくなり丸型ライトとハンドルマウントのメーターを装備。フロントブレーキはダブルディスクからシングルディスクになり、ハンドルとステップの取り付け位置を変更することで、街乗りでのポジションを考慮している。出力特性や2次減速比も変更され、γ・ガンマよりも扱いやすさを増している。
RGV250ガンマがさらに進化してVJ22A型になった後も、ウルフ250(VJ21A)は継続ラインアップ。さらに、兄弟モデルとしてWOLF200・ウルフ200とWOLF125・ウルフ125なども登場し、各排気量で2ストネイキッドを充実化させたのは、他メーカーでは見られないスズキならではのものだった。2010年台に入りフルカウルモデルの人気が上がってきているが、カウルに少々抵抗があり、その一方で、速いバイクを求めているなら、本来のネイキッドのスタイルであるウルフ250(VJ21J)がベストチョイスとなるだろう。2ストの面白さも気負わず気軽に堪能できるはずだ。
- このページはスズキ株式会社とモーターマガジン社のご協力を頂き製作しています
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