HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
カワサキ スーパーシェルパ(1997年モデル)の基本情報
ライバル車よりパワフルなトレック系オフロード
1990年代前半から半ばにかけて登場したフルサイズのオフロードバイク、XR250(MC30)、TT250R(4GY)、DR250R(SJ45A)、KLX250SR(LX250E)は街乗りやツーリングに加え、エンデューロレースも想定した高い車高となっていることから、初心者や女性ライダー、小柄なライダーにとっては「乗りたいけど、ちょっと・・・」と敬遠されていたのが事実。それに対し、トレック系オフロードモデルの代表セロー225や、ジェベル200といった中間モデルは誰でも気軽に乗れる存在で、隠れた人気車種となっている。ここにカワサキが投入したのがスーパーシェルパ(KL250G)だ。
同年(1997年)にモデルチェンジしたセロー225WE(4JG)や、新たに登場したSL230(MD33)とシート高は同じ810mmで、乾燥重量は107kgと軽量に仕上がっているところも変わらない。ハンドル切れ角を大きめにとっているところもトレックモデルならではだ。ライバル車との大きな違いはDOHC4バルブ250ccエンジンを搭載しているところで、KLX250SR/ESの水冷エンジンをベースに空冷化。8000rpmで26psを発生し、他車のSOHC2バルブ、最高出力20psと比べてひとまわりパワフルなことが分かる。
また、初期モデルでは左右非対称のカラーリングや、アップフェンダー、ダウンフェンダーを選択できるなど、ライバル車と差別化を図った。ただ、KLX250に対するDトラッカーのように、派生モデルは誕生しなかったため、空冷DOHC4バルブエンジンはこのスーパーシェルパのみで終了となる。都会的なSL230、レトロなブロンコに対し、オフロード色強いセローやシェルパは本格的なトレックライドも楽しめるオールラウンダーだ。こういった道を選ばず気軽に走れるバイクはいつの時代でも重宝するもの。オンロードオンリーのライダーもちょっと目を向けてみよう。
- このページはカワサキモータースジャパンのご協力を頂き製作しています
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