HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
カワサキ ZXR750(1989年モデル)の基本情報
カワサキのナナハンレーサーレプリカの元祖「ZXR750(ZX750H)」
750ccクラスのレーサーレプリカがスタートしたのは、1985年に登場したGSX-R750(GR71F)からとなる。当時は各メーカーともにレーサーレプリカとは異なるコンセプトのモデルをラインアップしていたが、GSX-R750(GR71F)のライバルとなるようなモデルが登場するのはそれから少々後になる。カワサキは、メーカー初の750cc専用設計で作られたGPX750R(ZX750F)を有していたものの、カウル付きモデルではあるがレプリカではなかった。1989年、これをベースとしたエンジンを搭載のZXR750(ZX750F)がカワサキのナナハンレプリカとなる。
ヘッド周りやクランクシャフトを変更したエンジンに、φ36mmに拡大したキャブはストレート形状のダウンドラフトで、国内モデルは77ps、フルパワー仕様は107psを発生した。これを新開発のアルミe-BOXフレームに搭載し、足回りはスタビライザー付きアルミスイングアーム、φ43mm正立フォーク、前3.50、後5.50のワイドな17インチホイールを採用。ほとんどノーマルのままでレースに使用できるポテンシャルの高い設計となっている。
VFR750R・RC30やFZR750R・OW01、GSX-R750R(GR79C)は完全にレースを前提としたモデルのため台数限定かつ高額だったが、ZXR750(ZX750H)はナナハンの標準的な価格でハイスペックを堪能できるモデルだ。1991年にはZX750J型へとモデルチェンジし、同時に、CRキャブ、クロスミッション、シングルシート等を採用したZXR750Rも追加。まさに、これこそがカワサキのナナハンレーサーレプリカと言える。この頃にはオーバーナナハンスの解禁に伴い、主力がリッタークラスへ移行していき、ZXR750とGPZ900Rの進化系であるZX-9R(ZX900B)が登場することになるのだ。
- このページはカワサキモータースジャパンのご協力を頂き製作しています
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