HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
カワサキ ZXR750(1989年モデル)の歴史
ZXR750(ZX750H)/1989年(平成元年)
GPX750R(ZX750F)をベースにヘッドまわりをリファイン。バルブ系はダイレクトドライブ方式を新採用。CVKキャブはφ34mmからφ36mmに大径化し、ダウンドラフトタイプとなった。クランクシャフトは大幅に軽量化され、フライホイールマスを低減。KCISやバックトルクリミッターも装備し、フルパワー仕様は107ps、国内仕様は77psを発生した。新開発されたフレームは、100×32mmの角型ツインチューブをメインに、丸断面のダウンチューブをボルトオンしたダブルクレードルタイプのアルミ製e-BOX。太い角型アルミスイングアームはスタビライザーで補強され、フロントフォークはφ43mmの正立。前後17インチホイールはフロント3.50、リア5.50というワイドリムで、OW01と同サイズのフロント120/70、170/60のラジアルタイヤが装着された。フルカウルのスポーツモデルやツアラーではなく、まさにナナハンレプリカである。
ZXR750(ZX750J)・ZXR750R(ZX750J)/1991年(平成2年)
従来比で4kgの軽量化を果たした新フレームに、カムチェーンが右側に移され、かつショートストーク化された新エンジンを搭載し、まさにフルモデルチェンジだ。キャブはケイヒンのCVキャブでφ38mmのダウンドラフトタイプ。フロントには新たに倒立フォークが採用され、リアはボトムリンク式サス。フロントブレーキはφ320mmのセミフローティングにトキコ製の異径4ポットキャリパーの組み合わせ。外観も一新し、ソリッドカラーの採用はZXR400(ZX400L)と同様だ。同時にラインアップしたZXR750Rは、外観上の違いはシングルシート仕様くらいだが、CRキャブやクロスミッションを装備し、フロントフォーク&リアサスも変更され、カウルはFRP製となる。限定発売されたレーシングキットにはバルブ、スプリング、カム、ピストン、マフラー、オイルポンプなどがセットされた。1993年のマイナーチェンジでカーボンサイレンサーが採用され、このモデルが後のZX-7R・ZX-7RRやZX-9R(ZX900B)へと進化していくことになる。
- このページはカワサキモータースジャパンのご協力を頂き製作しています
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