HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
カワサキ バルカン800ドリフター(1999年モデル)の基本情報
1940年代風のビンテージスタイルに仕上げた
アメリカンの人気が高まる中、クラシックタイプに注目が集まってくると、シャドウ400(NC34)、ドラッグスター400クラシック(4TR・VH01J)、バルカン400クラシック(VN400A)と各メーカーとも400ccクラスはラインアップが充実(スズキはデスペラード400で独自路線)。この「クラシック」の流れは750ccクラスやリッタークラスも同様だったが、ここでカワサキが一歩踏み込んだレトロ、ビンテージスタイルのメーカーカスタムモデルを投入してきた。それが「バルカン・ドリフター」シリーズだ。そのスタイルもさることながら、400、800、1500と3つの排気量に追加されたのは他社で見られない設定となる。
750ccクラスのアメリカンはシャドウ750(RC44)やデスペラード800X(VS53B)くらいのもので、ラインアップの豊富さはリッタークラスが上。ベースがバルカン400と共通だからという理由もあるだろうが、バルカン800にもドリフターが設定されたのは、選択肢の少ない750ccクラスにとって貴重な存在だった。加えて、バルカン1500ドリフターとそっくりのビンテージスタイルながら、リジッド風のユニトラックサスの採用と、スイングアームに直付けされたディープフェンダーにより、細かい再現性や完成度ではバルカン800ドリフターの方が上と言ってもいいだろう。
遥かな大地を気ままに転々とする旅人という「ドリフター」は、2002年モデルまでとわずか3〜4年で終了となってしまい、バルカン400・800シリーズそのものも2003年モデルまで。その時点でカワサキのアメリカンはバルカン1500シリーズとエリミネーター250V(VN250A)となってしまう。カワサキのアメリカンファン、特にバルカンユーザーにとっては残念なことだが、短命に終わった分、希少価値は高い。2007年にはバルカン900シリーズとなって復活したものの、「ドリフター」のこのスタイルはもう二度と復活することはないだろう。
- このページはカワサキモータースジャパンのご協力を頂き製作しています
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