HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
ホンダ RVF400(1994年モデル)の基本情報
400ccレプリカとして最後まで残ったV4モデル「RVF400(NC35)」
1990年代の半ばは、各メーカーのネイキッドが出揃い、レーサーレプリカはやや押され気味になってくる頃である。とは言っても、250ccクラスの2スト、4スト、400ccクラス、750ccクラスとそれぞれにラインアップしていたため、充実度は抜群であり、選択肢の幅も広かった。しかし、それらを見渡しても、V4エンジン搭載車はVFR400R(NC30)しかなく、バイク全体を見渡してもV型4気筒エンジンは極めて珍しいタイプとなる。そんなVFR400R(NC30)がモデルチェンジし、後に400cc最後のレプリカとなったのがRVF400(NC35)だ。
限定発売された兄貴分のRVF750(RC45)と共通の、耐久レーサーそのもののデザインで、VFR400R(NC30)と同様の丸目2灯ライトはマルチリフレクターとなった。また、リアのプロアームとセンターロックのホイールもNC30と同様だが、フロントにφ41mmの倒立フォークが採用されたのが大きな特徴。ホンダのレプリカは正立フォークばかりなので、グレードアップした感が強い。カムギヤトレイン&ダイレクトロッカーアームの水冷90度V4エンジンは、馬力規制でNC30の59PSから53psに抑えられているものの、キャブの変更等によりV4ならではのスムーズなパワーフィールは損なわれていない。
ライバル車である4気筒のFZR400RR SPやGSX-R400Rが次々にラインアップから消えていく中、RVF400とCBR400RR、そしてカワサキのZXR400・ZXR400Rだけがネイキッド勢に交じり、1990年代後半まで残ることになる。そして、レプリカとして最後までラインアップし続けたのがV型4気筒のRVF400となるのだ。2010年代になり、フルカウルモデルが見直されているのを見ると、RVF400のようなエンジンの構成的にもV型4気筒と珍しく、また、「レースで勝つ」ことを目的とした高性能を味わえる400ccも面白いはずだ。
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