HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
ホンダ CBR400F(1983年モデル)の基本情報
画期的な可変バルブシステムREVを採用した空冷4気筒「CBR400F(NC17)」
CBやCBXといった幅広いCBシリーズの中でも、CBRシリーズの最初となるのは1983年のCBR400F(NC17)ではないだろうか。後に登場するヤマハFZ400R、スズキGSX-R400は水冷エンジンだが、CBR400Fは回転数に応じて作動するバルブ数が変化する可変バルブシステム「REV」を採用した空冷エンジンを搭載し、58psというハイパワーぶりを見せた。REVとは低回転域では2バルブ、8500rpmを境に4バルブに切り替わり、4バルブのデメリットであるバルブオーバーラップによるガスの吹き抜けや流入速度の低下、燃焼効率の悪化を抑えようとするシステム。近年ではCB400SFのハイパーVTECやスズキのVCエンジンも可変機構を持ったエンジンだが、元祖はCBR400FのREVとなる。
角型ライトのノンカウルで登場したCBR400Fにも、デュアルライトのハーフカウル&アンダーカウルを装備した「エンデュランス」が追加され、また、フルカウルの特別仕様車も発売された。1985年にはマイナーチェンジし、コムスターホイールから3本キャストホイールに変更され、アルミスイングアーム、ステンレスマフラーを装備。REVのセッティングも変更された。エンデュランスはアンダーカウルを廃止し、それと同時に、シングルシート、ジュラルミン製のバックステップを採用した「フォーミュラ3(F3)」も追加され、他メーカーの水冷モデルにも劣らないレーシーなモデルとなった。
しかし、画期的なREVを採用したCBR400Fも、1986年に水冷&カムギヤトレーンのCBR400R(NC23)へとフルモデルチェンジ。CBR400F系のエンジンは受け継がれることなく、400ccクラスでは空冷4気筒モデルは発売されることはなかった。発売年数が短いこともあって、程度の良い中古車に巡りあえる確立は低いが、ホンダの空冷、しかもREVを楽しみたいなら、是非乗ってみるべきだ。
- このページは本田技研工業株式会社のご協力を頂き製作しています
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