HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
ホンダ NV400SP(1983年モデル)の基本情報
400ccVツインスポーツモデルのルーツといえる「NV400SP(NC15)」
VT400S(NC46)のようなVツインのロードスポーツモデルをさかのぼってみると、同系エンジンのルーツでもある1983年のNV400SP(NC15)に辿り着く。ちょうどこの頃は、空冷4気筒のCBX400F(NC07)、V型4気筒のVF400F(NC13)、ツイステッドVツインのCX400ユーロ(NC08)と、400ccクラスはバリエーションに富んだラインアップとなっていたが、NV400SPが加わったことで、さらに選択する楽しみが増えたというわけだ。アメリカンのNV400カスタム(NC12)と同じ空冷Vツインエンジンは、吸気2、排気1の計3バルブ方式&ツインプラグ仕様で、44PS/9500rpmを発生。位相クランクを採用し、バランサーなどを使わずに振動を低減した。
スタイリングはVF400FやCX400ユーロとよく似ており、角ライト&ミニカウル(ビキニカウル)とした、当時で言うヨーロピアンスタイル。ブーメラン型アルミコムスターホイールも同様の装備で、さらに、フロントブレーキにはVF400Fと同じインボードディスクを採用。リアはシャフトドライブ、ツインショック、ドラムブレーキとやや落ち着いた内容だが、Vツインのスリムで軽量な車体のおかげで、かなりのスポーツ走行もこなす性能を誇った。
激戦区の400ccクラスの中で、NV400SPはそれほど目立つこともなく、ロードモデルとしては1998年のブロスプロダクト1(ブロス650)、プロダクト2(ブロス400)へ、アメリカンモデルとしてスティード600、スティード400へとVツインが受け継がれていくことになる。それよりも前に、オフロード・ツアラーのトランザルプ600Vにも同系エンジンが採用されており、実に懐が深いパワーユニットなのだ。その先駆けとなったNV400SPは、今となっては入手困難かもしれないが、Vツインスポーツの荒削りな面白さが隠されているはずだ。
- このページは本田技研工業株式会社のご協力を頂き製作しています
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