HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
ホンダ ホンダG’(1989年モデル)の基本情報
時代を一気に駆け抜けた、ストイックな俊足スクーター「ホンダG'(AF23)」
NSRやTZRなどの2スト勢、GSX-RやCBRなどの4スト勢、毎年ハイスペックなニューモデルが発表されていたレーサーレプリカ全盛の1980年代後半、1989年には原付一種のスクーターにもスパルタンなモデルが登場した。それが「ホンダG'(ジーダッシュ)」。当時のスクーターはハイパワーエンジンを搭載したモデル、例えば同時期に発売されたDioのSP仕様(6.4ps)でも、メットインスペースを備えるなど、走行性能だけではなく使い勝手も考慮されていた。しかしG'は、徹底的に“走り”に特化されたスポーティスクーターだ。
エンジンは最高出力6.8ps/7,000rpmを発揮する空冷2サイクルエンジン。油圧ダンパーを内蔵し、アルミ製ボトムケースがおごられたフロントフォーク。フロントブレーキは160mmの大径ブレーキディスクを持つ油圧式ディスクブレーキ(シングル)。タイヤは前後80/90-10の幅広タイプが採用されるなど、乗り手のスポーツマインドを刺激する仕様とされていた。そのため、G'の姿を多く見られたのは街なかよりもサーキットだったのではないだろうか。当時はミニバイクレースが盛んで、ショートホイールベースで旋回性が高く、走るための装備も充実していたG'は登場と同時にサーキットの主役に躍り出た。
ただ、スクーターとしては一般的にはメットインスペースなどを備えた使い勝手のよいモデルが注目され、スポーティな走りを身上とするG'は1年ほどで生産中止となり、その役目を終えた。
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