HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
カワサキ KDX220SR(1994年発売国内モデル)の基本情報
日本人体型にピッタリなエンデューロレーサーの公道モデルが「KDX220SR(DX220B)」
1989年に登場し、正立から倒立フォークの装備など進化を続けたKDX200R/KDX200SR。1991年にはKDX250R/KDX250SRも登場し、カワサキはエンデューロレーサー&公道モデルを同時にラインナップしていた。数年遅れて、同様の一卵性双生児的スタイルをとったのがスズキで、レーサーRMX250と公道モデルRMX250Sを発売。対し、ホンダ・CRM250Rに対するエンデューロレーサーはなく、また、フルサイズの2スト125cc、200ccモデルのラインナップもなかった。また、ヤマハにはエンデューロレーサーWR250Zがあったが、公道モデルはDT200WRで排気量が異なる。こうして見ると、いかにカワサキがエンデューロに力を入れていたかが分かる。
そんなカワサキが「250ccではパワーを持て余してしまうし、200ccでは物足りない」といった要望に応えるかたちで登場させたのがKDX220R/KDX220SRとなる。エレックスシリンダーを採用したエンジンは200のものを徹底改良し、3mmボアアップ、一次圧縮比アップで37psを発生。スライドバルブ化した排気デバイスKIPS、吸気レゾネーター、PE28キャブ、コンパクトなセパレートラジエターを装備した。また、電装系のDC-CDI点火系とすることで、素早いスロットルレスポンスも実現している。フレームは125と共通の新設計ペリメタータイプを基本骨格とすることで、軽量・コンパクト化を実現。足回りはフロントには1989年型KDX200SRを改良したφ43mm、ストローク290mmの正立フォークを採用し、バランスとしなやかさを重視。リアは300mmストロークのユニトラックとした。
250ccとさほど見劣りしない戦闘力にもかかわらず、乗車したときのコンパクト感はまさに日本人体型にピッタリのサイズ。各社が続々と2ストモデルを廃止した1990年代後半、カワサキはこのKDX220SRとKDX125SRをラインナップし続けた。
- このページはカワサキモータースジャパンのご協力を頂き製作しています
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