HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
スズキ TS125R(1989年発売モデル)の基本情報
モトクロッサーRMの血を受け継いだシリーズ末弟の「TS125R(SF15A)」
2000年代に入りラインナップから外れてしまった、125ccクラスの2ストオフロードモデル。小径ホイールのホンダCRM80(HD11、HD12)、ストリートユース指向のヤマハDT125R(3FW)、本格的な戦闘力を備えたカワサキKDX125SR(DX125A)、そしてスズキTS125R(SF15A)が存在していた。TSシリーズは、1971年に登場したスクランブラーモデルのハスラーTS125が最初となる。その後は、モトクロッサーのレプリカモデルとも言える、水冷エンジン搭載のRA125(SF13A、1984年)にスイッチした。
そして、1989年に再びTSの名を冠してTS125Rが登場することになる。RA125からTS125Rへのモデルチェンジにより、クランクケースリードバルブエンジンを搭載。フラッシュサーフェス化しスタイリッシュになったことで、レースユースを前提とした体重移動が可能なったのはもちろん、ストリートユースでも映えるデザインとなった。まさにモトクロッサーRMのレプリカモデルと言える。
クランクケースリードバルブエンジンには排気デバイスAETC、スリングショットキャブレターが組み合わせられ、22ps/9500rpmを発揮。フロントフォークはTS200Rの倒立に対して正立になるものの、ニューリンク式フルフローターサスペンション、分割式クラッチレバーホルダー、ナックルカバー、リアグリップなど、TS200Rと同じボディサイズに125ccクラスとしては十分な装備を誇っていた。
1991年モデルでTS200Rと同様倒立フォークが採用され、リアショックの大型化とフレームの剛性が向上したことで、より一層走破性が高まった。また、エンジンには3段階可変バルブAETC?を採用し、全域でトルクアップと出力確保に成功。125ccにありがちなピーキーさはなく、マイルドで誰にでも乗りやすいマシンとなった。
その後は大きなモデルチェンジもなく、1990年代をラインナップ。維持費の安い原付2種(小型自動二輪)はセカンドバイクとして所有されることが多いだろうが、エンデューロなどの草レースではメインバイクとして活躍できるポテンシャルを持つTS125Rは、RMX250S、TS200Rの弟分として125ccクラスのオフロードモデルを牽引した。
- このページはスズキ株式会社とモーターマガジン社のご協力を頂き製作しています
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