BBB MAGAZINE

  • BBB Staff BLOG

    2019.02.07 / Vol.21

    今こそ2ストに乗ろう!2019 〜今も注目されている2ストレプリカ!KAWASAKI編〜

CREDIT

【KR250】

  タンデムツインエンジンと呼ばれる前後方向にふたつのシリンダーが配置されたエンジンを持つKR250がリリースされたのは1984年。70年代から世界グランプリで大活躍した同社のレーシングマシンであるKR350/250のエンジンレイアウトを踏襲して作られたレーサーレプリカマシンだ。グランプリで快走するマシンと同様のライムグリーンを身に纏ったレーサーレプリカのKR250の登場は、当時、レース好きなカワサキファンを熱狂させた。

  国産市販マシン初のタンデムツインエンジンはロータリーバルブ吸気方式で180度クランクとし45馬力を発揮、リヤには新設計のユニトラックサスペンションを採用、補強付きのスイングアームを奢るなど足周りも強化されていた。

  翌、1985年にはカワサキ独自の排気デバイスシステムであるKVSS(カワサキ・バルブ・シンクロナイセイション・システム)を採用したKR250Sが登場。KR250よりも中低速域でのトルクフルな走りを可能とした。

  1988年にはタンデムツインエンジン(直列エンジン)から50度前傾された並列2気筒エンジン(パラレルツインエンジン)に変更され、KR--1と車名を変えて登場した。エンジンの吸気方式はケースリードバルブに変更され排気デバイスKIPS(カワサキ・インテグレーテッド・パワーバルブ・システム)が装着された。最高出力に変更はなく45馬力。さらに1989年にはKR--1Sと車名が変更され、大幅な改良が行われた。エンジンをはじめ、前後サスペンションの変更、ワイド化されたホイール形状を5本スポーク化し、4ポッドフロントブレーキキャリパーの採用、メインフレームのリブを無くして剛性変更等、フルモデルチェンジと言ってもいいほどの大幅な改良が加えられた。また、同年にはプロダクションレース用としてKR--1Rも発売された。KR--1Sとの大きな変更点は、クロスミッション、強化クラッチ、大径φ35キャブレターを装備したこと。この変更によりサーキットでのパフォーマンスを大幅に向上させている。

【KSR--1/2】

  1990年に発売されたKSR--1は7.2馬力を発揮する2ストローク水冷50ccエンジンを搭載したモデル。前モデルのKS--1に搭載されていたロードスポーツモデルのAR50用の空冷エンジンと最高出力は7.2馬力と同じだが(50ccモデルの最高出力の上限)、よりトルクフルなエンジンとなったことで運動性能がアップし、走り全体の性能を格段に引上げている。車体構成もグレードアップし、前後12インチチューブレスタイヤや倒立フォークが採用されている。

  KSR--2もKSR--1と同様、水冷化された2ストローク80ccエンジン搭載モデルとなり10馬力を絞り出していた。この数値は前モデルのKS--2の空冷エンジン(AR80用エンジン)よりも0.8馬力アップしており、パフォーマンスがさらに向上した。KSR--2とKSR--1、どちらも一人乗り専用車で、小さな車体で誰でも乗れるサイズ感、元気の良いエンジンが高い評価を受けたミニサイズモデル。レースビギナーにも受け入れられ、カワサキライダーズクラブKAZE主催のKSRワンメイクレースが日本全国のサーキットで開催されていたほど大人気だった。

人気コンテンツ