HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~

ヤマハ YZF1000Rサンダーエース(1996年モデル)の基本情報

レプリカYZFの名をもつハイスピードツアラー「YZF1000Rサンダーエース(4SV)」

1990年代中頃の国内リッタークラスは、CB1000SF(SC30)、XJR1200(4KG)、GSF1200(GV75A)、ゼファー1100(ZRT10A)といったビッグネイキッドが主流となっていたが、輸出モデルに目を向けてみると、CBR900RR(SC28)やZX-9R(ZX900B)などのレプリカモデルや、ハイスピードツアラーCBR1100XX(SC35)の登場が登場し、750ccクラスよりもフルカウルモデルが充実してきた。そんな中、1987年に登場したFZR1000の後継モデルとして、V-MAXと並ぶヤマハの新たなフラッグシップモデルとなったのがYZF1000Rサンダーエース(4SV)だ。

排気デバイスEXUPを採用したFZR1000の前傾5バルブエンジンをベースにクランクを22%軽量化。YZF750SPの公道モデルとも言えるYZF750Rのディメンションを踏襲したアルミ・デルタボックスフレームを採用し、φ48mmのフロント正立フォーク、新設計のスイングアーム、前後17インチホイール、フロントに一体成形の4ポットキャリパー+φ298mmディスクと足回りを固めた。曲線や曲面を活かしたオーガニックデザインによるカウルも特徴的で、徹底追及された空力特性により、CdA値をYZF750Rと同等の0.290まで低減させた(FZR1000は0.304)。

YZF1000Rの登場から2年後の1998年にはスーパースポーツYZF-R1(RN01)が衝撃デビューしたことで、スポーツモデルとしての人気は必然的にそちらに移行し、また、2001年にはまさに「ツアラー」と言えるFJR1300(RP04)が発売され、わずか4、5年のラインアップとなってしまった。しかし、スポーツ性と実用性を両方兼ね備えたハイスピードツアラーとしてはYZF1000Rの方が1枚上手と言えるのではないだろうか。

  • このページは株式会社ヤマハ発動機のご協力を頂き製作しています

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