HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
ヤマハ VMAX1200(1990年国内モデル)の基本情報
オーバーナナハン解禁後、初のリッターモデル「VMAX1200(3UF)」
1985年からアメリカ向けに発売されていたVMAXのベースとなっているのは、1983年のベンチャーロイヤルで、水冷V型70度の4気筒DOHC4バルブエンジンを改良し、コンロッド、クランクシャフトは全く別物の素材を使用して強化するなど、大幅なパワーアップや「Vブーストシステム」の採用に対応した。前後シリンダーのマニホールド間をバイパスし、一定回転数でバラフライバルブが開くことでツインキャブ状態を作り出す「Vブーストシステム」の採用もあって、145ps/9000rpm、12.4kg-m/7500rpmを発生し、「重量級の車体と脅威の加速力、Vブースト」がVMAXを表す言葉としてピッタリなものとなった。
1990年春に日本国内でオーバーナナハンが解禁になり、解禁後、初のリッターモデルとして登場したのが、国内仕様のVMAX1200(3UF)だ。国内モデルは最大の魅力とも言えるVブーストシステムを外し、97ps/7000rpm、11.3kg-m/6000rpmと大幅なパワーダウンとなってしまった。しかし、低回転寄りにしたセッティングで加速感はスポイルされず、日本国内で扱うには十分なもので、150/90-15の極太リアタイヤ、ディッシュホイール、フロントのダブルディスク、ダミータンクやエアダクトといったデザイン面なども輸出モデルとほぼ同じだ。
ドラッグスタイルとVブーストによるパワー&加速。これを両方備えることでVMAXの魅力は最大限になるのかもしれないが、何もフルパワーでなくても十分楽しめる、と国内仕様のVMAX1200は伝えたかったのかもしれない。国内でのラインアップが終了した後も、2008年にフルモデルチェンジしVMAX1700が登場するまで、輸出モデルは継続販売されたため、比較的高年式、程度の良い車両も流通している。Vブーストにこだわって輸出モデル(逆車)にするか、それとも日本で扱いやすい国内仕様を選ぶか。見た目が全く同じながら、ガラっとスペックが異なる逆車と国内が存在するのもVMAXの魅力のひとつと言えるだろう。
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