HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
カワサキ ZRX1100(1996年モデル)の基本情報
往年のローソンレプリカを思わせ、ゼファーとは対極の「ZRX1100(ZRT10C)」
カワサキはネイキッドのフラッグシップモデルであるゼファー1100(ZRT10A)を1992年に登場させ、他メーカーを一歩リード。CB1000SF(SC30)は同年11月、XJR1200(4KG)やGSX1100Sカタナの国内仕様(GU76A)はさらに遅れて1994年に登場することになり、ここでやっとリッターネイキッドが出揃った形となっていることから、実際、台数的にもゼファー1100は優位に立っていた。そんな状況にもかかわらず、水冷で異なったキャラクターのZRX1100(ZRT10C)を登場させたのは、ハイパワーかつスポーツ性を重視したネイキッドの人気の高まりを受けてのことだろう。
1994年に登場したZRX400(ZR400E)と同様の直線基調のデザインは、往年のローソンレプリカ・Z1000R (KZT00R)を彷彿とさせるもので、ビキニカウルが一番のポイントと言える。エンジンはGPZ1100(ZXT10E)をベースにリファインしたもので、97→100ps/8500rom、9.0kg-m/4500rpm→9.8kg-m/6000rpmと出力向上を果たしている。元を辿ればZZ-R1100、ZX-10、GPZ1000RXといったハイパワー、最速ツアラーをルーツとしているため、そのポテンシャルは計り知れないものがある。絶対性能を求めていなかったゼファー1100とは反対のコンセプトで、後に追加されるライムグリーンのカラーリングからも「走り」のネイキッドを意識させられる。
ビキニカウル付きを標準モデルとし、ノンカウル&丸型ライトを「?」とバリエーションモデルに設定。モデルチェンジ後の1200ではビキニカウルのZRX1200R、ハーフカウルのZRX1200Sと2タイプともにカウルを装備。さらに、ZRX1200ダエグではビキニカウルと、やはりZRXを象徴するのはビキニカウル&角型ライトのスタイリングだ。そして、前後17インチホイールにφ43mmフロントフォーク、6ポットキャリパー、アルミ製トラス型スイングアームといった足回りもライバル車を上回るもの。カワサキファンならずとも、ネイキッドでスポーツしたいユーザーにZRX1100は最適な1台だ。
- このページはカワサキモータースジャパンのご協力を頂き製作しています
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