HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
カワサキ GPZ1100(1995年発売モデル)の基本情報
ニンジャでもZZ-Rでもない、スポーツツアラーの国内モデルが「GPZ1100」
世界最速の異名を持ったハイスピードツアラーZZ-R1100に対し、GPZ900Rにも似たスタイリングを持つGPZ1100(ZXT10E)は、スポーツランと安定したクルージングの両方を楽しめる、ベーシックなスポーツツアラーという位置付けのマシンだ。ツアラーで高速クルージングを堪能するにはZZ-Rなどの「逆輸入」しかなかったが、国内でGPZ1100が登場したことにより、気軽に楽しめるようになった。
ダウンチューブを2本としたスチール製ダブルクレードルフレームに、ZZ-R1100の水冷DOHC4バルブエンジンを流用し、吸排気系をリファインしたものを搭載。ラムエアシステムは装備されていないが、ベースがZZ-R1100だけに、パワフルさは健在。しかも、極低回転からでもスムーズに吹け上がる特性で、街中の渋滞路から高速クルージングまで、全域に渡ってコントロールしやすい。
カワサキ歴代のビッグツアラーで培ったウインドプロテクション効果は絶大で、ゆったりしたライディングなど、長距離ツーリング時の疲労を大幅に低減。足回りは41mm正立フォーク、前3.50-17/後5.00-17ホイールなどオーソドックスな構成で、安定性重視のハンドリングながら、その気になれば、タイトなコーナーでも十分にスポーティーな走りを堪能でき、街中でも扱いにくさを感じることもない。GPZ900R並みのボディサイズに抑えられ、取り回しの良さも持つなど、派手さはないが、的確な作りで、長く乗れるマシンといえる。
1996年モデルからは、前後ブレーキにABS(アンチロックブレーキシステム)を装備したGPZ1100ABSも登場。そして、1997年には同系エンジンを搭載したZRX1100、ZRX1100-2が発売され、カワサキビッグバイクの国内モデルは、ニンジャ、空冷のゼファーと合わせ充実したものとなった。
- このページはカワサキモータースジャパンのご協力を頂き製作しています
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